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トヨタ、ミュージックプレーヤー発売──その正体とは?

2005年12月26日 22時29分更新

文● 編集部 小林久

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トヨタ自動車(株)は26日、“クルマ型Music Player”を開発テーマにした新製品『TOYOTA MUSIC PLAYER bB』を発表した。“音・光・まったり”の3つをキーワードに開発された同製品は、2000年の登場以来、若年層を中心に高い支持を集めてきたコンパクト2ボックスカー“bB”シリーズの最新モデルである。

TOYOTA MUSIC PLAYERこのビジュアルに見覚えはありませんか?

最大の特徴は、音楽を楽しむための独創的な装備と室内空間を用意した点。車内には、8つのサテライトスピーカーと1つのウーハーを装備。最新のサラウンドDSP技術を駆使して4種類の音場効果が得られるほか、重低音の鳴り響く迫力あるサウンドを再生できるようにしたという。また、車体のデザインもスピーカーレイアウトに配慮して決められており、背面のピラーの部分には専用ダクトを用意し、そこをバスレフのように共鳴させたり、フロント部分に設けたインパネのスピーカーをドライバーや助手席の同乗者のリスニングポイントにあった場所で定位するようにするといった工夫を施した。

新型bB
TOYOTA MUSIC PLAYER bB
コックピット部分
コックピット部分
音楽操作部 AUX-IN 専用ダクト
運転席の左横には音楽プレーヤーの操作パネルを用意フロント部分に設けられたAUX-IN端子ピラー部分に、専用ダクトを設けることで小型ユニットでも豊かな低音が出るようにした

また、音楽をゆったりと楽しめるようにフロントシートには通常のリクライニングに加え、座面が約80mm沈みこみ、カウチソファーのようになる形状を採用。同社では“マッタリモード機能付フロントシート”と呼んでいる。これに、スピーカーユニットなど車内の11ヵ所には、青色LEDによるイルミネーションを配置し、音と連動して点滅するといった演出も加わる。サラウンドDSPにはこのマッタリモードに適した“リアブースト”のモードも用意されている。青色のイルミネーションに関しては、やすらぎや落ち着きを感じさせつつも、クールで若者にアピールできる色という意味で選択したものだという。

布袋寅泰氏発表会場で熱演した布袋寅泰氏

本日都内で開催された“TOYOTA MUSIC PLAYER bB記者発表会”には、5台のbBが展示されたほか、同製品のCMソングを提供する布袋寅泰氏とRIP SLYMEによるMUSH UP PROJECTに関しても紹介された。“MUSH UP”とは、ジャンルの異なるアーチストが代表曲を持ち寄り、同時に演奏することで、新たな楽曲を創造するというもので、一般的なコラボレーションとは異なる新しい音楽手法だという。bBのCMソングには、映画『キル・ビル』でも用いられた布袋氏の『BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY』とRIP SLYMEの『FUNKASTIC』を原曲とした『FUNKASTIC BATTLE』が用いられる。

爆発
日本屈指のロック・ギタリスト布袋寅泰氏がヒップホップグループのRIP SLYMEと競演。MUSH UPの試みは国内では初だという

最近では、自動車メーカーの“iPod”対応が進み、カーナビゲーションシステムなどと連動してiPodを操作できる車種も増えているが、bBではあえてiPod対応とはせず、アナログのライン入力(AUX-IN)を1系統のみ搭載することにしたという。iPodは携帯型音楽プレーヤーのカテゴリーリーダーであるが、トヨタとしてはプレーヤーに関して1ブランドに縛られるのは好ましくないという考えのようだ。

発表会場にいた同社説明員は、編集部の取材に対して「AUX-INを使って、自動車をヘッドホン代わりに使ってほしい」とコメントした。音楽再生を自動車の一機能としてではなく、音楽を心地よく聴ける環境をそっくりそのまま移動させるという発想の転換を持ち込んだ新型bB。そのコンセプトは市場でどの程度受け入れられるだろうか?

有機ELパネル付きジャケット会場内のスタッフが着用していたジャンパー。有機ELディスプレー搭載で、bBの広告がイルミネーション表示されていた

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