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マイクロソフト、米本社CEO スティーブ・バルマー氏の来日記者会見を開催――「業界のリーダーとしてパートナーシップと技術革新をリード」

2005年11月16日 21時06分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は16日、都内ホテルで記者会見を開催し、来日中の米マイクロソフト社最高経営責任者のスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏らが、同社のビジネス展開などに関する説明を行なった。バルマー氏はこの中で、マイクロソフトは、責任ある業界のリーダーとして、IT/その他の産業界/政府自治体/教育機関などとのパートナーシップをより強化し、技術革新をリードしていくと述べている。

米マイクロソフト 最高経営責任者のスティーブ・バルマー氏

約1年5ヵ月ぶりの来日となったバルマー氏は冒頭、「日本発のイノベーションは、我々、そして業界における意味が高まっている」と述べ、日本のIT業界や日本のマイクロソフトの重要性の向上を指摘。また、20周年を迎えるWindowsのさらなる進化に向け、「世界各地の従業員が日々努力を続けている」と述べた。

バルマー氏が提示した、今後発売または機能強化予定の製品/サービス

バルマー氏は、今後の製品展開の中で、12月発売のゲーム機『Xbox 360』、次期Windows『Windows Vista』、コミュニケーションサービスなどに触れた。まずゲームに関しては、「マイクロソフトは(ゲームにおいても)テクニカルリーダー。オンラインゲーム分野では特に先進的」だとし、技術面でのアドバンテージを強調。また、プレゼンテーション終了後に行なわれた質疑応答の中では、『Xbox 360』の展開に関する記者の質問に答え、「これまでのゲームユーザー、開発者からの評価を考慮すると、数量、金額ともに成功を期待できる」との認識を示すとともに、「日本市場においても、初代『Xbox』以上の成功を必ず収める」とコメントした。

『Windows Vista』については、「より明確にユーザーが生活をコントロールできるOS」になると説明し、コンシューマーユーザーに対しては“デジタルライフスタイル”の中心となる“デジタルエンターテインメントセンター”として、ビジネスユーザーに対しては、ドキュメント管理やセキュリティーなどの価値を提供して“デジタルワークスタイル”を実現するという。また、日本でのサービス提供が発表された“Microsoft Office Live Meeting 2005”をはじめとするコミュニケーションサービスの分野に関しては、「従来のソフトウェアの提供だけではなく、サービスも含めたプロダクトを提供」していくことで、「オンライン広告収入の成長にも期待」するとしている。

日本における活動については、設立20周年を迎える日本法人の役割の拡大を挙げ、販売面だけでなく、技術革新/製品開発/企業市民活動といった面でも重要な位置を占め、「今後の成長における主要な役割を期待する」と述べた。また、日本市場での展開施策“Plan-J”に基づき、産学/官民連携やパートナーシップの強化、日本における投資の拡大、技術革新の促進を進めていくとしている。

このほか、質疑応答の中では、同社が公式にサポートを表明している次世代光ディスク“HD DVD”の話題が取り上げられたが、バルマー氏は、米国ハリウッドの映画会社の多くが対抗規格の“Blu-ray”を支持しているとの指摘に対して「ハリウッドが支持している規格は、“HD DVD”と“Blu-ray”の“両方”」であることを強調。同社が“HD DVD”を支持した理由としては、「パソコンとの融合性」の面でより優れた規格であるためだといい、対する“Blu-ray”に関しては、パソコンで利用する際の「技術的な問題を懸念している」と述べている。

日本法人代表執行役社長兼米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン氏

続いて登壇した日本法人代表執行役社長兼米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏は、“Plan-J”の進捗について説明し、“日本における投資の拡大”“技術革新の促進”“パートナーシップ”の3点について、これまでの成果を挙げた。

日本における投資の拡大での成果技術革新の促進における成果。これまで日本での展開が進んでいなかった同社によるERP/CRMパッケージの展開は2006年からスタートするというパートナーシップ面における成果。日本政府の“Windows離れ”を報じる報道に対して、「(政府は)中立性を持ってあらゆるプラットフォームに機会を与える」との見解を示していると述べ、認識の違いを 指摘した
“Plan-J”の進捗状況
『Microsoft Windows XP Professional アップグレード Windows 20周年 記念パッケージ』のパッケージ

