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キヤノン、SXGA+表示のLCOS&AISYS搭載プロジェクター『SX6』『SX60』など、ビジネス向け液晶プロジェクター5機種を発表

2006年04月26日 19時53分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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キヤノン(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)は26日、東京・品川の同社ビル内CANON S TOWERにプレス関係者を集め、ビジネス向け液晶プロジェクター“キヤノン パワープロジェクター”シリーズの新機種5製品を5月中旬以降順次発売すると発表した。発表会にはキヤノンマーケティングジャパンの常務取締役 プロフェッショナル機器カンパニープレジデントの山田文隆氏、キヤノンのレンズ事業部事業部長の打土井正憲氏らが出席し、新製品の特徴やビジネス液晶プロジェクターの市場概況などを説明した。

山田文隆氏 打土井正憲氏
キヤノンマーケティングジャパンの常務取締役 プロフェッショナル機器カンパニープレジデントの山田文隆氏キヤノンのレンズ事業部事業部長の打土井正憲氏

今回発表された5製品の特徴と価格、発売日は以下の通り。

キヤノン パワープロジェクター SX6
SXGA+(1400×1050ドット)表示の反射型液晶パネル“LCOS(エルコス)”(3板方式)&キヤノン独自の光学エンジン“AISYS(アイシス)”採用、輝度3500ルーメン、コントラスト比1000:1、非球面レンズ2枚とUD(特殊低分散ガラス)レンズを使った光学1.7倍電動ズームレンズ、Adobe RGBモード搭載、4つの調整を自動セッティングする“オートセットアップ機能”搭載
幅266×奥行き336×高さ114mm/4.7kg
79万8000円/5月中旬
キヤノン パワープロジェクター SX60
SXGA+表示LCOS(3板)&AISYS採用、輝度2500ルーメン、コントラスト比2000:1(ホームシアターモード時)、光学1.7倍電動ズームレンズ、最小27dBの静音モード搭載、オートセットアップ機能搭載
幅266×奥行き336×高さ114mm/4.6kg
69万8000円/5月中旬
キヤノン パワープロジェクター X600
XGA表示LCOS(3板)&AISYS採用、輝度3500ルーメン、コントラスト比1000:1、光学1.7倍電動ズームレンズ、オートセットアップ機能搭載
幅266×奥行き336×高さ114mm/4.7kg
49万8000円/5月中旬
キヤノン パワープロジェクター LV-7255
小型&普及モデル、XGA表示透過型液晶パネル(3板方式)採用、輝度2500ルーメン、コントラスト比600:1、非球面レンズ2枚を使った光学1.6倍ズームレンズ、最小29dBの静音モード搭載、縦台形ゆがみの自動補正&スクリーン色補正機能搭載
幅296×奥行き273×高さ110mm/3.3kg
34万8000円/5月中旬
キヤノン パワープロジェクター LV-7250
小型&普及モデル、XGA表示透過型液晶パネル(3板方式)採用、輝度2000ルーメン、コントラスト比600:1、光学1.6倍ズームレンズ、最小29dBの静音モード搭載、縦台形ゆがみの自動補正&スクリーン色補正機能搭載
幅310×奥行き265×高さ109mm/3.0kg
19万8000円/5月中旬
上部操作パネルと側面の入力端子
キヤノン パワープロジェクター SX6の上部操作パネルと側面の入力端子

発表会ではまず山田氏が壇上に立ち、薄型大画面TVやカムコーダー、デジタルカメラなどの映像関連機器、およびハイビジョンのデジタル放送の拡充などを例に挙げて、「2006年は本格的な高画質導入期になる」と断言。家庭だけでなくビジネス環境にも高解像度、高画質が求められるようになるとして、同社が2004年に発売したSXGA+表示対応の液晶プロジェクター『SX50』がXGAを超える高解像度プロジェクターで国内77.7%、全世界で55%の高いシェアを確保していること、今後はXGAを超える高解像度タイプがビジネスプロジェクター市場(2005年度で国内18万台、2006年度は19万台(見込み))の拡大の牽引役になること、などを強調した。

国内プロジェクター市場の推移 世界のデータプロジェクター市場の推移
国内ビジネスプロジェクター市場の推移(キヤノン予測)。毎年1万台ずつの増加を見込む世界のデータプロジェクター市場の推移。今年以降大きくSVGA表示のプロジェクターが縮小し、SXGA+表示のニーズが高まると予測。同時に高輝度タイプのニーズも高まるという
LCOSとAISYSを組み合わせて進化させたという光学系
LCOSとAISYSを組み合わせて進化させたという光学系

SX6、SX60、X600の3製品が採用するLCOSとAISYSは、同社のビジネスプロジェクターを特徴づける光学系の主要部品。LCOSは日本ビクター(株)が製造する反射型高精細液晶パネルで、液晶プロジェクターで広く使われている透過型液晶パネルと比べてドライバー(液晶駆動回路)の筋が目立たないという利点がある。AISYS(Aspectual Illumination System)はキヤノンが独自に開発した光学エンジンで、LCOSの特性を生かして水平方向には光源ランプからの光を集束させて明るさを高め、垂直方向では光軸に並行にすることでコントラストを高めるという光の独立制御を行なうもの。これにより高輝度/高コントラストを実現するとともに、ランプの小型化や光の効率的な集束による経路長の短縮(本体の縮小)が実現できるという。



快速・快適操作を実現する新機能 “オートセットアップ機能”の詳細
快速・快適操作を実現する新機能として、新たに“オートセットアップ機能”を搭載“オートセットアップ機能”の詳細

さらに、これら3製品では設置して電源を投入した直後に、自動的にピント合わせ/縦台形ゆがみ(横台形ゆがみは手動調整)/入力信号の選択/スクリーン色補正の4つを最短4秒(長くても8秒程度)で調整する“オートセットアップ機能”を持つ。スクリーン色補正とは、プロジェクターシートなどが用意できず、色の付いた壁面に投影する場合などに、その壁の色味に合わせた色補正を行ない、映像を適正な色合いで表示するというもの。会場ではピンクの壁と水色の壁を使って自動調整の性能をデモしていた(ユーザーによる手動の色補正も可能)。これによって、ユーザーは安定した場所にプロジェクターを設置して電源、映像入力のケーブルを接続したら、あとは電源を入れるだけで準備が完了するわけだ。さらに使用完了後の機材撤収においても、内部にコンデンサーを持ち冷却ファンを回転させておけるので、従来のプロジェクター(LVシリーズ2製品を含む)のようにランプの冷却まで30秒程度待つことなく、電源ケーブルを外して片付け始められる。

オートセットアップのデモの様子 スクリーン色補正のデモ
オートセットアップのデモの様子スクリーン色補正のデモ。ピンクの壁に色調整した状態で白(中央)の壁に移動したところ

映像入力端子はDVI-I(SX6、SX60、X600のみ)/アナログRGB(Mini D-Sub15ピン)(LV-7255、LV-7250は2系統)/コンポジットビデオ/S-Video。消費電力はSX6とX600が355W(標準)/290W(静音)/7W(待機時)、SX60は250W/225W/7W、LV-7255は275W/210W/8W、LV7250は260W/220W/8Wとなる。

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