『Xbox 360』の標準パッケージ。20GB HDD搭載のコンソール本体に、ワイヤレスコントローラー、リモコン、各種AVケーブルが付属する | 発売日と価格が発表された瞬間のスライド。11月末発売の米国、12月2日発売の欧州に続いての投入となる |
マイクロソフト(株)は15日、東京都内にてプレス発表会を開催し、同社の次世代家庭用ゲーム機『Xbox 360』(エックスボックス サンロクマル)の発売日や価格、製品構成、同時発売タイトルなどについての発表を行なった。発売予定日は12月10日で、価格は3万9795円(税込、税抜価格は3万7900円)。
16日から幕張メッセにて開催される、日本最大級のゲームおよび関連製品展示会“東京ゲームショウ 2005”の開催を翌日に控えた今日、次世代ゲーム機の先陣を切って、Xbox 360の発売日と価格が発表された。米国版の価格や製品構成については、すでに『Xbox 360 Core System』と呼ばれる標準パッケージが299.99ドル(約3万3000円)と発表されているが、20GB HDDが別売りの米国版標準パッケージに対して、日本版Xbox 360の標準パッケージは20GB HDDがセットになっている。米国でのHDD単体の価格は99.99ドル(約1万1000円)なので、ケーブルやそのほかの付属品の違いもあるとはいえ、日本版の標準パッケージはややお得と言える。
標準パッケージに含まれるのは、Xbox 360本体、専用20GB HDD(本体上部に装着)、ワイヤレスコントローラー、メディアリモコン(Media Center Extender機能などに使用)、D端子 HD AVケーブル、LANケーブル、ACアダプターなどとなっている。HDDが標準添付されるため、セーブ用メモリーカードの類は含まれない。また初回生産限定の『Xbox 360 発売記念パック』(価格は標準パッケージと同じ)には、標準パッケージの構成に“Xbox Live”での音声チャットなどに使用するヘッドセットが付属している。また本体の発売と同時に、有線タイプのコントローラーや、ワイヤレスLANアダプター、ワイヤレスコントローラー用の予備バッテリーや充電器、各種AVケーブルといった付属品も発売される。
マイクロソフト執行役 Xbox事業本部長の丸山嘉浩氏 |
発表会にてマイクロソフト執行役 Xbox事業本部長の丸山嘉浩氏は、まずXbox 360のキーワードである“ハイデフ(High Definition)エンターテイメント”について、改めて“ハイビジョン品質の映像と5.1chサラウンドオーディオ”“スイッチを入れるだけでXbox Liveにつながるオンライン”“フェイスプレートやダッシュボード(Xbox 360内蔵ソフトウェアのスキン)の着せ替えといったカスタマイズ”の3点であると強調した。
またハイデフ エンターテインメントをアピールするデモとして、米Epic Games社のリードデザイナーであるクリフ・ブレジンスキー(Cliff Bleszinski)氏が登壇し、開発中のXbox 360用シューティングゲーム『GEARS of WAR』を披露した。このゲームはサードパーソン(※1)タイプのシューティングゲームにアドベンチャーの要素を加えたものとのことだが、闇に包まれた都市の廃墟の描写や、緻密でリアルに造型されたキャラクター、物理エンジンによるリアルな物体同士の干渉などが垣間見えた(残念ながら写真撮影は許可されていなかった)。
※1 第三者視点。視点をプレイヤーが操作するキャラクターの周囲において、キャラクター自身も描写する表現方法。欧米で一般的なシューティングゲームは、視点をキャラクターの目におく“ファーストパーソン”型が多い。開発中の『GEARS of WAR』を披露した、米Epic Games社リードデザイナーのクリフ・ブレジンスキー氏 |