この中で同氏は、日本でのみ展開するWindows XPの新パッケージ『Microsoft Windows XP Professional アップグレード Windows 20周年 記念パッケージ』を発表した。これは、Windowsおよび日本法人の20周年を記念した日本独自企画の製品で、メタリック調の特別デザインパッケージに特典コンテンツ/グッズが同梱される(パッケージの詳細は下記のとおり)。オンライン限定販売で、販売本数は9999本限定。販売開始日は12月9日(予約受付は同日から12月8日まで)。価格は2万6800円。予約販売を行なうオンラインショップは、“アスキー365”、“アット・ニフティストア”、“Amazon.co.jp”など17店舗。



『Microsoft Windows XP Professional アップグレード Windows 20周年 記念パッケージ』のパッケージ内容

Windows XP Professional アップグレード CD
アップグレード対象となるOSは、Windows 98/98SE/Me/NT 4.0/2000/XP Home Edition
Windowsファミリ レプリカCD-ROMセット
Windows 95/Windows 98/Windows Me/Windows 2000のCD-ROMを模したWindows 20周年記念CDセット。
Windows ファミリ パッケージクラフトセット
Windows 95/Windows 98/Windows Me/Windows 2000/Windows XPをモチーフにしたクラフトペーパー(5枚組)。
Windows 20周年 記念切手
米マイクロソフト 会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ(Bill Gates)氏のサインが入った特製フォルダー付き。
Windows 20周年記念 ステッカー
Windows 20周年記念プレゼント クーポン
『Windows Vista 特別早期プレビュー版』申し込み用、“Windows 20周年記念ビデオおよびデスクトップテーマ CD-ROM”申し込み用のクーポン。応募者全員にプレゼント。発送は2006年2月以降を予定。

『Microsoft Windows XP Professional アップグレード Windows 20周年 記念パッケージ』に付属する記念切手(左)とレプリカCD-ROM(右)

なお同社は、20周年企画として、記念切手の発売、米国本社見学ツアーが当たるオープン懸賞、キャッシュバックキャンペーンをそれぞれ実施するという。

また、ヒューストン氏は、技術革新の促進の一環となる“新規市場への参入”として、HPC向けプラットフォーム『Microsoft Windows Compute Cluster Server 2003』、モバイル端末向けプラットフォーム“Windows Mobile”シリーズ、ERP/CRMなどのビジネスアプリケーションパッケージ“Microsoft Dynamics”シリーズを挙げている。このうち“Microsoft Dynamics”シリーズについては、2006年中に製品投入を行なうとしている。

マイクロソフトが顧客に提供していく“価値”

ヒューストン氏はプレゼンテーションの中で、マイクロソフトの最大の使命は「お客さまに“価値”を提供すること」だと述べているが、今後発売される革新的な製品群により、「私自身の生活の柱も変わってくると期待している」「今後10年間の(技術革新の)動きに、マイクロソフトの社長としてだけでなく、個人としても情熱を持っている」として、今後の展開に強い期待感を示した。そして、今後10年はこれまでの10年よりさらに技術革新が進展し、パソコンと家電の連携や相互運用性が進んだ“デジタルライフスタイル”“デジタルワークスタイル”が実現すると述べるとともに、このような流れの中で「ITを愛し、イノベーションを受け入れてくれる」国民性を持った日本は、技術革新において重要な役割を果たすとして、同社の日本市場に対する取り組みのさらなる強化をアピールした。



ヒューストン氏のプレゼンテーションの中では、10日にWindowsクライアントビジネス開発事業部担当兼プログラムバイスプレジデントに就任した前・日本エイ・エム・ディ(株)代表取締役会長の堺和夫氏が紹介された。堺氏は「ソフトウェアの面からデジタルライフスタイルの実現に取り組む」とコメント

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