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dynabook Qosmio G30/697HS

dynabook Qosmio G30/697HS

2006年06月16日 10時10分更新

文● 伊藤 裕也

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dynabook Qosmio G30/697HS

東芝

オープンプライス(実売価格:40万円前後)

東芝のハイエンドAVノート「dynabook Qosmio G30/697HS」
東芝のハイエンドAVノート「dynabook Qosmio G30/697HS」。

東芝のAVノートパソコン“Qosmio(コスミオ)”シリーズは、TVに匹敵する高い映像品質と快適な操作性の実現を目指して設計されたオールインワンノート。TVの視聴・録画を行なうためのソフトに、同社のHDDレコーダー“RD”シリーズと共通のユーザーインターフェースを持つ“Qosmio AV Center”を搭載するなど、設計コンセプトどおりの強力なAV機能をセールスポイントとするモデルである。

そのQosmioシリーズに今回、地上デジタルTV放送(通称:地デジ)対応のデジタルTVチューナーにフルHD表示(1920×1080ドット)対応の液晶ディスプレー、さらにはHD DVD-ROMドライブを搭載する「Qosmio G30/697HS」(以下G30/697HS)が追加された。G30/697HSは強力なAV機能を有するハイスペックAVマシンであり、同社ノートパソコンのラインナップにおける位置づけは、文句なしの最上位モデルである。ここでは、G30/697HSにおいて最大のポイントであるTV視聴・録画機能の詳細を中心にお伝えしていこう。



重低音再生も可能な本格スピーカーを内蔵

天面パネル
液晶ディスプレー裏の天面パネルには落ち着いたシルバーを採用。液晶ディスプレーやキーボードのある内側とは大きく印象が異なる。
Harman International社と開発したバスレフ式スピーカー
Harman International社と開発したバスレフ式スピーカー。出力は4W+4Wで低音から高音までクリアに再現できる。自室でTVやDVDを楽しむのにも十分なクラスだ。TV番組やDVDを楽しむうえで音は重要な要素のひとつだけに、こうした本格的なスピーカーの搭載はうれしい。

 外観の特徴は、ブラックを基調とするボディーに大出力のスピーカーやボリューム操作を行なうための大型ホイールなどを搭載。従来モデルと同様に、AV機器を強く連想させるデザインとなっている。スピーカーは米ハーマンインターナショナル(Harman International)社と共同開発したバスレフ式のもので、出力は4W+4W。一般的なノートパソコンでは低音の出力に難があるなど、AVノートを謳っていてもオーディオ出力に課題を残すものが少なくないのだが、G30/697HSではこの内蔵スピーカーによって別途外部スピーカーを接続しなくても本格的な音楽を十分に楽しめる。キーボードの周囲を囲むパネルはヘアライン処理を施したアルミ合金で、音質にマッチする上質な雰囲気を演出する。液晶ディスプレー裏のパネル(天板)は落ち着いたシルバーで、パネル上部にはQosmioロゴがレイアウトされている。



ボディーの前面と背面 左右側面
ボディーの前面と背面。前面は脚部がボディーを支える構造となっており、オーディオ機器のコンポーネントをイメージさせる。背面にはVGAやHDMI端子、ネットワークポートなどが並んでいる。なお、背面のスリットは排熱のための通風口だが、ハイスペックモデルということで動作中は熱い風が吹き出すことになる。設置時にはこのスリットをふさがないように背後の空間に若干余裕を持たせるようにしたい。左右側面。右側面にはIEEE 1394やUSB 2.0、ExpressCardやPCカードスロットなどが、左側面にはモジュラージャックやセキュリティースロット(ケンジントンロック穴)が設けられている。

 基本スペックを確認しておくと、CPUとチップセットがIntel Core Duo T2500-2GHz、Intel 945PMといった組み合わせで、メインメモリーはPC2-4200対応のDDR2 SDRAMを標準で1GB搭載(512MB×2、最大2GBまで増設可能)。HDDは120GBドライブ(5400rpmタイプ、シリアルATA接続)×2の合計240GBで、光ドライブにはHD DVD-ROMの読み込みと記録型DVDメディア(DVD±R DLを含むDVD±R/RW、DVD-RAM)の書き込みをサポートするHD DVD-ROMドライブを採用している。

