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バッファロー、ドラフト11n準拠の高速無線LANを7月発売

2006年06月05日 17時30分更新

文● 編集部 西村賢

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(株)バッファローは5日、次世代高速無線LAN規格、“IEEE802.11n”のドラフト案に準拠した無線LAN製品“NFINITI(エヌフィニティー)”シリーズとして無線LANルーター、PCカード、PCIカードの3製品を7月上旬から順次発売すると発表した。最大約80Mbpsと、現行の11a/gに比べて約2.5倍の速度を実現する。

ルーター
NFINITIシリーズの無線LANブローバンドルーター『WZR-G144N』。アンテナを3本備え、より高速で安定した通信が可能
カード PCIカード
NFINITIシリーズの無線LANカード『WLI-CB-G144N』PCIバス用増設カード『WLI-PCI-G144N』


NFINITIシリーズ
ラインナップ 価格(税別) 発売予定
ブロードバンドルーター『WZR-G144N』 2万6300円 7月上旬
無線LANカード『WLI-CB-G144N』 1万1500円 7月上旬
PCIバス用無線LANカード『WLI-PCI-G144N』 1万3600円 7月中旬
ルーター、PCカードセット『WZR-G144N/P』 3万1500円 7月上旬


ハイビジョン映像を2本同時に転送

新たにNFINITYと名付けられた今回の3製品は、いずれもIEEE802.11nのドラフト案に準拠する。11nは複数のアンテナを同時に使ってデータを送受信することで、安定した高速通信を実現する規格で、来年後半に正式な標準規格として策定される見通しとなっている。

11nは使うアンテナの本数や電波帯域によって、最大通信速度が異なる。NFINITYでは、送信に2本、受信に3本と複数のアンテナを同時に使うことで、理論上最大144Mbps、実効速度80Mbpsと、従来の802.11a/gに比べて約2.5倍の通信速度を実現する。また、従来の11gと下位互換性があり、11gとNFINITYは混在して利用することもできる。ただし、現状では標準規格としての相互運用性に保証がなく、将来、11n対応の他社製品が登場した場合の高速接続は保証されない。また、11nが正式に策定された時点でソフトウェアアップデートなどによる対応が行なわれるかについても「現時点では断言できず、予定はない」(中井一事業部長)としている。

解説図
NFINITYシリーズでは送信に2本、受信に3本のアンテナを同時に使う
スループットグラフ 部屋間通信
100m離れた地点でも約55Mbpsの高速通信が可能通信可能な距離も伸び、階が違っても高速通信が可能

発表会の席上で挨拶した山口英利取締役は、地上デジタル放送の開始やハイビジョン対応テレビ、録画機器の普及、またこうしたデジタル家電のネットワーク化によって、より高速無線通信のニーズが高まっているとし、「NFINITYはハイビジョン時代の高速無線LAN」と話した。

会場ではハイビジョン映像を無線LANを使って視聴するデモも行なわれた。11gを用いた接続では、2本分の映像を転送しはじめたとたんに画像が途切れ途切れになったりブロックノイズが発生したが、11nでは2本分ともクリアな映像を保持したままだった。

11gでハイビジョン受信 ドラフト11nでハイビジョン受信
約20MbpsのMPEG-2のHD映像を11gで2本分転送。ブロックノイズが発生同じ映像ソースをNFINITYを使って2本分転送。滑らかに再生が続いた
画質比較デモンストレーション

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