富士通(株)と(株)富士通研究所は16日、従来の耐熱性/成形性を維持しながら、耐衝撃性を1.5倍に高めた植物性プラスチックを開発したと発表した。併せて、開発した植物性プラスチックを利用して富士通が携帯電話機の筐体の試作に成功したことも発表した。
サブディスプレー側 | 操作ボタン側 | 電池カバー側 | ||
富士通が試作した携帯電話機の筐体の試作品(FOMA F901iS) |
携帯電話機として組み立てたイメージ |
新開発の植物性プラスチックは、トウモロコシなどを原料とする植物性プラスチックの“ポリ乳酸”(Poly Lactic Acid)と、加熱した場合にガラス状からゴム状に変わる現象の起こる温度(ガラス転移温度)の高い石油系プラスチック“ポリカーボネート”を複合させる“ポリマーアロイ化”において、相溶性(混ざりやすさ)を高め、従来より微細な構造とすることで耐衝撃性を1.5倍に高めたのが特徴。耐熱性や成形性は従来と同等であるため、携帯電話機を始めとするさまざまなモバイル機器に利用できるという。なお、開発には東レ(株)が協力している。
開発した植物性プラスチックを利用して富士通が試作した携帯電話機の筐体は『FOMA F901iS』用のもの。同社では、今後、携帯電話機の新製品への適用を拡大することで、石油資源の利用や環境負荷を低減できるとしている。