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【最新パーツ性能チェック Vol.37】CPU頂上対決はデュアルコアを舞台に! Pentium XE 955とAthlon 64 FX-60はYonahにデスクトップCPUの意地を見せられるか!?

2006年01月10日 14時00分更新

文● 月刊アスキー編集部 野口岳郎

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シングル、デュアルスレッドはFX2製品で天下を分け合う

 ではいよいよ性能をチェックしていくことにしよう。比較対象としては、インテル製品では、デュアルコアのXEの前バージョンであるXE 840と、シングルコアのXEであるPentium 4 XE 3.73GHz、および3.8GHzパワーでXE 3.73GHzよりもしばしば好成績を残すPentium 4 670、AMDについてはシングルコアのFX-57と、デュアルコアの従来の最上位モデル4800+を揃えた。
 まずは、まだまだ世の中の主流を占めているシングルスレッドのアプリの性能を見るために、「Superπ」(πの値を計算)と「DGCA」(ファイルを可逆圧縮)で計測したのがグラフ1、2だ。ともに1位は、AMDのシングルスレッドのフラッグシップであるAthlon 64 FX-57が死守。2位にデュアルコアのFX-60がつけた。この2つのテストは条件分岐命令が多いと考えられ、“パイプラインが長い=分岐予測失敗のペナルティの大きい”Pentium 4系がやや不振だったことも影響している。Pentium 4陣営では、高クロックのシングルコアCPU、670や3.73GHzが「Super π」では4800+を上回って3位に入る一方、デュアルコアのXEはそろってラストとブービーに沈んだ。もっともシングルコアに比べると目立って遅かったXE 840に比べると、XE 955はかなり上位と差を縮めてはいる。シングルスレッドのものが多いゲームの代表として「Unreal Tournament 2003」の結果がグラフ3。これも傾向としては前述のグラフ1、2とまったく同じだ。
 さてお次はいよいよデュアルコアの効果が生きてくるマルチスレッド対応アプリでのテスト結果だ。グラフ4と5は、デュアルスレッド対応の「Windows Media Encoder」および「PCMark 04」。実はこれらのテストはPentium XEとは相性が悪い。XEは物理的には2つのコアが、それぞれHTによって2つに見せている。OSからはおそらく4つのCPUが同じように見えるため、スレッドが2つしかない場合、しばしば同一CPUの2つの論理CPUにスレッドが割り当てられてしまうケースが出てきてしまい、もう片方のCPUは遊んでしまう。結果、HTをサポートせず、2つのスレッドが必ず物理的なCPUに割り当てられるPentium Dのほうが大幅に高速、という結果になる。この傾向がXE 955で改善されたかどうかを見たわけだが、残念ながら状況は同じのようだ。それでも、シングルスレッドのPentium 4 670やXE 3.73GHzはなんとか上回っている。

Superπ
グラフ1。x87の浮動小数点演算能力が問われる「Superπ」での104万桁計算時間。短い方が高速
DGCA
グラフ2。可逆の高圧縮率アーカイバ「DGCA」による圧縮処理の時間。短い方が高速
Unreal Tournament 2003
グラフ3。比較的CPUパワーの差が出る、3Dゲーム「Unreal Tournament 2003」のデモ版によるベンチマーク
Windows Media Encoder 9
グラフ4。通常は2スレッドしか起動しない「Windows Media Encoder 9」で、AVIファイルをWMVファイルに変換するのに要した時間。短い方が高速
PCMark 04
グラフ5。同時に2つのアプリを起動するテストを多数含む「PCMark 04」。CPU能力を見るため、メインスコアではなくCPUの値で比較している

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