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日本HPら3社、仮想化技術を活用したサービスの提供に向けたアライアンス“Golden Square Alliance”を発表

2006年02月27日 22時19分更新

文● 編集部 内田泰仁

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日本エイ・エム・ディ(株)、日本ヒューレット・パッカード(株)、ノベル(株)の3社は27日、仮想化技術を活用したITインフラのサービス提供に向けた協業を発表した。3社は、同分野での協業を目的としたアライアンス“Golden Square Alliance”を結成し、各社の仮想化技術関連の技術/サービスを組み合わせたサービス展開を行なっていくという。

この日行なわれた記者発表会で握手する、仮想化技術の普及に向けたアライアンスを結成した3社の代表者“Golden Square Alliance”の目的と、各社が持ち寄る技術/製品

“Golden Square Alliance”は、x86サーバーに仮想化技術を適用して実現する“仮想化ITインフラ”の展開と普及を加速すべく、最先端技術への不安感を払拭し、仮想化に適したサービスの開発と提供するための取り組みを、3社の技術や製品を持ち寄って共同で展開するアライアンス。取り組みの核となる各社の製品は、日本AMDのサーバー向けプロセッサ“AMD Opteronプロセッサ”を搭載した日本HPのx86サーバー“HP ProLiant”シリーズ、ノベルの“Novell(R) SUSE Linux”、日本HPの管理ツール類やファイナンス/構築・保守サービスなど。仮想化エンジンとしては、ヴイエムウェア(株)の“VMware”シリーズや、米ノベル社や米ヒューレット・パッカード社も開発に参加しているオープンソースのエンジン“Xen”を利用するという。

3社は今後、各社の製品や取り組みをベースに、仮想化ITインフラの提供を共同で展開し、仮想化を中心とした柔軟なITインフラの構築を推進を目指す。これに向け、今回の協業と同時に発表された具体的なサービスや取り組みは以下のとおり。

仮想化技術の“検証センター”を開設
各社の製品を使用したシステムにおける顧客のアプリケーションの稼動を検証する“検証センター”を日本HP天王洲本社に開設。検証システムの環境は、サーバー本体がOpteron搭載のHP ProLiant BL25p/BL35p/DL385/DL585、ストレージがHP StorageWorks、OSがNovell SUSE Linux Enterprise Server、仮想化エンジンがVMware ESX ServerおよびXen。
 
仮想化ITインフラを従量課金型で利用できるファイナンスサービス
Opteron搭載のHP ProLiantシリーズ/Novell SUSE Linux/VMWareを組み合わせた仮想化ITインフラをユーティリティー・モデルで提供するサービス。課金方法は、利用率に応じて課金する従量課金上限型の“ペイ・パー・ユース・サービス”と、あらかじめ利用できるサーバーなどのリソースを用意し、必要時にすぐ利用できる先用後利型の“インスタント・キャパシティ・サービス”の2種類。
 
仮想化ITインフラ構築、保守サービス
各社製品を組み合わせた仮想化ITインフラの構築および保守を日本HPが行なう“Virtualization Optimized Startup Service”、“VMWare”を使った仮想環境のインストールサービス“VMWare スタートアップサービス”の提供を開始。サービス価格は、“Virtualization Optimized Startup Service”が68万2500円~(同構成2台目以降は33万6000円~)、“VMWare スタートアップサービス”が1台当たり39万9000円。
 
共同マーケティング
企業向け製品分野における仮想化市場のさらなる認知拡大と利用促進のため、3社共同での広告展開、イベントやセミナーの開催、カタログの制作なで共同マーケティング活動を展開。

“検証センター”における検証活動のロードマップ従量課金型ファイナンスサービスの概要仮想化ITインフラ構築/保守サービスの概要

発表に合わせてこの日行なわれた共同記者発表では、各社およびアライアンスへの支持を表明したヴイエムウェアの代表者が出席し、アライアンスでの取り組みや各社の製品/技術などについての説明を行なった。

日本HP インダストリ スタンダード サーバ製品本部 本部長の上原宏氏。景気が回復する一方で現在なお伸び悩んでいるIT投資を「“守り”から“攻め”に変えるテクノロジー」が仮想化技術と述べ、その活用を広くアピールする述べ、同アライアンスを「仮想化を実現する理想的な組み合わせ」だとした同アライアンスを「事実上のデファクトスタンダード」と評した日本AMD マイクロプロセッサソリューション本部長の多田和之氏。次期Opteron(Rev.F Opteron)に仮想化テクノロジー“Pacifica”(開発コード名)を実装し、技術使用の公開を行なうという
ノベル 営業本部本部長の市橋暢哉氏。2006年春に投入予定の次期OS、SUSE Linux Enterprise Server 10では、仮想化エンジン“Xen”を提供予定。Xen上で稼動する仮想マシンとしては、Linuxマシンのほか、NetWareの仮想マシンも提供するというヴイエムウェアのシニア システムズ エンジニアの平谷靖志氏。2006年から日本でx86ベースの仮想化製品市場が急激に拡大すると予測し、3社によるアライアンスに高い期待を示した

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