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【アキバ・キーマンインタビュー No.3】「ドネルサンド」が秋葉原名物になるまで! 「スターケバブ★Take away」店長ムスタファさんに聞く!

2006年04月10日 18時32分更新

文● 子田 聖子

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ムスタファさん
インタビューに答えてくれたトルコ生まれのムスタファさん。1995年来日、1999年の開店当初より店長。白いシャツとジャケットを着こなす、ちょいワル風(!?)のダンディ

 おでん缶、サンボの牛丼と並んで、秋葉原3大名物グルメともいわれる「スターケバブ★Take away」の「ドネルサンド」。1999年に秋葉原ワシントンホテル前での移動販売がスタートして以来、秋葉原の風物詩的存在だ。そのドネルケバブの「スターケバブ★Take away」が現在のツクモパソコン本店前で固定店舗としてスタートしてちょうど1周年。店長のムスタファ・ケルティックさんに、秋葉原名物となった人気のヒミツや開店以来の苦労話を聞いてみた。



※通常は語尾などを編集して掲載しますが、インタビュー時の雰囲気を残すためムスタファさんの発言は基本的にそのままにしています。

トルコの代表的ファーストフードは、秋葉原でもウケる!

店頭
“秋葉原名物”と銘打たれた看板

――ムスタファさんは、そもそもなぜ日本へ?
ムスタファ 結婚したからだね。奥さんが日本人だから。私がトルコのホテルで働いていたときに、トルコに来ていた奥さんと出会って、結婚して日本に来た。
――日本に来て、最初からドネルサンドのお店をやろうと思ってたんですか?
ムスタファ 外国人が働けるところは飲食店くらいだったから。最初はフレンチやイタリアンの店で働いてたよ。でも、自分はお店で雇われて働くのがちょっと合わないというか、自分で考えてなんでもやりたいほうだから、家族で食べ物のお店をやろうと思った。それなら、日本では知られていないトルコの代表的なファーストフードで、家族の味でもある「ケバブサンド」がいいと思った。
――家族の味というと、おふくろの味ですか?
ムスタファ いや。おじいちゃんの味ね。おじいちゃんの「ケバブ」を子供の頃からいつも食べてて、大好きだった。おじいちゃんのは羊の肉で作ったシシケバブだけど、私の場合は牛肉ね。肉の種類は違うけど、おじいちゃんの味を元に私が作った現在のドネルサンドのレシピはまったく同じで、ずーっと変わらない。自分にとってベストの味。
――秋葉原で開店したのはどうして?
ムスタファ うーん。家から近かったからね(笑)。外国人も多いし。それに、その頃(1999年)の秋葉原は食べるお店があんまりなかった。ファーストフードもマックくらい。それに、秋葉原には買い物するために来ている人が多いから、ゆっくり食べるより歩きながら食べられるほうがいいでしょ。



常連さんは7年前の開店から、のべ3000人!?

秋葉原ドネルケバブ店は次男ムスタファさん、三男オズギュルさんで経営

――開店したときから、すぐに人気が出ました?
ムスタファ 最初は、1日4~5人しかお客さんいなかったよ。
――でも、これだけいいにおいがしたら(店先にお肉の焼けるいいにおいが漂っている)、みんな寄ってくるでしょう?
ムスタファ 日本でドネルケバブはあんまりみたことないから、最初に食べるのは勇気がいったんじゃない?(笑)。だから、最初に食べてもらうまでが、もう勝負。味には絶対自信があるから、とにかく食べてくれって。それで、ひと口食べてもらったら、そのお客さんにはまた食べてもらえるようになった。そうすると、その人が友達に紹介してくれて。それでどんどん、メンバー(常連のお客さん)が広がった。その頃から7年間ずっと通ってきてくれてるメンバーも多いよ。
――何人くらい常連さんいるんですか?
ムスタファ 3000人くらい、じゃない? ちゃんと数えたわけじゃないけど(笑)。でも、そのくらいはいるよ。千葉とか、横浜からわざわざ来てくれる人もいるし。
――常連さんは、顔をみればわかります?
ムスタファ もちろん、わかるよー。
――友達になったりとか?
ムスタファ ああ、それはない。秋葉原ってそういうところ(笑)。でも、ちゃんとわかってる。また来てくれてるなって。だいたい、メンバーはそれぞれ好きな味(メニュー)が決まっていて、ずーっとそれを頼むね。
――そうやって、じょじょに口コミで人気が広まって。
ムスタファ そうだね。それと、3人の兄弟でお店をやっていたから、目立ったんでしょ。その頃、ちょうど「だんご3兄弟」の歌が流行っていたから、“ドネル3兄弟の店”って名乗ってたよ(笑)。
――ムスタファさんは兄弟の何番目?
ムスタファ 次男。秋葉原店は三男(オズギュルさん)といっしょにやってるよ。長男は別の場所でお店やってるし。お店は家族でやっていて、みんな仲がいいよ。
――ケンカとかしないんですか?
ムスタファ まったくしないよ。みんな役割がちゃんと決まっているし、それぞれ得意技が違うから。長男は誰よりも薄く肉が切れるし、弟は100キロの肉も35分で作っちゃう。私なら2時間はかかるのに。
――ムスタファさんの得意技は?
  ムスタファ 私はサンドイッチをつくるのが上手いね(笑)。あと、新しいメニューを作るのと、お店の経営は私が担当ね。(次ページに続く)



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