Las Vegas Convention Center(以下LVCC)の中央エリア“Central Hall”には、大手家電メーカーの巨大ブースが立ち並んでいる。入り口付近の最も目立つ位置にあるマイクロソフトとインテルのブースの様子は、昨日の記事で紹介したが、ここではCentral Hallに並んだ大手メーカーのブースから目に付いた展示を紹介していこう。
Las Vegas Convention Center |
巨大画面とPLC
家電の花形と言えば、やはりテレビである。CESの会場にも大小さまざまなテレビが展示されていたが、今回ひときわ大きな注目を集めていたのが、松下電器産業(株)、韓国サムスン電子社、韓国LG電子社の3社が出展していた100インチオーバーのプラズマテレビである。
パナソニックブース |
松下電器産業が開発した世界最大の103型プラズマテレビ | サムスン電子の102インチプラズマテレビ | 同じくLG電子の102インチプラズマテレビ |
サイズ的には松下が最も大きく103インチあるが、サムスンとLGもそれぞれ102インチの製品を展示してあり、いずれもフルHD対応(1920×1080ドット)となっている。また、サムスンは82インチの液晶テレビ2種と量産型の80インチプラズマテレビも展示しており、いずれも“世界最大”(The Largest)の文字が誇らしげに掲示されていた。
Network AQUOS |
電源ケーブル1本で、電力供給とネットワーク接続がまかなえる |
一風変わった製品としては、シャープが展示していた“Network AQUOS”がある。これはPLC(Power Line Communication)により、電源ケーブル1本で電源供給とネットワーク接続が行なえるというもので、非常にシンプルで簡便な設置が可能だ。会場ではNetwork AQUOSを利用して、ウェブサイトを表示したり、AVサーバー上のコンテンツを再生するデモが行なわれていた。
次世代DVD対応機器の製品化も着々と進行
今回のCESのテーマの大きなひとつに“ハイデフ”(High Definition)があるのだが、次世代DVD機器の展示も活発に行なわれており、多種多様な製品を目にすることができた。
HD DVDプレーヤー2機種と新しいQosmio |
米東芝アメリカコンシューマープロダクツ社はCESの開幕に先立って、初のHD DVDプレーヤーとHD DVDドライブ搭載のノートパソコン『Qosmio』を発表しているが、標準化の主導権を争っているBlu-ray陣営も初お目見えした民生用プレーヤー製品、Blu-ray Discドライブ搭載パソコンなどを大量に展示されており、次世代DVD機器の製品化が着々と進行していることが感じられた。
松下電器産業のBlu-ray Discプレーヤー | VAIO XL2 Digital Living System | PLAYSTATION 3。次世代HDMI対応というアナウンスもCESの期間中にあった |
フィリップス製の外付けBlu-ray Discドライブ。デザインが独特 | LG電子のBlu-ray RWドライブ | 米HPは、HD DVDとBlu-ray両方の対応を表明しており、South Hallでは同一スペックでドライブのみ異なるノートパソコンが展示されていた |
Blu-ray Discプレーヤーに関しては、松下電器産業(株)、ソニー(株)、シャープ(株)などが展示。Blu-ray Discドライブ搭載パソコンに関してもソニーの『VAIO XL2 Digital Living System』など多くの展示があった。このVAIO XL2には“Mega Changer”と呼ばれる200連装のBlu-ray/DVDディスクチェンジャーも用意されており、外見上のインパクトも非常に強い。Blu-ray Discドライブ搭載のノートパソコンは、米ヒューレット・パッカード社は『dv5000z』をBru-rayフォーラムのブースで展示していたが、実はSouth Hallにある同社ブースでは、同一スペックで光学式ドライブが異なる2つの製品の展示が行なわれており、一方はBlu-ray Discドライブ、もう一方はHD DVDドライブが装着されていた。
元気のある韓国企業、個性派ケータイも
CESは海外の展示会ということもあり、日本ではなかなかお目にかかることにできないデジタルガジェットも数多く展示されている。Central Boothで特に目を引いたのは、サムスンとLG電子2社のブースで、個性的で洗練されたデザインの携帯電話機が数多く展示されていた。
LG電子ブースにあった携帯電話機『HBM-500』のオブジェ |
サムスンブース。LG電子と並び、会場で最も広いスペースをとっていた企業のひとつ。半透明のパネルに後部から映像を投影するオブジェはリアプロテレビなどと同じ仕組みだ |
横向きのQWERTYキーボードを搭載したサムスンの携帯電話機『SGH-D307』。海外で製品化されている | サムスンのDMB対応携帯電話機、SCH-B250(左)とSPH-B4100(右)。SPH-B4100は衛星DMBと地上DMBを1台の携帯電話で視聴できる世界最初の端末とのこと | 世界最薄をうたうサムスンの『SGH-P300』 |
このほか、東芝アメリカが展示していた、液晶ディスプレー部分が切り離せるノートパソコンなど、新しいコンセプトの製品もあり、内容はきわめて盛りだくさん。Central Hallは、CESの会場の中でもひときは華やいだ雰囲気のスペースとなっていた。
液晶ディスプレーが取り外せる東芝のノートパソコン試作機。ペン操作も可能。個人的にはノートよりもデスクトップのサブディスプレーなどで実現してほしい技術だ |
SAMSUNG X1。トップローディングのディスクなどかなり特徴的なフォルム。キーボードは防水タイプ。OSを起動せずにマルチメディアコンテンツを再生できるAVS Nowの技術やDMB放送の視聴や録画なども可能 |
LG電子のブースに展示されていた“One Touch Video to Disc。ビデオデッキの映像を簡単にDVD化できるソリューションだ” |
パナソニックブースに展示されていた次世代SDビデオカメラと、ダイレクトメタノール式の燃料電池 |
フィリップスブースから。DivX対応の携帯型DVDプレーヤー(左)とハード仕様のケースに収納できる携帯型音楽プレーヤー(右) |