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NEC、企業向けモバイルノート『VersaPro UltraLite』を発表――ボンネット式カバー&1kgを切る軽量化を実現

2005年12月05日 11時04分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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日本電気(株)は5日、企業向けノートパソコン“VersaPro(バーサプロ)”シリーズの新製品としてモバイルノートパソコン『VersaPro UltraLite(ウルトラライト)』を1月中旬に出荷開始すると発表した。購入時にスペックを指定/変更できるB.T.O.モデルで、同社直販サイト“得選街”の販売価格は、最廉価モデル(指紋センサーなし、Windows XP Home Edition)が18万1230円、指紋センサー搭載時(Windows XP Professional)の最低価格は19万7190円となる。

『VersaPro UltraLite』
企業向けモバイルノートパソコン『VersaPro UltraLite』

VersaPro UltraLiteは、堅牢製と軽量化、バッテリー駆動時間の超寿命化を追求するべく新たに設計したという、12.1インチXGA液晶ディスプレー搭載のモバイルノートパソコン。主な特徴は次の通り。

  • 最軽量モデル(指紋センサー非搭載)では1kgを切る約996gを実現
  • 面加圧試験で耐150kgf(1470N)、点(半径15mm)加圧試験で耐25kgf(245N)9ヵ所をクリアしたボンネット式の堅牢ボディーを採用
  • ライン型指紋センサー内蔵モデルを用意
  • 標準バッテリー(7.4V、5200mAh)で約7時間の長時間駆動を実現

本体の軽量化については、外装に最薄部0.5mm厚のマグネシウム合金ダイキャスト(鋳造)を採用して軽量化と堅牢性を両立。特に圧力がかかりやすい上面(液晶パネルの裏側)には、3ヵ所の凸部を持つボンネット形状を施して圧力を分散しながら、競合他社製品より強い圧力への耐性を持つとしている(松下電器産業(株)の『Let'snote T4』では耐100kgfと公表)。使用時にねじれの力がかかりやすい液晶パネルの側面部については、上面と液晶パネルの周辺部(いわゆる額縁部分)の外装を重ね合わせることで、ねじれへの耐久性も持たせているとのこと。

天面のボンネット構造
天面のボンネット構造

内部にも軽量化に向けた工夫がある。マザーボードに高密度2段ビルドアップ基板を採用し、部品の高密度実装と軽量化を実現。これは一般的な4層基板構造に上下各2層を追加形成した高密度基板で、これにより同社の従来モバイルノート(『VersaPro VY12F/BH-W』)と比べて45%の小型化、38%の軽量化が可能になった。CPUの電源回路も、コンデンサーを省略できる“プロードライザ”を採用して、基板の縮小に貢献している。

キーボードの右手前に内蔵されたライン型指紋センサー
キーボードの右手前に内蔵されたライン型指紋センサー

チップセットは、最新のIntel 915シリーズではなくIntel 855GMEを採用するが、これも低消費電力デバイスの選択と、最適化したパワーマネジメント技術を駆使するためだという。実際、グラフィックス表示はチップセット内蔵機能を利用するが、現在の表示に不要な部分の通電を制御するなど、細かい省電力化が行なわれている。これらにより、4セルタイプの標準サイズバッテリー(下部や後部に飛び出さない)でも、約7時間(JEITA測定法1.0)の長時間駆動を実現できた。

本体両側面 キーボード
本体両側面。上が挿抜耐久性を持つUSBポートのある右側面キーボード。キートップの幅と高さがほぼ同じスクエア形状になっている

さらに同社では、日々の外出に携行するモバイルノートにこそセキュリティー機能が必要として、

  • ライン型内蔵指紋センサーとセキュリティーチップによる個人認証
  • 固体識別機能付きのUSBメモリーを使った個人認証
  • ウイルス対策ソフトメーカーのトレンドマイクロ(株)との共同開発によりWindowsの起動前にパターンファイルをアップデートするという『Platform 5 アップデートエージェント』ツールのプレインストール
  • 書き出し可能な外部記憶装置などデバイス種別ごとの使用制限が行なえるI/Oポート設定機能の搭載
  • ファイル/フォルダー単位の暗号化ツール(128bit長暗号鍵)や廃棄時のHDDデータ消去ツールの標準添付

などのセキュリティー機能を持つ。USBメモリーを使った個人認証では、特定のUSBメモリーに識別用のデータを書き出し、それを装着しなければパスワード解除できないというもので、左側面のUSBポートはそうした挿抜回数が多いことを想定して右側面のUSBポート(2つ)より耐久性の高い部品を使っている。具体的には、一般的なUSBポート(左側面)の部品が3000回程度の挿抜試験を行なうのに対し、右側面のUSBポートは1万回の試験をクリアーしたもので、径がわずかに大きく抜き差しの摩擦が少ないほか、金属素材も磨耗しにくいものに変えるなど、部品単価として高価なものを採用している。

本体底面
本体底面。バッテリーとメモリー増設用スロットのみのシンプルなもの。HDDはネジ止めされておらず、周囲を緩衝材で固定したフローティング構造を採用して、耐ショック性を高めているという

Windows起動前のパターンファイルアップデートは、本機にプレインストールされた『ウイルスバスター 2006 インターネットセキュリティ』のみ対応する機能だが、休日明けなどに新型のウイルス/ワームが流行した状態では、パソコンとOSが起動してウイルス対策ソフトのアップデートが始まるまでの間に感染してしまう危険もある。それを未然に防ぐ工夫として注目したい。

小型化と可搬性を追求したACアダプター
小型化と可搬性を追求したACアダプター。従来のモバイルノートから採用されているものだが、コンセント接続部をACアダプターに直結できるコネクターが付属する

なお、本体設計の都合により、内蔵HDDの容量によっては指紋センサー内蔵タイプを選べない場合がある。具体的には20GB/40GBは1.8インチタイプを採用するため指紋センサーを内蔵可能だが、80GB/100GBは2.5インチタイプのため指紋センサーが内蔵できない。

上記以外の主なスペックは以下の通り。

CPU
超低電圧版Pentium M 753-1.20GHz
メモリー
DDR SDRAM256MB(オンボード)/最大1.2GB
チップセット
Intel 855GME
HDD
20GB/40GB(1.8インチタイプ)/80GB/100GB(2.5インチタイプ、指紋センサー内蔵不可)
グラフィックス
チップセット内蔵機能(メインメモリーのうち最大64MBを共用)
液晶ディスプレー
12.1インチXGA表示
通信
10/100BASE-TX準拠Ethernet、V.90対応56kbpsファクスモデム
キーボード
17.55mmピッチ/2.5mmキーストローク/85キー
拡張スロット
PCカード TypeII×1(CardBus対応)
インターフェース
USB 2.0×3、外部ディスプレー(ミニD-Sub15ピン)、オーディオ入出力など
OS
Windows XP Home Editionもしくは同 Professional
本体サイズ
幅270×奥行き217×高さ37.2(最薄部26.2)mm
重量
約996g(指紋センサー内蔵タイプでは約1.03kg)

掲載当初、一部機能の名称とB.T.O.メニューで選択できるHDDの容量に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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