シトリックス・システムズ・ジャパン(株)は23日、ウェブアクセラレーター製品“Citrix NetScaler System”シリーズを今月31日に、ウェブサーバー用のファイアーウォール製品“Citrix Application Firewall”シリーズを6月1日にそれぞれ発売すると発表した。
NetScaler 7000 |
ハイエンド製品の『NetScaler 12000』を追加
ともに米シトリックス・システムズ(Citrix Systems)社が昨年買収した米NetScale社の製品。
NetScaler Systemは、ロードバランサーやDDoS(Distributed Denial of Service)攻撃への防御機能に加え、Keep Aliveパケットの最小化や、オンメモリーのキャッシュ機能である“AppCache”、アプリケーションデータの圧縮機能“AppCompress”、差分圧縮の“AppCompress Extream”など、トラフィックの負荷を軽減する機能も利用できる。レイヤー7(アプリケーション層)での最適化に焦点を当てることで、レイヤー4(トランスポート層)のトラフィックを50~75%程度低減できる点が他社との差別化要因だという。
NetScaler SystemはローエンドのNetScaler 7000から、ハイエンドのNetScaler 12000まで4シリーズをラインアップする。このうちNetScaler 12000は今回新たに追加されたシリーズとなる(NetScaler 7000/9000/10000は既存シリーズ)。価格は306万2300円からで、12000のシングルCPU構成を選択した場合、価格は1757万円(オプション含まず)。販売はシトリックス認定の販売パートナーが行なう。
アプリケーションレイヤーでのパフォーマンス比較 | ウェブアプリケーションの応答時間(出典:TCS Consulting Services)と顧客満足度(出典:Frost & Sullivan) |
パフォーマンステスト(出典:The Tolly Group) | 国内のアプリケーションデリバリー市場の規模(出典:富士キメラ総研) |
一方、Application Firewallは、ウェブサーバーへのトラフィックを双方向で監視し、正常な通信(ホワイトリスト)のみを透過させる“ポジティブセキュリティーモデル”を採用。振る舞いを検知することで未知の攻撃にも対処できる“ルールベース”のセキュリティー機能を提供する。
1UラックマウントサイズのApplication Firewall 7000と2Uラックマウントサイズの同12000の2シリーズをラインナップしており、価格は430万円から。販売はシトリックス認定の販売パートナーが行なう。
2009年に売上げ90億円が目標
代表取締役社長の大古俊輔氏 | マーケティング本部本部長の柳宇徹氏 |
本日都内で行なわれた製品発表会には、シトリックス代表取締役社長の大古俊輔(おおこ しゅんすけ)氏などが出席。“Citrix Presentation Server”によるクライアントサーバー環境の仮想化、“Citrix NetScaler System”によるウェブアプリケーションの最適化、“Tarpon”(コードネーム)で現在開発が進められている、Pull型のアプリケーションストリーミング技術が、同社の3つの柱である点を確認した。
シトリックスでは、2009年までに220億円市場となる国内のアプリケーションデリバリー市場で、90億円程度のシェアを取ることを目標とする。