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LUMIX DMC-TZ1

LUMIX DMC-TZ1

2006年05月18日 20時31分更新

文● 行正 和義

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LUMIX DMC-TZ1

松下電器産業

オープンプライス(実売:4万5000円前後)

松下電器産業の“LUMIX(ルミックス)”「DMC-TZ1」は、光学式手ぶれ補正付き10倍ズームレンズをコンパクトなボディーに収めたデジタルカメラだ。

LUMIX DMC-TZ1
写真1 松下電器産業“LUMIX”「DMC-TZ1」。

 本機では、高倍率ズームレンズと光学式手ぶれ補正機構を小型に抑えるため屈曲式ズームレンズを採用する。外観から見えるレンズ部の内部にあるプリズムで屈折した光は、本体右側(グリップ側)にあるインナーレンズに導かれ、インナーレンズ部には手ぶれ補正レンズが配置されている。最近は屈曲光学系と手ぶれ補正を組み合わせたデジタルカメラも多くなったが、TZ1ではさらに通常の沈胴式レンズも併用するのが特徴だ。本体前面にあるレンズ部がズームの際に伸張することで、最大10倍の高倍率を実現している。

前面
写真2 レンズやグリップ部を除けばシンプルな直方体を基本とするボディなので、ポーチなどへの収まりはよい。グリップ部の前側にあるモールドも滑り止めとして役立っている。

 横長形状の本体には握りやすいグリップとレンズ周囲のリング部が装備され、レンズカバーは内蔵ではなくキャップ式となっている。コンパクトカメラにとって撮影時にいちいち取り外すキャップはやや面倒にも感じられるが、本体前面のレンズは電源ONだけでは伸張せず、キャップの外し忘れによって電源ONが妨げられる面倒はない。ズームでレンズは伸長するものの長さは最大でも約1.5cmと、最近一般的な沈胴式の望遠機のような“本体の数倍の長さ”になることがないため、撮影時の取り回しは楽だ。



上面
写真3 下側は電源OFFの状態。電源を入れても広角側ではまったくレンズは飛び出さない。望遠時では上側のようになるが、高倍率ズーム機としてはおどろくほどのコンパクトさだ。ボディ単体をみるとボタン類の配置は他のLUMIX(FXシリーズなど)とほとんど同一だが、グリップが大きいことを考えればシャッターボタンはもう少し前方にあってもよかっただろう。

 撮影機能もプログラムオート+シーンプログラムでマニュアル露出系の機能は装備していないが、4:3比率に加えてフィルムカメラのような雰囲気が出せる3:2、およびハイビジョン比率の16:9の撮影モードを備える点は、同社の「DMC-LX1」などと同様だ。16:9比率の動画撮影(848×480ドット/30fps)にも対応する。

側面
写真4 左側面にはフタの下にUSB、AV出力端子を備える。右側のグリップは下のほうが太くなっているためボテッとした印象となっているが持った際の安定感は非常によい。

 また、FZシリーズで採用された、バックライト輝度を上げることで日中屋外での視認性を向上させる“パワーLCDモード”、液晶パネルの偏光角を変えて下方向から見やすくする“ハイアングル”モードなどを備え、人ごみ越しにカメラを持ち上げて撮る運動会などの撮影時にも威力を発揮する。

 本体上部の中央に大きなモードダイヤルを装備する操作系はLX1と同様だ。従来の“FXシリーズ”では背面の右端に半埋め込み式のダイヤルが装備されているが、ポーチなどから取り出す際に誤って引っかけるなどして回ってしまうことが多く、本機のような形状に変更されたことでより使いやすくなるだろうと感じた。

背面 スロット
写真5 大柄のボディなので、最近のコンパクトカメラを見慣れた目からすれば逆に液晶や操作部が小さく感じてしまう背面。カーソル類などはFXシリーズと同等だが、大きめのボタンや独立メニューキーなどが欲しかったところ。写真6 充電池とSDカードはグリップ部に内蔵する。同種のバッテリを採用するデジタルカメラでは厚みを抑えるために横向きに装着するのに対し、充電池とSDカードが縦向きになっているのは珍しいが、グリップを除くボディ部には横向きに屈曲式インナーレンズを内蔵されていることを考えればこれが横幅を抑える工夫ということが分かる。奥にあるのは付属のレンズキャップ。

 バッテリーは新タイプの「CME-BCD10」と呼ばれるリチウムイオン充電池(1000mAh)を採用する。本体小型化のための措置と思われるが、FXシリーズやLX1が採用する「DMW-BCC12」(1150mAh)よりも小容量化したため、撮影枚数も公称値で約250枚(FX9は270枚)と減少しているのは残念だ。

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