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【Smartphone Show 2005 Vol.1】Symbian OS搭載携帯電話機が昨年上期と比べて3倍増に――基調講演より

2005年10月12日 15時54分更新

文● 安藤 怜

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イギリス・ロンドンで11日(現地時間)、携帯端末用OSの“Symbian OS”搭載製品に特化したイベント“Smartphone Show 2005”が開催された。これは、昨年までは“Symbian Expo”として開催されていたもの。主催の英シンビアン(Symbian)社によると、11日の来場者数は約2000人、12日も2000人を超える来場者を見込んでおり、昨年の総来場者数である4000人を上回る見通しだ。出展社数も、200社と昨年に比べて倍増している。

英シンビアンCEOのナイジェル・クリフォード氏 英シンビアンCEOのナイジェル・クリフォード氏
11日午前に基調講演を行なった英シンビアンCEOのナイジェル・クリフォード氏会場は、ロンドン東部にある“ExCel”(エクセル)というイベントホール

11日午前9時から、英シンビアンCEOのナイジェル・クリフォード(Nigel Cliford)氏による基調講演が行なわれた。今年6月にCEOに就任したクリフォード氏は、「Symbian OSの将来性を信じていなければ、CEOの仕事を引き受けなかっただろう」と、Symbain OSを搭載した端末が、今後も普及していくことへの確信を示した。

そして、かつてのイギリスには、固定電話会社が1社しかなかったが、その頃と比較して、「現在は、固定電話と携帯電話をあわせて10の通信事業者が競合し、1つの携帯電話事業者に31種類の携帯電話機があり、1つの携帯電話事業者に78種類の料金体系があり、1つの携帯電話機で31種類のサービスが利用できる」と、通信業界自体が複雑になっていることを示した。そして、その結果として、「通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツの開発者それぞれが厳しい競争にさらされている」ことを強調した。

クリフォード氏のプレゼンテーションより(1)
Symbainは、これからの携帯電話市場で中心的な役割を果たすという

こうした状況で、英シンビアンは、中心的な役割を果たすことができるという。なぜなら、Symbian OSを採用することで、以下のような効果を挙げられるからだとクリフォード氏は説明する。同社の試算では、Symbian OSを使用した場合、携帯電話機の開発コストは、40%削減できるという。特に、アプリケーションの開発コストは90%も削減可能とした。

  1. 携帯電話機の開発期間が短縮できるため市場のニーズにあわせてタイミング良く製品を提供できる
  2. 製品を消費者の好みにあわせてカスタマイズできるため多様なニーズに応えられる
  3. コスト削減に加え、利益をあげる機会が増加する
  4. 上記の結果として、端末価格を下げることができる
クリフォード氏のプレゼンテーションより(2) クリフォード氏のプレゼンテーションより(3)
同社の試算では、Symbian OSを使用した場合、携帯電話の開発コストは、40%削減できるという今年1~6月に販売されたSymbian OSを搭載した携帯電話機は1450万台と、昨年の1~6月と比べて3倍増となった

今年1~6月に販売されたSymbian OSを搭載した携帯電話機は1450万台と、昨年の1~6月と比べて3倍増となった。また、同OS搭載端末は、現在54機種あり、その4分の1が3G対応。また、現在50機種の端末が開発中。同OS搭載端末は、全世界で200社の携帯電話会社のネットワークで利用されている。対応アプリケーションも4800種類を超えており、アプリケーションのダウンロードサイト“Handango”だけで、今年1~6月に400万本のアプリケーションがダウンロードされたという。

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