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ナビタイムジャパン、グローバル戦略説明会を開催――携帯電話でのナビゲーションサービスを米国/中国などでも展開

2005年10月18日 20時14分更新

文● 編集部 小西利明

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ナビタイムジャパンが米国で展開予定の携帯電話によるカーナビゲーションサービスのデモ画面 報道陣の質問に答える、ナビタイムジャパン 代表取締役社長の大西啓介氏
ナビタイムジャパンが米国で展開予定の携帯電話によるカーナビゲーションサービスのデモ画面報道陣の質問に答える、ナビタイムジャパン 代表取締役社長の大西啓介氏

(株)ナビタイムジャパンは18日、東京都内にて報道関係者を集めた戦略説明会を開催。“NAVITIMEのグローバル戦略”と題して、同社が開発・提供する携帯電話向けナビゲーションサービスの説明と、海外展開のプランについての説明を行なった。同社はKDDI(株)の第3世代携帯電話向けのナビゲーションサービス“EZナビウォーク”“EZ助手席ナビ”などを開発したほか、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモやボーダフォン(株)の携帯電話でも使えるナビゲーションサービス“NAVITIME”を提供している。EZナビウォークは50万人程度、NAVITIMEは30万人程度のユーザー数があるという。

同社の事業は、ナビゲーションシステムのエンジン開発とそのライセンス提供、ナビゲーションサービスの運営やASP事業、携帯電話事業者への技術提供などが種となっている。同社の戦略について説明を行なった、代表取締役社長の大西啓介氏は、携帯電話によるナビゲーションサービスの方向性を、“すべての移動手段に対して、1つのナビゲーションツール”を実現するものと定義。日米では消費者が携帯電話に求める機能としてナビゲーション機能のニーズが高く、また日米で携帯電話へのGPS機能内蔵が義務化(※1)されるなど、携帯電話がナビゲーションツールとなる準備が整いつつある状況を述べた。

※1 日本では2007年4月以降に発売される携帯電話機に、GPS機能の内蔵が義務づけられている。

日本と米国での、携帯電話に求められる機能についてのリサーチ。男女、地域問わず、ナビゲーションサービスへのニーズは大きいとしている
日本と米国での、携帯電話に求められる機能についてのリサーチ。男女、地域問わず、ナビゲーションサービスへのニーズは大きいとしている

また同社が開発した携帯電話向けのナビゲーションサービスやASP事業についての説明を行なった。特にKDDIの“CDMA 1X WIN”携帯電話機にプレインストールされるなど、利用が広がっている歩行者向けサービスのEZナビウォーク、自動車向けサービスのEZ助手席ナビについては時間を割いて説明を行ない、CPUやメモリーの非力な携帯電話機でも快適に動作するための工夫や、携帯電話機内蔵GPSでの位置補正技術、EZナビウォークとEZ助手席ナビの連携動作などについてが紹介された。特に携帯電話機を使った自動車向けナビゲーションサービスは、安いが不便な紙の地図と、高精度で機能も豊富だが価格の高いカーナビゲーションシステムの間に位置するものと定義。カーナビを持たない若年層などに向けて、ナビゲーションサービスのマーケットを広げるとした。

携帯電話でカーナビゲーションを行なう最新のサービス“EZ助手席ナビ”の説明図 携帯電話によるカーナビゲーションサービスの位置づけ。機能・コスト面で紙地図とカーナビシステムの中間に位置する
携帯電話でカーナビゲーションを行なう最新のサービス“EZ助手席ナビ”の説明図携帯電話によるカーナビゲーションサービスの位置づけ。機能・コスト面で紙地図とカーナビシステムの中間に位置する

同社はナビゲーションサービスのソフトウェア開発を手がける企業で、地図データや時刻表などは他社から供給を受け、それを同社側でコンバートして、自社開発のソフトウェアで利用している。大西氏は徒歩や自動車、電車だけでなく、飛行機やバスなどすべての移動手段に対応した同社のナビゲーションエンジンを保有するのは、「世界でもナビタイムだけ」と語り、同社のコア技術であるとした。

ナビタイムジャパンのプロダクトモデル図。データは外部企業からライセンスを受け、それを同社のサービスで利用できるようにコンバートするため、異なるソースのデータを統合したナビゲーションサービスを構築できるとしている
ナビタイムジャパンのプロダクトモデル図。データは外部企業からライセンスを受け、それを同社のサービスで利用できるようにコンバートするため、異なるソースのデータを統合したナビゲーションサービスを構築できるとしている

さらに“ナビゲーションエンジンで世界のデファクトスタンダードを目指す”として、海外展開のプランについても語られた。現在同社は、海外でのトータルナビゲーションサービスを提供する“Global NAVITIME”を運営しているが、18日には中国の大手携帯電話会社China Unicom(China United Telecommunications)社に、携帯電話向け自動車ナビゲーションサービス“VoiceNavi”を開発、提供すると発表している。同サービスは10月末の開始を予定している。また米国でも同種のサービス“MyRoutz”の展開を予定しており、米Verizon Wireless社から提供される予定という。提供開始時期は確定していないが、大西氏は「年明けくらいに」と述べた。

NAVITIMEなど、同社のサービスが運営されている地域。日本と中国では、GPS内蔵携帯電話機を使ったサービスも提供される FOMA携帯電話で、海外でのトータルナビゲーション“Global NAVITIME”を使用した様子。ちなみに画面はロスアンゼルスの一角
NAVITIMEなど、同社のサービスが運営されている地域。日本と中国では、GPS内蔵携帯電話機を使ったサービスも提供されるFOMA携帯電話で、海外でのトータルナビゲーション“Global NAVITIME”を使用した様子。ちなみに画面はロスアンゼルスの一角
同社が開発し、中国China Unicom社で提供される携帯電話向けカーナビ“VoiceNavi” 来年に提供予定の、米国版携帯電話向けカーナビ“MyRoutz”
同社が開発し、中国China Unicom社で提供される携帯電話向けカーナビ“VoiceNavi”来年に提供予定の、米国版携帯電話向けカーナビ“MyRoutz”

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