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リコー、コンパクトデジタルカメラ『GR DIGITAL』を発表──傑作機GRシリーズの後継となるデジタル機

2005年09月13日 21時20分更新

文● 編集部 小林久

(株)リコーは13日、ハイアマチュアやプロをターゲットにしたコンパクトデジタルカメラ『GR DIGITAL』(ジーアール・デジタル)を10月21日に発売すると発表した。価格はオープンプライスで、予想実売価格は8万円前後。月産5000台を計画している。

GR DIGITAL オプション
GR DIGITALオプションの外部ファインダーとワイドコンバーター。ワイドコンバーターには花形のフードが付属する

GRは“伝説”、中途半端な製品は投入できない

“GRシリーズ”は“傑作機”と評価の高い同社のレンジファインダー式フィルムカメラ(初代のGR1は1996年発売)。DR DIGITALはそのデジタル版。リコーは、このGR DIGITALをGRシリーズの後継機種として位置づけ、満を持して市場投入する。

坂巻氏 湯浅氏
常務執行役員パーソナルマルチメディアカンパニープレジデントの坂巻資敏氏パーソナルマルチメディアカンパニーICS事業部長の湯浅一弘氏

本日発表会に出席したリコー常務執行役員パーソナルマルチメディアカンパニープレジデントの坂巻資敏(さかまき ただとし)氏は、「デジタルカメラ市場は成熟期に入った」とコメント。普及価格帯の製品の成長は緩やかとなる一方で、一眼レフカメラなど高付加価値機の成長が目覚しいと説明した。坂巻氏は「高級志向、本物志向が進み、画質の良さとデジタルの利便性の両立を望んでいるお客さんが増えてきた」と市場を概観する。

市場の成熟
2005年にはデジタルカメラの需要の過半数が買い替え/買い増しになるというリックリサーチの調査結果

中古市場でも根強い人気のあるGRシリーズを坂巻氏は「GRはある種の伝説」と表現した。同時に「このブランドを冠する以上、断じて中途半端な製品を投入することはできない」とも語り、この製品に対するリコーの意気込みを強調した。

昨年秋に、パーソナルマルチメディアカンパニーICS事業部長の湯浅一弘(ゆあさ かずひろ)氏から“デジタル版のGRを出したい”という話が来た際に坂巻氏は、技術的にも市場的にもベストなタイミングであると考えたという。

「2~3年前では普及機に埋もれてしまった。来年以降では他社の高付加価値なカメラの後塵を拝してしまうかもしれない。GRのデジタル版はまだかという声をいただいていたが、お待ちいただいたぶん素晴らしい製品ができた」と坂巻氏は言う。同氏はGR DIGITALを「機能・性能を含めて既存のデジタルカメラを凌ぐ出来」とを表現。最後は「GR DIGITALはまじめなリコーが精魂こめて作り上げた製品。わが子を自慢するようで恐縮だが、わが社の自信作として市場投入する」と自画自賛して、自信作の投入を報道関係者に強くアピールした。



苦心したのはレンズの開発

今回発表されたGR DIGITALは、25mmと薄型の本体に広角28mm相当(35mmフィルム換算)の単焦点レンズを搭載する。マグネシウム合金製の本体は幅107×奥行き25×高さ58mmで、銀塩のGRシリーズより一回り小さなサイズとなった。本体のみの重量は170gで、バッテリーとストラップを装着すると約200g。革シボを思わせる表面加工が施されている。

GR1sとの比較
GRシリーズの中の1モデル『GR1s』との比較

撮像素子は1/1.8インチ有効813万画素の原色CCD。背面の液晶パネルは2.5インチ(約21万画素)で、透過型の低温ポリシリコンTFTタイプとなる。本体上部にはストロボ取り付け部分(ホットシュー)があり、シグマ(株)のストロボを接続することでTTL撮影にも対応する。光学ファインダーは装備していないが、別売の“外部ファインダー”『GV-1』(価格2万3100円)を用意し、ホットシューにを装着できる。

背面 外部ファインダー
背面(左)と外部ファインダーを付け斜め上から見たところ(右)

電源は専用リチウムイオン充電池(DB-60)とACアダプターのほか、入手しやすい単4形の電池2本にも対応する(3電源方式)。アルカリ/オキシライド乾電池/ニッケル水素充電池×2本を使用する。バッテリー寿命はDB-60使用時で約250枚、アルカリ乾電池使用時で約30枚(ともにCIPA測定基準)。

MTF値
MTF値。上がGR DIGITAL、下がGR1。GR1の結果には及ばないが、撮像素子のサイズが小さく条件の厳しいデジタルカメラとしてはかなり良好な結果が得られている

GR DIGITALの特徴を解説した湯浅氏は、製品開発で最も注力したポイントとして“レンズ”を挙げた。湯浅氏はレンズ開発に必要な要件として「解像度の高さ」(高いMTF値の実現)、「レンズ自体が明るいこと」(開放F値が高い)、「周辺部分のゆがみや光量低下が少ないこと」などを挙げ、これらの条件を満たしつつGRにふさわしい薄型のレンズを開発する必要があったと説明した。

