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新日本石油、世界初の灯油を燃料とする家庭向け燃料電池システム『ENEOS ECOBOY』を発表――CO2排出量を30~40%削減

2005年11月30日 18時03分更新

文● 編集部 小西利明

灯油を使用する家庭向け燃料電池システム『ENEOS ECOBOY』。発電や給湯を行なう燃料電池発電ユニットは左で、右は200lのお湯を貯める貯湯ユニット。灯油タンクは別途必要
灯油を使用する家庭向け燃料電池システム『ENEOS ECOBOY』。発電や給湯を行なう燃料電池発電ユニットは左で、右は200lのお湯を貯める貯湯ユニット。灯油タンクは別途必要

新日本石油(株)は30日、世界初となる灯油を使った家庭向け燃料電池システム『ENEOS ECOBOY(エネオス エコボーイ)』を2006年3月20日から商品化すると発表した。

発表に先立ち、燃料電池に対する取り組みについて語る新日本石油 代表取締役会長の渡文明氏 燃料電池スタックなどで共同開発を行なった、荏原製作所 名誉会長の藤村宏幸氏
発表に先立ち、燃料電池に対する取り組みについて語る新日本石油 代表取締役会長の渡文明氏燃料電池スタックなどで共同開発を行なった、荏原製作所 名誉会長の藤村宏幸氏

ECOBOYは新日本石油と荏原バラード(株)の共同開発により開発された燃料電池システムである。水素の供給源として、家庭向けでは初の灯油を使用するシステムとなっている。“燃料電池発電ユニット”内で灯油と水を反応させて水素を抽出。燃料電池スタック内で外気から抽出した酸素と反応させ、電気を取り出す。また燃料電池スタックで発生した熱は、ユニット内の排熱回収装置で温水を作るのに利用される。電気と熱を発生する2段構えのシステムにより、総合エネルギー効率は81%(発電効率35%、排熱回収効率46%)にもなり、同社ではCO2排出量を30~40%削減できるとしている。発電出力は950Wで、一般家庭の電気使用量の約6割をまかなえるという。燃料電池スタックや排熱回収装置、また外付けの貯湯ユニットを含む全体のシステムは、新日本石油が2005年3月に商品化したLPガス仕様家庭向け燃料電池システム『ENEOS ECO LP-1』をベースにしている。ECOBOYで灯油を使用する理由について同社代表取締役会長の渡文明(わたり ふみあき)氏は、「灯油は扱いが容易で生活に深く身近。すべての家庭で安心・手軽に利用できる利点がある」と述べた。

ECOBOYの燃料電池発電ユニットおよび貯湯ユニットの概要
ECOBOYの燃料電池発電ユニットおよび貯湯ユニットの概要

ENEOS ECOBOYの主な仕様

発電出力
950W
電気方式
単層3線100/200V(50/60Hz共用)
発電効率(LHV)
35%
排熱回収効率(LHV)
46%
貯湯ユニット タンク容量
200l

ENEOS ECOBOYは戸建て住宅を販売対象としている。2006年度は限定100台の出荷を予定しており、対象エリアは関東圏1都10県と北海道、東北、北陸の主要都市とされている。これは寒冷地の戸建て住宅には、燃料用灯油タンクを備えている場合が多いためとのこと。ECOBOY自体の価格は、設置を希望する住宅の状況により異なるため、価格は公表されていない。また利用の際には、同社と3年間のメンテナンス契約“ENEOS ECO 契約”(年額6万円、燃料代別)を結ぶ必要がある。システムに灯油タンクは含まれず、別途必要となる。

ECOBOYの一般的な設置と使用イメージ。発電と温水供給の2つの機能を提供できる
ECOBOYの一般的な設置と使用イメージ。発電と温水供給の2つの機能を提供できる

発電ユニットは幅900×奥行き350×高さ900mm、乾燥重量170kg。貯湯ユニットは幅640×奥行き740×高さ1990mm、乾燥重量190kg。水素の元となる灯油には、一般的な灯油(硫黄分5~30ppm程度)よりも硫黄分が大幅に少ない、燃料電池専用灯油“ENEOS FC灯油”(硫黄分0.5ppm以下)を使用する。そのため一般の燃料用灯油は使用できない(FC灯油を燃料として使用することは可能)。FC灯油の価格は、一般的な灯油の価格と同等とされている。2006年度時点では、ドラム缶での供給が行なわれる。

同社の試算では、一般的な4人家族の場合、月間で約80l程度の燃料消費となり、約6万円程度のコスト削減が可能という。ユニットは基本的に屋外設置となるが、燃料電池が苦手とする低温環境時での動作を考慮しており、動作温度は-10~+40度と幅広くなっている。これにより同社では、寒冷地での使用も可能としている(極寒冷地等では屋内設置)。

“全自動学習運転”と称される運転制御システムが導入されており、電気の使用量が少ない時間(深夜など)は、燃料電池による発電を休止し、通常の送電網からの電力供給が行なわれる。また外付けの貯湯ユニットは、一般家庭の通常浴槽分よりやや多めの200l分の温水(給湯温度 約60度)を貯めておける。タンク内の温水が不足した場合は、自動で貯湯ユニット内のバックアップ給湯器から温水供給が行なわれる。貯湯ユニットにはお湯はり・追い炊き機能を備える“全自動風呂”機能が備わり、台所や浴室用のリモコンも標準で付属している。またオプションにて温水床暖房などの機能も導入できる。

新日本石油では家庭向けの燃料電池システムの普及を目指して、暮らしの中のエネルギーや環境の問題を、家庭のエネルギーに最も身近な主婦と共に考える、“ハイブリッド ライフ・ラボ”と称するプロジェクトを開始することも発表した。同プロジェクトにはプロジェクトパートナーとして、節約アドバイザーの和田由貴さん、建築家の江口恵津子さん、フリーアナウンサーの久保純子さんが参加する。ECOBOYの発表会にも、和田さんと江口さんがゲストとして登場し、主婦あるいは建築リフォームの観点からの、環境との関わりについての意見を述べた。

節約アドバイザーの和田由貴さん(左)、建築家の江口恵津子さん
節約アドバイザーの和田由貴さん(左)、建築家の江口恵津子さん

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