Xboxシリーズのネットワークサービスである“Xbox Live”についても、Xbox 360向けのサービス内容や価格についての説明が行なわれた。サービスプランとしては、無料の基本サービスとなる“Xbox Live シルバー メンバーシップ”と、有料のプレミアムサービスである“Xbox Live ゴールド メンバーシップ”が用意される。シルバーはXbox LiveのユーザーIDである“ゲーマータグ”の取得のほか、他のXboxユーザーと音声チャットを行なう“ボイスチャット”や、ゲーム体験版や予告編をダウンロードできる“Xbox Live マーケットプレース”、無料のミニゲームを遊べる“Xbox Live Arcade”などを利用できる。一方のゴールドは有料で、1ヵ月780円から、3ヵ月1980円、12ヵ月4980円(注:いずれも税別価格)の料金プランが用意される。サービス内容はシルバーに加えて、オンラインでの多人数対戦プレイへの参加や、自分の腕前にあった対戦相手を捜すマッチメイキングなどの機能、さらにビデオチャットも利用可能になる。対戦型ゲームを楽しみたい人なら、ゴールドを利用することになる。
有料サービスの支払い方法も、クレジットカードのみと不評だった現在のXbox Liveを改め、ゴールドメンバーシップの月額料金支払いや、マーケットプレイスでのコンテンツ購入に利用できるプリペイドマネー“マイクロソフト ポイント”を導入、ゲーム販売店やコンビニエンスストアで販売する。(株)イーコンテクストとの提携により、ローソン、ファミリーマート、サークルK、サンクスなどで、マイクロソフト ポイントを販売するという発表も行なわれた。
Xbox 360の日本での発売と同時に発売されるタイトルは、以下の7タイトルが予定されている。また同時発売タイトル以外にも、2006年1月末までに6タイトルが発売予定されているほか、Xbox 360用にも提供される(株)スクウェア・エニックスのMMORPG『ファイナルファンタジーXI』(FFXI)のβテストも開始される予定であると発表された。
- Xbox 360の本体同時発売予定ゲームタイトル
- リッジレーサー6:(株)ナムコ
- フレームシティ:(株)ナムコ
- DEAD OR ALIVE 4:(株)テクモ
- ゴーストリコン アドバンスウォーファイター:ユービーアイソフト(株)
- エム~エンチャント・アーム~:(株)フロムソフトウェア
- テトリス ザ・グランドマスターエース:(株)キャビア
- エブリパーティ:マイクロソフト(株)
リッジレーサー6 | フレームシティ | |
DEAD OR ALIVE 4 | ゴーストリコン アドバンスウォーファイター | |
エム~エンチャント・アーム~ | エブリパーティ |
発表後の質疑応答で、標準でHDDを搭載することになった理由について問われた丸山氏は、日本ではブロードバンド通信環境が整備されており、FFXIのようなブロードバンドとHDD必須のコンテンツが登場する可能性も高いためと述べた。またHDDを含まないXbox 360本体のみの国内販売については、可能性はあるが現時点では未定とされた。なおXbox 360用のゲームは、FFXIのようなMMORPGを例外とすれば、HDDがなくても動作することを仕様としているとのことだ。また既存Xbox用ゲームとの互換性については、今年5月に発表された“既存の人気タイトルから互換性を確認”という予定のとおりとのことで、具体的に互換性を確認したタイトル名などについては、語られなかった。
Xbox 360の初回出荷台数などについては、今回も公表されなかった。また“失敗に終わった日本でのXboxを踏まえたXbox 360の対策は”という質問に対して丸山氏は、Xbox 360のゲームタイトルをユーザーに体験してもらう場を増やすという方針を示した。まず東京ゲームショウ2005のマイクロソフトブースなどで、ゲームタイトルの試遊台を多数揃えて来場者に体験してもらうほか、東京都港区南青山に体験スペースやイベントスペースを兼ねた“Xbox 360ラウンジ”を11月にオープンするなど、ユーザーに直接体験してもらう機会を増やすことで、Xbox 360を支持するユーザーを増やしていくという戦略の一旦を披露した。
南青山に建設中のXbox 360体験スペース“Xbox 360ラウンジ”の予想図 |