特に等間隔に並んだ実線を撮影し、レンズの解像度やコントラストを計測する“MTF”(Modulation Transfer Function)のテストでは、1mmで50本の間隔(50本/mm)で、レンズ周辺部分までほぼ80%以上のMTF値をキープできるなど、優秀な結果が得られたという。150本/mmのグラフでは、中央からの距離が“1.4~3.8mmの範囲”で若干グラフが落ちこんでいるが、これはレンズ構成上、周辺部分とトレードオフとなる部分であり、画質にはそれほど影響が出ないと判断。周辺部の画質をより重視する結論としたという。

GR DIGITALのレンズは5群6枚構造で、うち2枚はガラスモールドの非球面レンズ、1枚が特殊低分散レンズ。被写体側に凹レンズ、CCD側に凸レンズを配置する“レトロフォーカス”(逆望遠レンズ)タイプで、本体の薄型化を図るために“リトラクト”構造を採用している。これは沈胴式のレンズを収納する際に、レンズの一部(フォーカス調整に利用する第3群のレンズ)を横に逃がし、収納サイズをより薄くするもの。レンズの焦点距離は5.9mm(35mmフィルム換算28mm相当)で、開放F値は2.4。レンズのボケ味をよくするために7枚構成の絞り羽根やNDフィルターも採用した。



周辺部の歪み 周辺部の光量低下
周辺部の歪みや光量低下に関するテストも優秀
レンズ構造 球面収差
5群6枚構造で、リトラクト構造を採用し、薄型化を実現した(写真左)。球面収差に関しては、ボヤけても点像にちかいボケ味の美しさを強調したいという(写真右)

操作体系は十字キーに加え、“ADJUST”ダイヤルを2系統(背面上部とレリーズボタンの前側)装備し、絞りやシャッター速度の設定に利用できる(ツインダイヤル方式)。また、デジタルズーム用のシーソースイッチも別の機能に割り当てることができる。拡張性にも配慮し、焦点距離が広角21mm相当になる“ワイドコンバージョンレンズ”『GW-1』(価格1万5750円)や“フード&アダプター”『GH-1』(価格5250円)などを用意。これらに付属するアダプターリングを利用することで、37mm径の各種フィルターも利用できる。

静止画の出力サイズは最大3264×2448ドットで、JPEGとRAW形式での記録が可能。光学式手ぶれ補正機能は装備しないが、ISO1600相当の高感度撮影(RAWモードはISO800まで)に対応する。記録メディアは内蔵の26MBメモリーまたは別売のSDメモリーカード/MMC。パソコンとの接続はUSB 2.0経由で行なう。

CCDの選択 ノイズ補正
1/1.8インチクラスのCCDはどのメーカーのものでもAPSサイズのCCDに劣らないノイズの低さであるというノイズリダクションなど、画像処理に関してもリコーのノウハウを投入した


長く使ってもらうためにサービスを重視
──将来的にはCCDアップグレードにも対応か

中古市場では、新品箱入りの状態で発売時の定価を上回る価格で取り引きされることもあるという“GRシリーズ”だが、リコーではGR DIGITALをより長く使ってもらうために、アフターサービスを重視していくという。

発売時に提供されるサービスとしては、シャッターボタンの重さを微調整してくれる“レリーズボタンアジャストサービス”(3150円)、2台以上のGR DIGITALを持っているユーザーに対し、露出やホワイトバランスの個体差を最小に調整してくれる“AE/AWBアジャストサービス”(4200円)、レンズ先端の焦点距離表記を標準の白から黒に変更する“レンズネームリング交換サービス”(2100円)などがある。これらは東京・銀座にあるリコーの“銀座サービスセンター”に実機を持ち込むことで対応してもらえるという。

発表会終了後、筆者の質問に対して湯浅氏は「例えば標準の800万画素を1000万画素に交換するサービスが可能かどうかも議論している」とコメントした。技術的には可能だが、ユーザーにメリットのある金額設定ができるかどうかが課題であるという。また、GR DIGITALの商品サイクルはどのぐらいになるかという質問に対して湯浅氏は「難しい質問」としたが、「2~3年は同じタイプのカメラで販売させてもらいたい。長く使えるカメラというGRのスタンスは変わらない」とコメントした。

試作機 試作機の背面
2002年ごろデザイナーから提案があったというGR DIGITALのモックアップ。両手で持って使うことを想定。Caplio R3シリーズのイメージもある側面にはレリーズ用の穴や直差しできるカードスロットなどが見える。厚いアクリルパネルやモノクロ液晶を使用するなど、なかなか味があるデザイン
ラフ 投影図
デザインスケッチ、本体カラーにはシルバーを採用する案もあったようだ


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