電子メール用の暗号化技術や企業向けのデータセキュリティー製品を提供する米PGP社は26日、都内で記者会見を開き、同社の100%子会社となる日本法人“日本PGP株式会社”の設立を発表した。日本法人の代表取締役社長には、浅井政浩(あさい まさひろ)氏が就任する。浅井氏は(株)インテックでネットワークエンジニアとして経験を積んだのち、インテル(株)でネットワーク製品事業部門の営業およびマーケティングを担当。2002年以降はインテルから独立した米LANDesk Software社の日本法人LANDesk Software(株)の副社長を務めてきた。
米国本社の社長兼CEOフィリップ・ダンケルベルガー氏 | 日本法人の代表取締役社長を務める、浅井政浩氏 |
会見には、浅井氏に加え、米国本社から社長兼CEOのフィリップ・ダンケルベルガー(Phillip Dunkelberger)氏が出席。PGP社の概要や国内の販売体制に関して説明した。
浅井氏は、昨年から施行された個人情報保護法などにより、国内でも、暗号化、ロギング、アクセス制御といったソフトウェア技術に対する関心が高まってきた点を指摘。しかしながら、電子メールのセキュリティーに関しては「ITマネージャーの多くが目をつぶってきた分野ではないか?」と問いかけた。同時にセキュリティー意識が高まることで、上長のサインなしにはノートパソコンが持ち出せなくなるなど「時代に逆行するようなルール作りも生じてしまっている」と述べ、ネットワーク上で送受信されるメールの暗号化はもちろんのこと、HDD内のデータやファイルの暗号化、インスタントメッセージの暗号化の機能も持つPGPの製品を利用することで「セキュリティー保護のために、プラットフォームレベルでコンピュータシステム全体に暗号の網をかけられる」とアピールした。
国内の製品販売は、従来同様販売代理店を通じて行なわれるが、2003年から英語版の販売を行なってきた(株)日本システムディベロップメントに加え、新たにマクニカネットワークス(株)も同社の販売代理店となった。また、クリアスウィフト(株)、ミラポイントジャパン(株)、センドメール(株)、アイアンポートシステムズ(株)、サイファートラスト(株)の5社も技術パートナーとして、一元管理が可能なゲートウェイ型の企業システムを構築するための支援を行なうという。
米PGPのウェブサイトでは、デスクトップ製品の『PGP Desktop』など個人向け製品のダウンロード購入が可能だが、国内でのウェブ直販の提供時期に関しては未定。まずは企業導入にフォーカスを当てた製品展開を行なう。なお、米国サイトで提供されている、PGP Desktopは昨年12月に国際化対応しており、英語版と同じモジュールで日独英仏の各国語環境で利用することが可能だという。