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宇宙に届けアナタへの想い!! お値段1億円也――アストロリサーチ、個人向け人工衛星提供サービスを開始

2006年06月08日 20時24分更新

文● 月刊アスキー編集部 中西祥智

(株)アストロリサーチは8日、個人向けに小型人工衛星を提供するサービス“MySatパーソナルサービス”を、9日に開始すると発表した。

MySat-1
個人用小型人工衛星『MySat-1』。アナタの想いをこの衛星に詰め込んで打ち上げれば、30年間は地球を回り続ける! 「キミへの感謝の気持ちが、ほら、いま宇宙を飛んでいるんだよ」などといったことも可能だ! ただし、お値段は1億円と、ものすごく敷居は高い

“MySatパーソナルサービス”は、同社が開発した小型人工衛星『MySat-1』に、契約者の記念品やメッセージなどを格納して宇宙に打ち上げてくれるというもの。打ち上げられた衛星は3年程度は稼働し、位置情報などを電波で発信し続ける。稼働終了後も20~30年は周回軌道を回り続けるが、やがては大気圏に突入して燃え尽きる。サービスの購入価格は1億円。

このサービスを行なうアストロリサーチは、これまで宇宙航空研究開発機構の環境観測技術衛星『みどりII(ADEOS-II)』の搭載観測機器など、人工衛星やその部品の開発を行なってきた。また、東大を始めとするさまざまな大学による手作り人工衛星プロジェクト“CubeSat プロジェクト”もサポートしている。そして、同社は今年で創業10周年を迎えるのを機に、「一般の個人が衛星を打ち上げることは現状では不可能だが、記念日に個人の想いを載せた衛星を打ち上げることがあってもいいのではないか」(同社取締役 小池一朗氏)という考えのもと、個人向けの人工衛星サービスに乗り出したという。

MyBox
『MySat-1』に搭載するメッセージボックス“MyBox”。7色のカラーバリエーションもある

人工衛星『MySat-1』のサイズは幅250×奥行き250×高さ250mmで、重さは15~20kg。通信ビーコンのほか、内部・外部の温度センサー、エアブレーキ、姿勢制御装置を搭載する。姿勢制御装置は地球の地磁気を利用するもので、内蔵する電磁石が地磁気と反発する、あるいは引きつけ合う力によって姿勢を保つ。『MySat-1』の内部には、100mm四方のアルミ合金製メッセージボックス“MyBox”を格納でき、このMyBox内に契約者の記念品やメッセージなどを入れて打ち上げることになる。MyBoxの内径は90mm四方で、そのサイズに入る重さ5kg程度までのものなら、基本的には何でも入れることができる。



MySat-1内部
『MySat-1』の上面のパネルを取り除いたところ。中央の空洞にMyBoxを格納する

衛星の打ち上げは、ある衛星を打ち上げるロケットの打ち上げ能力に余剰がある場合、そのスペースを利用してほかの小型衛星を打ち上げる“ピギーバック”方式で行なう。打ち上げた『MySat-1』は高度600~800km、地球を南北方向に回る極軌道を1日に14~15回転し、日本上空を1日に2回通過する。残念ながら肉眼や望遠鏡では確認できないが、ビーコンから発信される電波を地上施設で受信し、現在通過中であることをメールなどで契約者に知らせるサービスも提供されるという。搭載機器の耐用年数などから、3年程度で衛星としての寿命が尽きるため、そのころにエアブレーキを作動させる命令を送信。エアブレーキの空気抵抗で衛星は序々に高度を落とし、やがては大気圏に突入して燃え尽きる。大気圏に突入させるのは、宇宙のゴミ“デプリ”となることを避けるためだ。



MySatパーソナルサービス
『MySatパーソナルサービス』のイメージ

個人が写真や手紙、各種の記念品、あるいは遺灰などを、何かの記念としてMyBoxで打ち上げるという利用法を、同社は“MySatパーソナルサービス”として想定している。もちろん、法に触れない範囲なら、それ以外のものを入れて打ち上げてもかまわないし、「そこはユーザーにいろいろとアイデアを出してもらえれば」としている。もっとも、宇宙空間でペイロードを開放して、内容物を宇宙に放出するようなことはできない。また、大気圏突入後に内容物を回収することも不可能だ(完全に燃え尽きるため)。

なお、アストロリサーチは“MySatシリーズ”として、『MySat-1』以外にも『MySat-20』や『MySat-40』といった合計5種類の、汎用性の高い人工衛星のラインナップも発表した。従来の人工衛星は完全にオーダーメードであり、設計期間が長く、またコストも高かった。だが、同社はこれら5種類の汎用衛星をベースにして、顧客の要望に応じてカスタマイズすることで、短期間かつ低コストで衛星を提供することを狙う。すでにいくつか打ち上げられている学生たちの手作り衛星『CubeSat』のほか、小型ロボットによる格闘技大会“ROBO-ONE”を宇宙で行なうための“ROBO-ONE衛星”プロジェクトなど、小型衛星のニーズは近年高まっているため、“MySatシリーズ”の需要は十分期待できるとしている。



友達100人集めれば、ビジネス化も
自分で打ち上げも夢じゃない!?

もっとも、この“MySatパーソナルサービス”の価格は1億円と、一般の人々にはほぼ手を出せそうにない。そういう意味で、このサービスは同社および同社の“MySatシリーズ”の知名度を向上させるためのプロモーションであり、実際の収益は“MySatシリーズ”で得るのでは、という質問に対して、同社岡本博之宇宙システム事業部長は「決してプロモーションではなく、ちゃんとビジネスとして成立させる」と意気込んでいる。同社では、今年度は国内で1~3件、3年後には世界で年に10~15件、5年後には年間20~30件の受注を見込んでいる。

世界で数人~数十人程度なら、このサービスに1億円を払える人はいるかもしれない。だが、我々庶民にはしょせん縁遠い話で――と思わるかもしれないが、必ずしもそうではない。アストロリサーチは“MySatパーソナルサービス”を1人の契約者に対して1億円で販売するが、その契約者がたとえば100人に対して、1人100万円でメッセージを宇宙に送るサービスを提供してもかまわないとしている。『MySat-1』に何かを入れて打ち上げる権利を、同社が小分けにして販売することはしないが、契約者がいわば代理店となり、多くの人に権利を細かく分割して販売することは可能だ。契約者も個人には限定していない。

そうなると、今後、“MySatパーソナルサービス”を利用したビジネスを提供する企業や個人が登場するかもしない。内径が90mm四方のMyBoxなら、写真を100枚入れることは可能だろうから、「お1人様110万円で、100名様の写真やメッセージを宇宙に送ります」といったサービスは有り得る。あるいは,「1万人の皆様の声をCD-ROMに入れて~」とか、「お子様の映像を入れたDVDを宇宙に~」など、アイデア次第でさまざまなビジネスが可能だろう。

サービスの購入受け付けは9日に開始される。同社では、2007年の冬頃には『MySat-1』の試験機である『ARCSat-X』を打ち上げる予定。そして、サービス購入者の衛星が実際に打ち上がるのは、ピギーバックの確保の状況によるが、2~3年後を予定しているという。

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