松下電器産業(株)は、国際展示場で本日から開催されている“Photo Imaging Expo 2006”の会場内にプレス関係者を集め、同社が発売を予定しているレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ『DMC-L1』のプロトタイプを公開した。12~30万円の価格レンジで、今夏から秋にかけての製品化を予定している。フォーサーズ規格準拠の交換式レンズ『ライカD バリオ・エルマリート 14-50mm/F2.8-3.5ASPHレンズ』も合わせて市場投入する予定。
DMC-L1 |
DMC-L1は、今年2月に米国フロリダ州オーランドで開催されたカメラ製品の総合展示会“PMA 2006”でも展示されていたが、国内での披露はPIE 2006が初となる。レンズマウントはオリンパスイメージング(株)の『E-330』などと共通のフォーサーズシステムを採用。撮像素子のサイズは4/3インチ相当となる。
斜めから |
側面 | 背面 |
レンズリングは手動で動かす | O.I.S.対応。切り替えスイッチが見える | シャッタースピードもダイヤルで設定する |
松下の“νMaicovicon”(ニューマイコビコン)技術をベースにオリンパス(株)と共同開発した新撮像素子“Live MOS センサー”(約750万画素)、Live MOS センサーからの信号を常時背面液晶に映し出す“ライブビュー機能”、消費電力を20%低減し、高速性にも寄与する新開発画像処理エンジンの“ヴィーナスエンジンIII”、撮像素子に付着したホコリを超音波振動で取り払う“スーパーソニックウェーブフィルター”などを搭載する。背面の液晶パネルは固定式だが、2.5インチと一眼レフ機としては大型。ライブビューと組み合わせることで、三脚に固定した状態でのフレーミングや、ハイアングル・ローアングルの撮影などでも有利であるという。高速・高容量な次世代SDメモリーカード規格である“SDHC”にも対応し、4GB以上のSDカードも利用できる。本体はマグネシウム合金製。
オリンパスとの共同開発で生まれたLiveMOSセンサーとミラーボックスユニット |
同時発表された広角ズームレンズは、“Leica”(ライカ)ブランドを冠した初めてのデジタル一眼レフ用レンズとなる(製品名のライカDは、Digitalの意味)。開発に当たって独ライカカメラ社と独自の品質基準を設定。レンズ構成は12群16枚で、その中には約30mm径の大型非球面レンズも用いられている。フォーサーズシステム対応のカメラボディーと組み合わせた場合、焦点距離は35mmフィルム換算で28~100mm前後となる。開放F値が2.8~3.5と明るいほか、光学式手ぶれ補正(MEGA O.I.S.)にも対応。レンズ内には、MEGA O.I.S.制御用のヴィーナスエンジンも搭載した。
価格に関しては未公開だが、同一スペックの製品をライカ社内で生産した場合、50~60万円程度の値段が付くほどの性能を、より低価格に提供できるという。フォーカス、ズーム、絞りは幅広のリングで手動操作する。
DSCビジネスユニットの吉田氏 |
会見には松下からパナソニックAVCネットワークス社 DSCビジネスユニット ビジネスユニット長の吉田守(よしだ まもる)氏が登壇。2006年度の“グローバルシェア10%”(グローバルテン)を目指すと抱負を述べた。同社が進めているデジタルイメージング機器のシナジー戦略“3D Value Chain”との連携も重視する。LUMIXシリーズ全体の2005年度の売り上げは、現時点で確定していないが413万台程度になる見込み。2006年度にはその2倍近い800万台前後の出荷を目指す。吉田氏は「2005年度の販売台数は前年のほぼ2倍となっており、この目標も達成不可能ではない」とした。