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Vodafone 702NK II (Nokia 6680)

702NK IIで変わるMacユーザーのワークスタイル

2006年04月04日 00時00分更新

文● 編集部

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『Vodafone 702NK II』は、ノキア・ジャパン(株)が手がけた『Nokia 6680』のボーダフォン(株)版となる3G携帯電話機だ。2004年12月に登場した『Vodafone 702NK (Nokia 6630)』の後継機種で、2005年12月に“ライトブロンズ”モデルが、この3月17日に新色の“エレクトリックブルー”モデルがそれぞれ発売された。

Vodafone 702NK II
『Vodafone 702NK II (Nokia 6680)』

702NK IIは一般的な携帯電話機とはちょっと異なる、“スマートフォン”というジャンルに分類される。携帯電話機とPDA(個人用の携帯情報端末)のいいとこ取りをしたような製品で、音声通話やメールにとどまらない多彩な機能を備えた点が評価されて、海外ではビジネスマンを中心にユーザー数を増やしている。

例えば、携帯電話機では携帯用のメールしかやり取りできないというのが常識だが、702NK IIを始めとするスマートフォンなら電子メールの送受信も可能。出社前にサッと会社のメールをチェックして、重要なメッセージが来てないかいち早く把握できる。

また、「携帯電話機で一般のウェブサイトも見られる」と最近話題になっているフルブラウザーや、仕事に使う住所録/スケジュールの管理にも対応。WordやExcelの書類を扱える製品まで登場している。出張の際はかさばるパソコンを持たずにスマーフォンだけで代用するといったことも不可能ではない。

このような“スマートな生活”を実現できる背景には、スマートフォンが携帯電話用のOSを採用しているという理由がある。MacにおけるMac OS Xと同様、702NK IIでは『Symbian OS』(シンビアンOS)が動作しており、Symbian OS用のソフトを組み込んで欲しい機能を拡張できるのだ。

“パソコンのような携帯電話機”というと難しそうに感じる人もいるかもしれないが、702NKシリーズはソフトの機能や使い勝手が洗練されているため、独自の操作に慣れれば手放せなくなるはず。第1回目のレビューではクリエーターや医療関連など、Macを仕事に使う人をターゲットにし、“Macとつながって使える702NK II”の魅力を紹介していこう。


iSync&Bluetoothで始める快適なスケジュール管理

Macを仕事に使う人にとって702NK IIの最も役立つ用途といえば、両者を連携させたスケジュールと住所録の管理だろう。

模式図702NK IIに『iSync Agent』を手動でインストール(後述)しておくことで、iSyncを使ってBluetooth経由でスケジュールや住所録を同期できるようになる

ノキアのウェブサイトには記載されていないが、実は702NK IIとMac OS X 10.4(Tiger)は親和性が高く、『iCal』で入力したスケジュール/ToDo項目は702NK II側の『カレンダー』で、『アドレスブック』で打ち込んだアドレスデータは702NK II側の『電話帳』でそれぞれ表示可能。MacユーザーでもTigerさえあれば、別途サードパーティー製ソフトを買うことなく、今まで入力したデータを702NK IIで活用できるというわけだ。

出先で急にスケジュールを確認しなければならないときに、あわててカバンからノート型Macを取り出してiCalを起動……なんて面倒なことをせずに、携帯電話機をサッと取り出してすぐにチェックできる利点は大きいだろう。

スケジュール管理

iCal カレンダー
iCalで入力したスケジュールを同期したところ。702NK IIでカレンダーの表示方法を“月表示”にすると、予定のある日の右下には黒い三角が現れる。スケジュールは件名や日時だけでなく、場所やアラームのデータも同期してくれる

ToDo項目

iCalのToDo ToDo
ToDoリストでは、期限も転送される

住所録

アドレスブック 住所録
住所録は、会社名/電話番号/メールアドレス/住所のほか、アイコンやメモも反映される仕様だ

702NK IIでスケジュールや住所録を扱う際、何より便利なのがTigerが標準で備えている同期ソフト『iSync』を使い、Bluetooth経由でワイヤレスでデータを同期できるという点。

PDAや一般的な携帯電話機の中には、Macで入力したスケジュールや住所録を扱える製品もあるが、実際にデータを送るためにはケーブルでつないだり、メモリーカードを抜き差しするといった手間がかかることが多い。その点702NK IIなら、携帯電話機側で同期用ソフトの『iSync Agent』を起動し、Mac側でiSyncのボタンを押すだけだ。

iSync702NK IIとの同期前に現れるiSyncの画面。転送するカレンダーの種類や、同期しないイベントを設定できる

ただし、iSyncとBluetoothによるワイヤレス同期を実現するためには、702NK IIを“Bluetoothデバイス”としてMacに登録したうえ、ちょっとした“裏技”を使ってiSync Agentを702NK II側にインストールしておく必要がある。

iSync Agentのインストールはノキア・ジャパン、ボーダフォン、アップルコンピュータ(株)のサポート外となる行為だが、702NKシリーズを使うMacユーザーの間では有名なテクニックとして知られている。関連ツールやインストール方法は、702NKシリーズの情報をまとめたウェブサイト“Vodafone 702NK/MK II Nokia 6630/6680まとめ”で紹介しているので興味のある人は参考にしてみよう。

『iSync Agent』のインストール

手順1 手順2
iSyncのアイコンを“control”キー+クリックしてパッケージの展開を選択。図のように階層をたどって“ AppleSyncAgent-s60v22.sis”ファイルをデスクトップにコピーする“Vodafone 702NK/MK II Nokia 6630/6680まとめ”にてファイル展開ツール『MacUnsisPy』(作者:yuki_be 種別:フリーウェア)を入手。“AppleSyncAgent-s60v22.sis”をMacUnsisPyにドラッグ&ドロップするとフォルダーが現れる
手順3 手順4
メモリーカードを別途用意したカードリーダーに差してMacに接続。先ほど展開したフォルダーの“System”内にある4つのフォルダーの中身(上のウィンドウ)を、メモリーカード内の同じ階層(下のウィンドウ)にコピーするメモリーカードを702NK IIにセットし、メニュー画面に『iSync Agent』が現れたらインストール成功だ

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