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一太郎2006

一太郎2006

2006年02月01日 00時00分更新

文● 木下 由美

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一太郎2006

ジャストシステム

2万円(通常版、税別)

特別企画 勝ちにつながるビジネス文書を作る
一太郎2006を支援するソフトウェア2種やユーザーインタビューを掲載した“特別企画 勝ちにつながるビジネス文書を作る”を掲載中。写真をクリックすると当該記事に移動します。

年を重ねるごとに進化する“一太郎”。製品名に西暦が入るようになった「一太郎2004」(2003年12月発表、2004年2月発売)以来、その方向性を従来の表や図版を組み合わせての多彩なワープロソフトから、文書で考えをまとめて、その内容を分かりやすく相手に伝えるための“ビジネスサポートツール”へと大きく舵を切っている。2月10日に発売される最新バージョン「一太郎2006」のコンセプトは、“伝えるための文書作り”だ。



改ざん防止
ファイルで渡した文書を、他人に改ざんされないように保護することで文書の同一性を保持できる。

 ワープロソフトで文書を作成する場面というのは、完成した文書を誰かに“見せる”ために作ることが多い。自分のためだけの覚え書き程度なら、レイアウトや見た目などに工夫を凝らす必要はないし、多少の誤字脱字があってもご愛敬で済む。しかし、“見せる相手”がいるビジネス文書などでは、そうはいかない。そこで活躍するのが、一太郎2006で新たに搭載された“提出確認”機能である。これを使うと、提出前に誤字脱字がないかをチェックできるほか、すかし・スタンプによる重要(機密)情報の周知徹底、完成した文書への改ざん(変更)を禁止するためのパスワード設定などが行なえる。直接受け渡しができない相手であっても、万一の事故を未然に防げる機能が追加されたわけだ。

ページ一覧
1ページずつスクロールしていたのでは見つけにくい、文書全般の流れとしての不自然なレイアウトをチェックできる。

 同じく新たに追加された“ページ一覧表示”では、文書全体を見渡しながら、ページの入れ替えが行なえる。伝えたい内容が正しい順番、タイミングに置かれているか、余談や関連事項ばかりが続く、妙に間延びした展開になっていないか、などを印刷前に確認するのに便利だ。印刷するだけでなく、ここでページレイアウトしたデータをPowerPoint形式に書き出すこともできるので、会議ではスライド表示してプレゼンテーションに活用することもできる。これも“伝える文書作り”という進化の一環と言えるだろう。

 自分が作成した文書に責任をもつ。その手助けをしてくれる頼もしい味方が、一太郎2006の“提出確認”フェーズというわけだが、ビジネスにおける提出確認だけではない。編集機能にもユーザーを力強く応援する味方がいる。例えば、最近は小学校でもパソコンを使った授業の時間が増えており、筆者宅でも家で子ども向けの資料をパソコンで作ることがよくある。そんなときに便利なのが“ふりがな機能”だ。

 もちろん、大人向けの文書であっても、読みにくい新語・難語にルビを振ったり、カタカナ言葉を相手に効果的に伝えるための“読み替え”として意味を書き添えるなど、応用範囲は広い。このルビは均等割付だけでなく、中央配置、左詰め、右詰めなどが選択できる。



ルビをふった画面のイメージ ルビ設定のダイアログ画面
学年別の習得レベルにあわせたルビを一括でふることができ、書式を整えて見やすくする操作も簡単。

 また、ナレッジウインドウや画面のデザインなど、ユーザーインターフェースの中でカスタマイズができる範囲が広がり、より“自分自身にとって使いやすい一太郎”を作り出すことが可能となった。

 一太郎2006の新機能のうち、筆者が一番待ち遠しかったのが“冊子印刷”機能だ。ページ数の多い資料や、ミニコミ誌などを冊子状に印刷するために、これまでは編集画面上で、同一面上にくる2ページが一枚になるようレイアウトし、ページ番号もフッタに手作業で入力しておくなど、言葉で説明するにも苦心するような、かなりの苦労が必要だった。

 それが、一太郎2006では、普通に入力・編集した文書に対して“冊子印刷”を指定するだけで、簡単に両面印刷できるようにページが自動的に割り付けられるのだ。今や家庭向けプリンターも高性能になり、両面印刷機能を標準で持つものが手に入りやすくなっている。そこでこの機能を利用すれば、誰もが自宅で手軽に“冊子状のパンフレット”等を仕上げることができる。さらに、文書校正(読み直し)は画面ではなく、印刷した紙で行ないたい、という方には任意ページを指定しての印刷もできて便利だ。

冊子印刷
簡易製本状態に仕上がる“冊子印刷”機能。とじしろやとじ方も指定可能でDTPも簡単に。

 自分自身が一太郎ユーザーであっても、他者とのやりとりのためには、Word文書を扱わなければならない時もままある。だが、個人的には今ひとつ手になじまないため、Wordで作業するのはストレスの元だ。筆者はWord文書も一太郎で編集し、一太郎上で最後にWord文書形式に保存しているため、一太郎2006のWord文書互換アップもうれしい改良点だ。また、先にも挙げたようにPowerPoint形式のファイル読み込み・書き出しもでき、“一太郎文書ファイル形式”だけにとどまらず、ビジネスシーンへの利用範囲が広がり、ますます便利になった。

 一太郎2006に付属している日本語入力IMEの最新版「ATOK 2006」も見逃せない。変換効率の向上や入力の快適性は言うまでもないが、頻繁に入力する日付や時刻などの“変数”をいちいち別のアクション(目線の移動やアプリケーション切り替えなど)なしに入力できるようになったのが大きい。これは日付入力支援機能と呼ばれるもので、例えば“きょう”が今日の日付に、“いま”が現在の時刻に変換される。しばしばパソコンに向かいっぱなしで、今日が何日で何曜日なのか、いちいちタスクバーの時計にカーソルを合わせては確認していた筆者に、大変うれしい機能である。

今日の日付 今の時間
日付や曜日・時間も、キーボードから手を離さずにATOK 2006がスグ教えてくれる。

 一太郎2006の新機能は、もちろん頼もしいものであるが、従来からある機能も、また筆者の文書作成作業において、欠かせないものである。古参ユーザにうれしい“ESCメニュー”、操作性にすぐれた“罫線”機能、関連したファイルをひとまとめに管理できる“一太郎ワークシート”など、数え上げたらきりがない。日本語を扱う生活をしている以上、日本語のためのワープロソフトである一太郎は、日本語を知り抜いたATOKとともに、筆者の仕事や趣味の世界を支えてくれるといっても過言ではない。

一太郎2006の主なスペック
製品名 一太郎2006
OS Windows 98/Me/2000(SP4以上)/XP
HDD 160MB以上(最小)/290MB以上(標準)/360MB以上(すべて)
価格 2万円(製品版、税別)、9800円(15万本限定Microsoft Office/Word、ロータススーパーオフィス登録ユーザー向けキャンペーン版、税別)、8000円(バージョンアップ版/キャンパスキット、税別)
URL http://www.ichitaro.com/2006/

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