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シマンテック、“インターネット詐欺”に対する認識調査の結果を公表――認識の浸透は進むも、対策/防御への不安は変わらず

2005年12月13日 20時48分更新

文● 編集部 内田泰仁

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(株)シマンテックは13日、“インターネット詐欺”に関して同社および(株)インフォプラントが行なった調査についての記者説明会を都内ホテルで行なった。この調査は、同社が2004年9月、2005年1月に行なった同様の調査に引き続いて行なったもので、ネットワークを介した個人情報の流出、フィッシング詐欺サイトなどの不正なコンテンツに対する認識や接触状況、スパイウェアなどの認識などについてを調査したという。

インターネットの利用内容インターネット利用時の不安要素
(株)インフォプラントのカスタマーサポート部 カスタマーサポートグループ マーケティングリサーチャーの松澤治光氏

調査によると、インターネットの利用内容では、オンラインショッピング/予約サービス、ネットバンキング/オンライン株取引といった、個人情報の送受信や支払い決済を伴うサービスの利用が前回の調査(2004年9月)よりも拡大。一方、インターネット利用時の不安要素とてしては、ウイルスが突出して第1位、以下、架空請求/不当請求、スパイウェア、不正アクセス、フィッシングが1割前後の回答数で続いている。不安要素の理由として“金銭的被害”を挙げる声が非常に多く、回答者の約74.4%が“非常に不安”と答えているという。



不正行為に対する認識スパイウェアに対する認識スパイウェアの侵入

また、インターネット詐欺についての認識調査では、従来から多かった“架空請求/不当請求メール”をインターネット詐欺の具体的な方法として挙げる人が引き続き多いが、フィッシング(前回24.4%→今回69.3%)、スパイウェア(前回41.6%→今回54.0%)が大きく数字を伸ばしており、一般への認知の広がりが進んでいることが伺える。また、スパイウェアに対する認識も高まってきており、“どんなものであるか知っている”(34.3%)、“なんとなく怖いものだと感じている”(27.1%)、“聞いたことがある”(24.6%)までの合計は、2005年1月に行なった調査の62.9%に対して今回は86.0%まで伸びている。一方、スパイウェアが実際に自分のパソコンに侵入していると思うかを問う設問に対しては、“実際に入っていた”という回答は前回(2004年1月調査)から減少(18.3%→14.9%)しているが、“もしかすると入っているのではないか”という回答は微増しており(28.9%→29.6%)、認識の広がりにより被害自体は減少傾向にあるものの、状況を不安視しているユーザーも多いようだ。

インターネット利用の変化防御に対する意識

このような認識/状況を踏まえて“インターネット利用に変化があったか”という問いに対しては、過半数のユーザーが“たしかに変わった”(7.2%)、“多少は変わった”(49.8%)と回答。具体的には、“安全だと確信できるサイトでしか買い物をしなくなった”“セキュリティー対策ソフトなどを購入・追加した”などが挙げられている。また、これまでの結果からも分かる認識の浸透から、“防御方法を正しく理解していると思う”と回答した人は2004年9月調査から約1割強増の41.6%に上昇。しかし、現状はまだ“絶対に被害にあわない自信がある”と答えるユーザーは2.4%に留まっており(“たぶん大丈夫だと思う”は約1割増の45.2%)、性別/年代別集計を見ると、高年代の女性層を中心に“あまり自信はない”“自信はない”という回答が多い傾向にある。

コンシューマ・マーケティング部 プロダクトコミュニケーションマネージャの田上利博氏“脅威”の進化。攻撃対象の変化、攻撃方法の多様化が進んでいるという

調査結果報告に続いて登壇したシマンテック コンシューマ・マーケティング部 プロダクトコミュニケーションマネージャの田上利博氏は、インターネット詐欺への対策などを説明。同氏によると、これまでの調査や統計などから見て、ユーザーの利用スタイルが「インターネットは生活の一部」と言えるまでに進んできているが、インターネット上の“脅威”が、従来の「単一的な攻撃、コンピューター自体に攻撃を加えるもの」から、「個人情報や金銭の詐取などを狙ったもの、心理的な攻撃を含むもの」へと移り変わってきたことから、従来は可能だった事後の対応が難しく、従来以上に“事前の対策”が必要だと注意を呼びかけた。さらに田上氏はこれらのことを踏まえて、インターネット詐欺の被害を防ぐためには、各ユーザーが以下のような対策/対応を行なうべきだと訴えた。

  • 心当たりのないメールには返信しない、URLをクリックしない(特に個人情報の入力/送信を求めるものは実在企業のものであっても注意)
  • 銀行やクレジットカードの通帳、明細を定期的に確認する
  • スパイウェア/アドウェアは気付かないうちにインストールされることがある、という認識を持つ
  • プログラムのダウンロードを行なうときにはEULAをきちんと確認すること
  • “コンピューターでできる対策”(OS/アプリケーションのアップデート、ブラウザーのセキュリティー設定)オートコレクトを使用しない)は正しく行なう
  • ID/パスワードの管理に注意する
  • セキュリティー対策ソフトを“事前に”導入する

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