HD DVD-ROMドライブのスペック

HD DVD-ROMドライブ
HD DVD-ROMドライブ。HD DVD-ROMの読み出しはもちろん、デュアルレイヤー(2層式)対応DVDスーパーマルチドライブとしても使用できる。
書き込み(速度)
DVD+R(1層約4倍速、2層約2.4倍速)
DVD-R(1層約4倍速、2層約2倍速)
DVD+RW(約4倍速)
DVD-RW(約4倍速)
DVD-RAM(約3倍速)(※1)
CD-R(約16倍速)
CD-RW(約10倍速)
読み出し(速度)
HD DVD-ROM(1倍速)
DVD(約8倍速、DVD-ROMの場合)
CD(約24倍速、CD-ROMの場合)
※1 DVD-RAMは片面4.7GB/両面9.4GBタイプのみ対応し、片面2.6GB/両面5.2GBタイプは使用不可。また、カートリッジから取り出せないタイプのメディアにも非対応。

キーボードの奥にワンタッチボタン 大型のホイールコントローラ
キーボードの奥には、TVの視聴やDVDの再生といった機能を即座に呼び出すためのワンタッチボタンが並ぶ。液晶ディスプレーの輝度調整もここから行なえる。AV機器を意識した、音声のボリュームに対応する大型のホイールコントローラ。しっかりと面取りされているなど作りは丁寧で、高級感を演出している。ただし、回転させて変化するボリュームの割合がかなり小さく、音量を最小の状態に絞ったり、最大に引き上げるときなど、大きく変化させるにはダイヤルを何度も回すことになってしまう。音量を頻繁に変更する必要がある人には、やや面倒かもしれない。
インタービデオのビデオプレーヤーソフト「WinDVD HD for TOSHIBA」
HD DVDタイトルの再生に対応するインタービデオのビデオプレーヤーソフト「WinDVD HD for TOSHIBA」。ユーザーインターフェースは同社のDVDプレーヤーソフト「WinDVD 7」と同一だ。

 HD DVD-ROMについてはソフトの数がまだ少なく、また、Blu-rayディスクとの競争が今後どうなっていくのか不透明な部分もあるが、いち早く先進の技術に触れたいという人にはこのHD DVD-ROM搭載こそ最大のポイントであるといえよう。なお、G30/697HSではバンドルソフトにインタービデオの「WinDVD HD for TOSHIBA」を搭載しており、HD DVD-ROMによる映像作品の再生をサポートしている。再生した映像は液晶ディスプレーに表示できるほか、G30/697HSに内蔵されたHDMI端子を用いてTVなどに出力することも可能だ。



キーボード
大型のノートパソコンだけあって、キーボードも余裕のある作り。パネルもヘアライン処理が施されており、価格に見合う高級感を演出している。

 ビデオチップはノートパソコンにおける3D描画能力で定評ある米NVIDIA社のGeForce Go 7600(ビデオメモリー128MB搭載)で、液晶ディスプレーは1920×1200ドット表示のいわゆる“フルHD対応”と呼ばれる17インチワイド液晶パネルを採用する。この液晶パネルは高精細かつ発色も鮮やかで、映像表示に向く特性を持つ。TV番組の視聴やHD DVDの再生を想定しているG30/697HSには、ピタリの液晶ディスプレーといえよう。

本体底面 B-CASカードスロット
本体底面。カバーを開けることでHDDやメモリーにアクセス可能だ。HDDはご覧のとおり2台搭載しており、ディスク0はCとEドライブ、ディスク1はDドライブと、それぞれの2台ディスクで3つのドライブ(パーティション)を割り当てている。RAID設定ではない。B-CASカードを挿入するスロットはバッテリーパックを接続する場所の側面に設けられている。購入直後のB-CASカードの装着や取り出しにはやや苦労するかもしれないが、通常は一度差し込んでしまえば外すことはないデバイスだけに、特に問題はない。

 TVチューナーについては地デジ対応のデジタルTVチューナーに加え、アナログTV放送対応のアナログTVチューナーも搭載し、地デジとアナログTV放送の同時録画も行なえる。

付属ACアダプター
付属ACアダプターはA4ノートパソコンとしては標準的なサイズだ。ケーブルも長くて取り回しやすい。なお、パソコンとACアダプターを接続するコネクタには角型のものを採用している。

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