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日本IBMとAuto-ID ラボ・ジャパンら、電子タグを利用して病院内外での医薬品の追跡に関する実証実験に成功

2006年04月10日 18時43分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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独立行政法人 国立病院機構京都医療センター、京都高度情報化推進協議会、Auto-ID ラボ・ジャパン、日本アイ・ビー・エム(株)は10日、電子タグを利用して製薬会社からの医薬品の出荷から病院での投薬に至るまでの流れを追跡する仕組みの構築と実証実験について、国内で始めて成功したと発表した。

この取り組みは、総務省が平成16年度(2004年度)から実施している“電子タグの高度利活用技術に関する研究開発”の一部に当たるもので、平成17年度(2005年度)には電子タグによる病院内の医薬品の追跡(トレース)基礎技術を確立し、医薬品の商品情報やロット番号、有効期限などの属性情報を、病院内で医師・看護士らが患者に投薬するまで電子タグの識別によってトレースする技術を開発していた。

今回の実証実験では、この追跡範囲を病院外にも拡大し、医薬品の発注、製薬会社からの出荷、病院への入荷、および院内での薬剤使用(投薬)に至るまで、病院内外の流れを追跡するべく、3月6日から16日までの2週間行なわれた。具体的には、三菱ウェルファーマ(株)の薬剤、約60個に電子タグを取り付けて、そのトレースを行なったという。

この実証実験の中で、日本IBMは医薬品の識別だけでなく、薬品名/有効期限/ロット番号などの固有の情報から医薬品を検索する技術を開発。これにより、医療過誤のリスク管理が大幅に向上し、例えば万一薬剤の汚染や変質が発見された場合でも、薬品会社や病院はその薬が現在どこに在庫されているのか、どこに投薬の中止・回収の指示を出せばいいのかなどの対応措置が迅速に行なえ、被害を最小限にくい止められるとしている。

4者は今後も関係医療機関や業界団体と連携しながら、電子カルテとの連携を含め、電子タグを使った医療・医薬品トレーサビリティーの実用化に向けて取り組みを推進するとしている。

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