Macworld Conference & Expo 2006の基調講演で発表されたのは、MacBook Proだけではない。ここでは、1時間半以上にわたって行われたその発表内容を、前編・後編に分け、細かいところも順を追って紹介しよう。
米アップルコンピュータ社CEO、スティーブ・ジョブズの基調講演は、いつもApple Storeの近況報告から始まる。現在、Apple Storeの店舗数は135店舗、ホリデイシーズンの四半期(昨年10~12月)には2600万人が来店し、売り上げは10億ドルだった。同四半期、Apple全体での売り上げは57億ドルを達成しそうだという。
続いてジョブズはiPodへと話を移した。
果たしてこのホリデイシーズンの四半期に、iPodはどれだけ売れたのか? 2004年は450万台だったが、今年はなんと1400万台を出荷したという。これによりiPodの累計出荷台数は4200万台になったが、このうち3200万台は昨年1年だけで出荷したことになる。
iPodビジネスの驚異的な伸び率を示すグラフ。昨年秋に発表されたiPod nano以降の伸びが著しい | iTunes Music Storeの市場シェアも、この通り。1年間で、8億5000万曲を売り上げた | 昨年10月からスタートしたビデオ販売も、すでに800万ダウンロードと好調に推移しているという |
一方、iTunes Music Storeでは、昨年1年で8億5000万曲を販売した。来年以降は10億曲以上を売ることが必至だという。
iTunesのマーケットシェアは83パーセントで、10月12日にサービスが始まって以来、動画コンテンツも800万本売れているそうだ。
ジョブズは従来のテレビドラマなどのコンテンツに加え、abc SPORTSのスポーツ放送、人気コメディーショーの『Saturday Night Live』の発売なども発表した。
さらにiPod用のアクセサリーとしてFMラジオチューナー内蔵のリモコン、"Radio Remote"が発表された。価格は49ドル(5800円)で今日から出荷開始となる。
Radio Remoteを装着すると、iPodの画面でラジオのチューニングなどができるようになる。リモコン部はクリップ式 |
iPod関連の話題としては、米クライスラー社がDodgeやJeepといった車種の2006年モデル300万台にiPod接続機能を用意するとも伝えられた。これにより2006年、米国市場で出荷される車の40パーセントはiPod接続対応となる。ジョブズは最後にJAZZトランぺッター、ウィントン・マルサリスが演奏する新しいiPodのTV CMを紹介した。
これだけの発表でもかなり盛りだくさんだが、ジョブズがここまでに費やしたのはわずか15分。ジョブズはここで一息つき、「これはMacworld EXPOだ。講演の残りの時間はすべてMacの話をすることにしよう」と語り、場内からは喝采があがった。