このページの本文へ

カノープス、多チャンネル同時表示に対応する『MTVX2006HF』など、TVチューナー製品3機種を発表

2005年11月09日 19時20分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
ソニー製スプリットキャリアチューナー搭載など、画質にこだわった『MTVX2006HF』 統合AVプレーヤー『FEATHER2006』(右)。ほかのWindowsアプリケーションとの共用を考慮して、タスクバー型UIを採用
ソニー製スプリットキャリアチューナー搭載など、画質にこだわった『MTVX2006HF』統合AVプレーヤー『FEATHER2006』(右)。ほかのWindowsアプリケーションとの共用を考慮して、タスクバー型UIを採用

カノープス(株)は9日、TVチューナー/キャプチャーの新製品3機種を同時に発表した。高画質化を追求したのに加えて、製品付属の統合AVプレーヤーソフト“FEATHER”シリーズが『FEATHER2006』に更新され、同時多チャンネル再生やWindowsアプリケーションとの共存に適した新ユーザーインターフェース(UI)の採用などが行なわれている。価格は全製品オープンプライスで、発売時期は12月上旬の予定。

FEATHER2006

製品発表会では各新製品の説明に先立ち、新製品に付属するFEATHER2006についての説明が行なわれた。FEATHERシリーズの現行バージョンである『FEATHER2005』は、AV家電やWindows XP Media Center Edition風のいわゆる“10フィートUI”を採用し、リモコンベースの統合UIを採用したのが特徴であった。しかしFEATHER2006で掲げられたテーマは、「3フィートUIへの回帰」。画面をまるごと占有してAVアプリケーションだけを使う10フィートUIとは異なり、Windowsで日常的な作業をしながら、同時にTV/ビデオ視聴や音楽鑑賞を楽しむという用途を想定し、Windowsアプリケーションとの共存/同時使用に適したUIを採用しようという考えに基づいている。

FEATHER2005で採用された10フィートUI型の統合UI。FEATHER2006でもこのスタイルは利用可能
FEATHER2005で採用された10フィートUI型の統合UI。FEATHER2006でもこのスタイルは利用可能
FEATHER2006で導入された“ライブタスクバー”
FEATHER2006で導入された“ライブタスクバー”

FEATHER2006では、“ライブタスクバー”と称する、縦長のタスクバー型のUIが実装された。ライブタスクバー内には、TV/ビデオの小さな再生ウィンドウや、再生・停止操作などを行なうコントロールパネルなどが配置されている。縦長のバー形態は、日常的なWindows操作を邪魔することもなく、使いやすそうだ。さらにFEATHER2006は、複数のTV放送やビデオ再生を同時表示する機能を備えている。そのため複数台のMTVXシリーズやネットワークTVチューナー『DNT-888L』をパソコンに接続していれば、デスクトップ上やライブタスクバー内に複数のTVのライブ放送を映し出すことも可能だ。さらにWindowsのスタートメニューと同様の操作で、パソコン内のビデオやオーディオデータ、CD/DVDを選択して再生することも可能だ。またFEATHER2005と同様の10フィートUIスタイルの操作モードも備えている。



バーの内部で複数のTVやビデオを再生することが可能 バーから出しての任意の位置での再生も可能。デモでは同時に8台分ものTV放送を表示してみせた
バーの内部で複数のTVやビデオを再生することが可能バーから出しての任意の位置での再生も可能。デモでは同時に8台分ものTV放送を表示してみせた
「スタートメニューを使える人なら使える」と称されるスタートメニュー風のコンテンツ選択メニュー。ビデオファイルはサムネイルも表示され、なかなか使いやすそうだ
「スタートメニューを使える人なら使える」と称されるスタートメニュー風のコンテンツ選択メニュー。ビデオファイルはサムネイルも表示され、なかなか使いやすそうだ

FEATHER2006は後述の新製品に添付されるほか、ダウンロード販売の形で単体販売も行なわれる。提供時期は確定していないが、9日発表の新製品と同時期の12月上旬頃となるもようだ。また既存のMTVXシリーズのユーザーにはアップグレードが有償提供されるほか、11月1日以降にFEATHER2005が付属するMTVXシリーズを購入したユーザーは、無償でのアップグレードが可能になる予定だ。

