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ダ・ヴィンチの発明を3Dで体感せよ!!――ソニービル40周年記念イベント第1弾“ヴァーチャル・アトランティコ手稿展”

2006年04月24日 17時58分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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会場となったソニービルの8Fイベントホール

銀座のランドマークとして有名な、銀座数寄屋橋交差点そばのソニービルを運営するソニー企業(株)は、同ビル8Fのイベントホールにおいて本日から5月14日までの日程で、今月29日の“ソニービル40周年”を記念したイベント“レオナルド・ダ・ヴィンチ ヴァーチャル・アトランティコ手稿展”を開催している。入場は無料。



人力飛行機の1/6モデル
人力飛行機の1/6モデル。中央に人が立って、その場でスクワットしながらペダルを押し込むことで羽が動くという。実際には、人間の筋力では飛ぶことはできない Copyright (c) 2005 Leonardo3 Srl

絵画や彫刻、建築などで優れた作品を現代に残すレオナルド・ダ・ヴィンチは、芸術家だけでなく発明家としてさまざまなアイデアを手稿(手書きのノート)として書き残している。しかし、現在ではそのうちの2/3が失われ、約5000枚程度が世界各地に点在しているのみ、と言われる。イタリア・ミラノのアンブロジアーナ(ambrosiana)図書館(絵画館)に収蔵されている“アトランティコ手稿”はその内容やサイズ、ボリューム(1119枚)から、重要な手稿として研究家に高い評価を得ている。

VAIO type L上でよみがえった、ダ・ヴィンチの手稿 手稿をベースに3Dモデルとして再現したコンテンツも見られる
VAIO type L上でよみがえった、ダ・ヴィンチの手稿(手書きラフスケッチ)。ズームアップしてみると、人が乗る場所に人体のデッサンが描かれるなど、細かいところまで書き込まれていることが分かるその手稿をベースに3Dモデルとして再現したコンテンツも見られる。簡単な組み立てパズルになっており、指示された通りに部品を選択すると完成図が見られる

そのアトランティコ手稿をデジタルコンテンツとして復元し、内容の解説文や発明の3Dモデルを鑑賞できるのが、この“ヴァーチャル・アトランティコ手稿展”というわけだ。会場には12日に発表された夏モデルパソコンの“VAIO type L”や液晶TV“BRAVIA(ブラビア)”が複数台並べられ、来場者は思い思いにマウスを使ってデジタルコンテンツを操作(ページをめくったり、3Dモデルを回転・稼働させたり)していた。デジタルコンテンツとして再現された発明品は52点で、このほかに1930年代に作られたという手稿のレプリカ(13枚)も展示されている。

円形に16門の砲身を並べたマルチキャノン・ガンシップアニメにでも出てきそうな円形に16門の砲身を並べたマルチキャノン・ガンシップ(1/15スケール)。中央の羽を手動で回転させて移動および旋回しながら次々に弾を撃つ、つもりらしいが……
マルチキャノン・ガンシップの手稿と3Dモデルのアニメーション
マルチキャノン・ガンシップの手稿と3Dモデルのアニメーション。砲弾を撃つと煙もあがる

さらに、実際に木材やひもなどで作った、人力飛行機/自動車(舞台装置)/マルチキャノン・ガンシップの立体模型も展示されている。人力飛行機は1/6スケール、ガンシップは1/15スケールで、触ることはできないが実際に動きも再現できるよう精巧に作られている。自動車はゼンマイと板バネを駆動力として使い、現在の解釈では人が乗って移動する自動車ではなく、演劇の際に像や翼を取り付けて自動的に動きを見せる舞台装置であった、とされている。また、人力飛行機は現地イタリアでも未公開のもので、日本が初公開となる。

ゼンマイと板バネを使った自動車の模型 カムを組み合わせることで、左右に曲がりながら進むこともできる
ゼンマイと板バネを使った自動車の模型。これは原寸大で再現されているカムを組み合わせることで、左右に曲がりながら進むこともできる

この展示会に協力している、イタリアのレオナルド3社(Lewonardo3 Srt)の日本代理店であるアトゥム(株)の取締役兼プロデューサーの松下哲也氏、および主催のソニー企業のソニービル事業部ビル運営部ビル運営課広報担当の林 佐絵子氏によると、今回レオナルド・ダ・ヴィンチの展示会を開催した理由は、「ソニーの目指す独自テクノロジーとダ・ヴィンチが発明した来た先端技術。さらに、ソニービル40周年のテーマが“好奇心を刺激して、新しい情報を発信すること”が方向性として一致したから」だという。

BRAVIAの大画面に再現した凹面鏡を自動的に磨き上げる装置の手稿 全部で52の発明品が3Dモデルとして再現されている
BRAVIAの大画面に再現した手稿のひとつ。これは凹面鏡を自動的に磨き上げる装置で、これを使って太陽光を集めて火を起こす全部で52の発明品が3Dモデルとして再現され、日本語の解説付きで閲覧できる

今回展示されたデジタルコンテンツは、CD-ROM図録として6月末にアトゥムから発売予定(4500円(税別))。なお、展示会はソニービルで夏休み期間中にも再び開催する方向で検討中とのこと。

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