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富士通、ナノ粒子触媒を利用したカーボンナノチューブ配線形成技術を開発

2006年06月06日 23時26分更新

文● 編集部

富士通(株)は6日、(株)富士通研究所と共同で、世界で初めてナノサイズの金属微粒子(ナノ粒子)触媒を利用した多層カーボンナノチューブ配線の形成技術を開発したと発表した。ナノ粒子を用いることで、LSIの層間配線(ビア配線)に利用するカーボンナノチューブの密度制御が容易になり、これまでで最高密度のビア形成を実現したという。同社では、次々世代(32nm世代)以降の微細で低抵抗のLSI多層配線に適用できるとしている。

カーボンナノチューブ配線 堆積されたコバルトナノ粒子
今回開発したカーボンナノチューブ配線の走査型電子顕微鏡像(直径40nmのビアホールからの成長)配線ビアホール底部に堆積されたコバルトナノ粒子

多層カーボンナノチューブは、自己組織的に形成されるナノサイズの構造体(直径が1~数十nm、長さは1~100μm)で、電流密度を銅より1000倍以上高くできるため、微細なLSIで高速な回路を実現できるほか、熱伝導率も銅の約10倍と高く、微細LSIで発生する熱を配線を通して逃がすこともできるのが特徴。多層カーボンナノチューブの成長には、一般的に鉄/コバルト/ニッケルなどのナノサイズの粒子が触媒として必要となるが、基板の種類や温度などにより作られる触媒ナノ粒子の直径や密度が異なるという問題があり、形成される多層カーボンナノチューブの直径や密度の制御も容易でなく、ビア配線の低抵抗化の障害となっていたという。

今回開発した技術は、直径のばらつきが少ない触媒ナノ粒子を高効率で作成し、それを微細な配線ビアホールの底に高密度で堆積するというもので、半導体プロセスと整合性の高いドライプロセス(真空装置内での製造工程)を利用する。ひとつは、ナノ粒子の大きさによる慣性力の違いを利用してサイズ選別を行なう“インバクター”(※1)の開発で、直径5nm以下のナノ粒子の選別にインバクターを利用するのは世界で初めてという。もうひとつは、高い指向性を持つナノ粒子ビームの形成で、圧力が1000パスカル程度のヘリウムガス中で形成されたナノ粒子を、10-3パスカル程度の高真空に段階的に導くことで指向性の高いナノ粒子ビームを形成し、微細ビアホールの底へナノ粒子を堆積できるようにした。

※1 インバクター ノズルから高速でナノ粒子を含むガスを噴出し、前方に置いた板でガスの流れを急激に変化させ、ナノ粒子のサイズに応じた慣性力の違いを利用して特定のサイズの粒子を選別する装置

これにより、直径4nmのナノ粒子では堆積速度が従来の約1000倍になり、300mmウエハーへ一様に堆積させることが現実的になったほか、高指向性の微粒子ビームにより直径100nm以下のビアホール底へ触媒ナノ粒子を高密度で一様に堆積させることに成功したという。開発した技術で作成したカーボンナノチューブビアの抵抗は、直径2μmで約0.59Ωで、現在LSIに使用されているタングステン並みとなっており、カーボンナノチューブビアとしては現在世界で最も低い抵抗値になるという。さらに、直径40nmのビアにおいて1平方センチあたり9×1011本と現時点で最高密度の多層カーボンナノチューブ成長に成功したとしている。

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