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NTTドコモ、社長定例会見を開催――新規参入事業者へのローミング提供条件は「かなりシビア」に

2005年09月29日 22時10分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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代表取締役社長の中村維夫氏
代表取締役社長の中村維夫氏

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは29日、代表取締役社長の中村維夫(なかむらまさお)氏による定例記者会見を開催した。今回は中間決算発表(10月28日予定)の1ヵ月前にあたり、新しい話題はなく、中村氏は同社を取り巻く現在の状況を紹介。また、記者団からの質問に受ける形で、携帯電話新規参入事業者に対するローミングや、今後の計画などに関して言及した。



株主は中期的経営戦略に関心

中村氏は、IR(Investor Relations)の一環として、9月に日本/アメリカ/ヨーロッパで株主・投資家対して事業活動の報告を行なった。株主の反応について中村氏は、「純増シェアが回復し、解約率が低下するなど(※1)、足元の状況が好転していることには一定の評価を得ているようだ。しかしその反面、番号ポータビリティーや新規参入によって中期的な経営状況は不透明なところが大きく、そこに関心が集まった」と説明した。また、第15期(2004年度)の1株当たり年間配当金は前期の2倍にあたる4000円だったが、株主には「おおむね満足をいただいている」という。 

※1 2005年度の第1四半期(4~6月)には、解約率が0.80%と同社の過去最低水準を記録し、携帯電話契約数の純増シェアは56.1%と業界1位になっている。2005年度第1四半期の連結業績はこちら

新規参入事業者へのローミング条件はかなりシビアなものに

質疑応答では、本日イー・アクセス(株)の子会社であるイー・モバイル(株)が、総務省に1.7G帯携帯電話免許の申請を行なったこともあり、新規事業者のローミングに関する質問が寄せられた。中村氏は、ローミングに関しての基本的な姿勢を、「基本的には、3000億円程度(の設備投資)で実現できるのであれば、私としては“ローミングなんか不要なんじゃないの?”というような気もしないでもない。ただ、具体的な話はソフトバンクやイー・アクセスからない。もし仮にあるとすれば、お互いにWin-Winの関係でやっていくことになるので、期間/地域/料金体系などの条件は、かなりシビアなものにならざるを得ないのではなかろうか」とした。3000億円というのは同社の経験からするとかなり少ない金額のようで、「(新規事業者がサービスを立ち上げるには)我々の経験からすると相当な設備投資額がいるだろう。また、サービスを全国展開するにはかなり時間がかかるだろう。こういうことだから、ローミングが必要だと思っていた」という。

HSDPA対応端末投入は来年度の「できるだけ早い時期」

また、今後の新端末/新サービスの投入時期等についても質問が寄せられた。同社は(社)地上デジタル放送推進協会の地上デジタル放送の携帯/移動体向けサービス“ワンセグ”に対応した携帯電話機を27日に発表したが、「端末については、当然ながら、年末ないし年初早々に出そうと思っている」とした。導入に向けて現在実験を進めている次世代無線通信方式“HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)”については、「計画は順調に進んでいるが、2005年度末までにすべてを完了させて、2006年度のできるだけ早い時期に端末を販売したい」と述べた。

なお、現在の携帯電話機の販売状況については、「昔のように1つで何百万という端末はなかなか出てこない。ユーザーのニーズに合わせて少量多品種の時代が始まっている」という。同社の主力商品である“FOMA”は、上位の90xiシリーズと下位の70xiシリーズがラインナップされているが、販売は90xiの“7”に対して70xiが“3”と紹介した。

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