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アッカ、2006年第1四半期の決算を発表――軸足を企業向けサービスに

2006年05月15日 22時57分更新

文● 編集部 橋本 優

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(株)アッカ・ネットワークスは15日、2006年度第1四半期(1月1日から3月31日まで)の決算発表を行なった。

決算内容の説明を行なう(株)アッカ・ネットワークスの代表取締役社長の坂田好男氏

全体の売り上げ高は101億600万円で前年同期比1.6%のマイナスとなった。このうち、個人向けサービスの売り上げ高が83億3400万円で同4.5%のマイナスになったのに対し、企業向けサービスは16億6100万円で同18.9%の大幅プラスとなっている。

個人向け加入者とARPUの推移

今期の業績がマイナスになった要因として、同社は個人向けADSL接続サービスの解約率の上昇を挙げた。2005年第4四半期で時点での契約数が124万4000件だったのに対し、今期は120万6000件に減少。またARPU(1回線あたりの月間平均収益)が下がっていることも理由のひとつに挙げている。

企業向け加入者とARPUの推移

一方企業向けサービスは、大口の案件の獲得などにより、過去最大の純増を記録したという。特に“M2M”(マシン トゥ マシン:機械と機械を結ぶネットワーク)と呼ばれる案件では、2000回線規模の発券機ネットワークを構築するなど、売り上げに貢献した。

同社は個人向けADSL事業に依存するビジネスモデルからは脱却する方針だという。現在企業向けのADSLサービスに軸足を移しつつあり、基幹ネットワークの中継回線の二重化を完了するなどの対策を実施してきた。また、企業向けの販売チャネルを強化するため、今年2月には子会社の“株式会社アッカ・ソリューションズ”を立ち上げ、(株)大塚商会を戦略パートナーとして、すでに回線コンサルティング業務を開始している。さらに三菱電機情報ネットワーク(株)とも協業することで合意に達しており、企業向けサービスの本格展開を行なう準備が整った。

コンシューマー向けサービスについては、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)のインターネット接続サービス“OCN”において、3月から光回線接続サービス“ACCA 光”を提供するなど、コンシューマー事業のカバーに乗り出している。なお、同社は自前の光回線網は持っておらず、ACCA 光は(株)USENのグループ企業である(株)UCOM の光回線を利用してサービスを提供している。

今後について同社は、マイクロソフト(株)との地域団体向けブロードバンドサービスの提供や、(株)ウィルコムのPHSを利用したアクセス回線の提供などを発表しており、企業向けサービスで売り上げを拡大していくという。これらにより2006年通期の売り上げ高は、前年度比3.4%増の420億円を目指すとしている。

なお同社は4月に、無線通信規格である“IEEE 802.16e”(モバイルWiMAX)の屋外実証実験を行なうための無線局免許を総務省に申請している。これに関しては、まず6月から8月末まで実験を実施し、その結果を総務省に提出するという。無線通信サービスの技術的な仕様については、同社を含む通信事業者から集まった実験データを元に、総務省が11月をめどに判断するのではないか、と同社は見ている。ただし事業化するかどうかについては、総務省がどのような条件でサービスを認可するのかを見極めたうえで判断したいという。事業化する場合は“FMC”(Fixed Mobile Convergence:固定電話と携帯電話の融合)の分野で展開していくとしている。

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