MTVX2006HF、MTVX2006USB

コンパクトなハードウェアエンコーダー内蔵USB TVチューナーユニット『MTVX2006USB』。手前のPCカードと比較すると、コンパクトさがイメージできる
コンパクトなハードウェアエンコーダー内蔵USB TVチューナーユニット『MTVX2006USB』。手前のPCカードと比較すると、コンパクトさがイメージできる

PCIカード型の『MTVX2006HF』は、TVチューナー1基とハードウェアMPEG-2エンコーダーを搭載するTVチューナーカードの新製品である。MTVXシリーズは高画質・高音質で知られるソニー(株)製の“スプリットキャリアチューナー”を早くから採用するなど、高画質化を重視した設計で知られる。MTVX2006HFでもこの伝統は継承され、さらに録画時に3次元Y/C分離と3次元デジタルノイズリダクション(DNR)を同時に使用して、画質補正をより強化できるといった特徴を備えている。録画時のMPEG-2ビットレートを細かく設定できるのも特徴で、1.2~15Mbpsの間を0.1Mbps刻みで設定できる。またデジタル放送のコピーワンス信号(CGMS-A)にも対応しており、コピー制御された番組の録画が可能だ。

対応機種はPCIバス(2.2以降)搭載のWindowsパソコンで、対応CPUはPentium III-866MHz以上のPentium III/4、Celeron、Athlon/XP/64、Duronなど。対応OSはWindows XP Home Edition/Professional/Professional x64 Editionなど。x64 EditionのWindows XPに正式対応するTVキャプチャーカードは珍しい。予想実売価格は1万9800円。また同時に、MTVX2006HFのパッケージにUSB接続の赤外線リモコン『CRM2005』を同梱した、お得なキャンペーン版パッケージが1000本限定で販売される。価格はオープンプライスで、予想実売価格はMTVX2006HFと同程度と想定されている。

USB外付け型のMTVX2005USBは、同社で画質をチューニングしたソニー製TVチューナーを搭載した、ハードウェアMPEG-2エンコーダー内蔵TVチューナーユニットである。MTVX2006HF同様に、3次元Y/C分離回路や3次元DNRなどの高画質化機能を搭載。録画時に3次元Y/C分離と3次元DNRを同時使用しての高画質化も可能である。また録画時のビットレートも、MTVX2006HF同様の0.1Mbps刻み(2~15Mbpsの間)で設定できる。CGMS-Aにも対応する。

本体はコンパクトで軽く、サイズは幅115×奥行き20×高さ95mm、重さは約230g(本体のみ)である。対応機種や対応OSは、接続インターフェースがUSBに変わった以外は、MTVX2006HFと同様である。そのためMTVX2006USBも、Windows XP Professional x64 Editionで動作する。予想実売価格は1万9950円。

豆ちゅーmini

ライターサイズの超小型USB TVチューナー『豆ちゅーmini』 松下電器産業(株)のB5モバイルノート『Let'snote CF-R3』に接続した様子
ライターサイズの超小型USB TVチューナー『豆ちゅーmini』松下電器産業(株)のB5モバイルノート『Let'snote CF-R3』に接続した様子

8月に発表された超小型USB TVチューナーユニット『豆ちゅータイガース』の、通常版と呼べるのが、この『豆ちゅーmini』である。カノープスの方いわく「“阪神嫌いや”という人向け(笑)」とのことだ。

ハードウェア仕様は同様で、幅61×奥行き13×高さ32mm、重さ約24g(本体のみ)と非常に小さなユニット内に、TVチューナーとUSBインターフェースを搭載する。エンコードはパソコン側でのソフトウェアエンコードにより行なう。USBバスパワーで駆動し、ロッドアンテナも付属するので、ノートパソコンと共に持ち出して、屋外で使用することも可能だ。TV視聴/録画からDVD編集までこなせるソフト『かんたん換太郎』が付属する。

対応機種はUSB 2.0ポート搭載のWindowsパソコンで、対応CPUはPentium III-800MHz/Pentium M-900MHz以上(TV録画/DVD作成時はPentium 4-2.4GHz/Pentium M-1.2GHz以上)。対応OSはWindows XP Home Edition/Professional。予想実売価格は9800円。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン