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【詳報】iPod nano発表会レポート──「ポケットの1000曲がすべてを変えた。さあもう一度」

2005年09月08日 22時14分更新

文● 編集部 小林久

米アップルコンピュータ社は7日(現地時間)、米国でプレスイベントを開催し、米モトローラ社が開発したiTunes対応携帯電話機『ROKR』(ロッカー)や『iPod nano』(アイポッド ナノ)など、新製品を発表した。(速報記事)

招待状
上映会の招待状

ここではその発表会の概要をお届けする。なお発表会のレポートのうち米アップルコンピュータのCEOスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が行なったプレゼンテーションの内容は、日本法人のアップルコンピュータ(株)が本日都内で開催したビデオ上映会に基づいている。

1000曲は何かが起こる兆し

まず本題に入る前の前置きとして、アップルコンピュータから8月30日に届いた“招待状”に触れておく。すでにASCII24で記事にしているように、招待状には「1000 songs in your pocket changed everything. Here we go again」(ポケットの1000曲がすべてを変えた。さあもう一度)という文章が踊っていた。

今回のキャッチフレーズ
今回のキャッチフレーズは“ポケットの1000曲がすべてを変えた。さあもう一度”

アップルでは、(製品によって上下するが)1曲をビットレート128kbpsで4~5分程度として計算しており、1000曲の場合4~5GBの容量を持つiPodの登場を示唆する。これまで1000曲が持ち運べるiPodは、2001年10月に発表された初代『iPod』(容量5GB)や、2004年1月に発表され、現在のiPodブームの起爆剤となった『iPod mini』(容量4GB)があった。1000曲という数字は、iPodに取って“転換”を意味する象徴的な数字なのかもしれない。

この意味深なキャッチフレーズはさまざまな憶測を生んだ。ストレートに考えると“iPod miniの新モデル”が出そうだが、iPod関連の噂は絶えない。“動画対応のiPod”“液晶付きiPod Shuffle”などのほか、2004年7月に今年上半期とアナウンスされた米モトローラとの提携で発表された“iTunes対応携帯電話機”も有力候補として挙げられていた(国内で前日に行なわれた某製品の発表会で、ある媒体の記者が自信気に明日『iTunes対応の携帯電話機が発表されるわけですが、貴社は……?』という質問もしていたと聞く)。中には、新デザインのiPodをリアルなCGで表現したものもあり、アップルファンの“濃さ”を実感させられた。

この正解が今回の発表会で明かされた。

広がるiTMSライブラリー、Podcastは毎週1000本ずつ増加

いつものように黒いTシャツとジーンズでプレスイベントに現われたジョブズ氏は、これまたいつものようにいくつかの数字で同社の現状を示した。

ジョブズ
スティーブ・ジョブズ氏

今回はiTunes Music Storeに関して。示された数字は、内容的には8月の“iTunes Music Store 日本語版”と一部重複するが、主要なところを挙げると「iTMSのダウンロード数は5億曲」「毎日180万曲が販売されている」「米国の音楽配信サイトのシェアとしては82%、世界では85%」「Podcastのユーザー数は700万、コンテンツ数は1万5000点、週に1000ずつ増えていて、エストニア、フィンランド、タイのコンテンツもある」──といったところだった。

Podcastに参加している
Podcastに参加している団体の例、政治利用も進んでいる

目新しい数字としては「1000万アカウント」というiTunesにクレジットカードを登録したアカウント数が初めて公開されたことが挙げられる。ジョブズ氏は「販売された曲数をアカウント数で割ると1アカウントあたり60曲を購入してもらっていることになる」と述べるとともに「この大半が昨年1年間に販売された」と報告。「iTunes Music Storeの規模は、Amazonについで2番目かもしれない」とした。

iTunes Music Storeの独占コンテンツとしてJ.K. ローリング(J.K. Rowling)著の人気ファンタジー小説“ハリー・ポッター”シリーズ全6冊がオーディオブックとして提供されることが紹介された。これらは1クリックで6冊同時に購入できるほか、魔法学校の刻印入りの“ハリーポッター版iPod”の販売も行なわれる(国内販売はなし)。

オーディオブック オリジナルiPod
ハリー・ポッターのオーディオブック(英語のみ)と魔法学校の刻印入りiPod

また、新アーチストに関しては、いままで曲単位でのオンライン配信を拒否してきたマドンナがついにこれまでリリースした15枚のアルバムすべてをiTMSで販売すると紹介。これらは1曲単位でのダウンロードも可能。マドンナはビデオチャットソフトの『iChat』でロンドンから米国サンフランシスコのイベント会場にアクセスした。

マドンナとビデオチャット
マドンナとビデオチャットするジョブズ氏

マドンナは「できるだけ長く抵抗してきたが、自分の曲をダウンロードできないことに正直ウンザリしたの」とコメント。「新アルバムの名前は何だっけ?」と問いかけるジョブズに関しては「折れた腕の復讐(笑)」(マドンナは8月16日の誕生日に落馬して骨折した)と軽くジョークを飛ばしたあと「『Confessions On The Dancefloor』”よ、最近ダンスに凝ってるの」などと話した。

個別の楽曲の配信を拒んできたマドンナだが、ジョブズ氏の「iPod持ってるの?」という質問には「ええ、もちろん」と答え、「ほとんど持ってるかも。お願いだから、新しい製品出さないでくれる?」と言った。そのコメントにジョブズ氏は「本日も新製品の発表があるけど、ガッカリさせちゃうかも」と付け加えた。

iTunes 5も登場、憶測のひとつは真実だった。

検索の改良
サーチ機能に新たに追加された絞り込み機能。ツールバー上の文字をクリックするとそのジャンルのコンテンツだけがヒットする

次にジョブズ氏が触れたのは「iTunes 5」に関して。プレイリストをフォルダー単位で管理する機能が追加され、複数のプレイリストをまとめて再生したり、プレイリストをまたぐシャッフルができるようになったことや、サーチ機能にジャンル別の絞り込みが付いて目的のコンテンツが見つけやすくなった点などを紹介した。

ジョブズ氏は“Harry Potter”、自分の好きなアーチストである“Duran”(ボブ・デュラン)を検索キーワードにした検索など、新機能のいくつかを実演してみせた。



いTunes Phone
今回の目玉のひとつである“iTunes Phone”。GSM方式でカメラ機能も内蔵している

ここで、発表会の目玉になる製品のひとつが紹介された。それは、米モトローラが開発したiTunes対応のGSM携帯電話機『ROKR』(国内販売は未定)である。ジョブズ氏はロッカーを“iTunes Phone”と呼び、専用ボタンでカンタンにパソコンのライブラリーと同期できる点、音楽再生中に着信があっても通話終了後には、いままで聴いていた音楽の途中から再生できるレジューム機能などに関して紹介した。ジョブズ氏はROKRを「携帯電話機におけるiPod Shuffle」と表現し、Shuffleが持つ“オートフィル”機能(メモリ容量に合わせて自動的に曲を選び転送する機能)なども利用できると説明。「ROKRはShuffleの120曲に対して、100曲の転送が可能」「最も大きな違いは液晶が付いている点」などとコメントした。

続いて壇上には米モトローラ・モバイル・サービシズ(Motorola Mobile Services)社プレジデントのロン・ガリック(Ron Garriques)氏、通信キャリアの米シンギュラー・ワイヤレス(Cingular Wireless)社COOのラルフ・デ・ラ・ベガ(Ralph de la Vega)氏が登場。



モトローラのプレジデント、ロン・ガリック氏 シンギュラーのCOO、ラルフ・デ・ラ・ベガ氏
モトローラのプレジデント、ロン・ガリック氏シンギュラーのCOO、ラルフ・デ・ラ・ベガ氏

ガリック氏は「モトローラは、カーラジオを世界で初めて手がけた企業で、“Motorola”というブランドもMotocer(自動車)とVictola(蓄音機メーカーの名前)を組み合わせたもの」「世界の音楽を刷新した企業」などとコメントし、音楽にかかわれることを非常に喜ばしく思うと発言。「携帯電話は毎年7億台出荷されており、世界各地で10億人の利用者がいると言われる」「携帯電話機の音楽には期待している」などと述べた。

デ・ラ・ベガ氏はROKRによって「エンターテインメントとコンピューターと通信が融合する」と述べるとともに「一番気になるバッテリーだが、飛行機でサンフランシスコにやってくるまで音楽を聴き続け、その後2~3回電話で話したが特に問題なかった」と話した。

なお、8月4日にiTunes Music Store日本語版がオープンした際に、記者は米アップルのNo.2フィル・シラー(Philip Shiller)氏にインタビューする機会を得たが、その際にシラー氏は「携帯電話向けの音楽配信サービスを利用して、数曲を持ち運ぶのはそれはそれで楽しいが、パソコン上に音楽ライブラリーを作る楽しさにはかなわない」といった趣旨の発言をしていた。音楽が聴ける携帯電話機は日本ではある意味ポピュラーで、目新しさを感じないが、“パソコンとシンクロする”という部分を前面に押し出したROKRは、日本の携帯電話機とは若干趣の異なったデバイスである。

いよいよiPodの話題へ

ROKRの紹介後、話題はiPodへと移った。ジョブズ氏は車載用のiPodアクセサリーが増えている点も紹介。“HONDA”や“フォルクス・ワーゲン”などの自動車ブランドが新たにiPodを採用し、「2006年に米国で出荷される自動車の30%はiPod対応となるだろう」と述べた。ジョブズ氏は「iPodの累計台数が2200万台を超えたこと」「前四半期の比較ではPSPの200万台に対して600万台を出荷したこと」に言及。

売り上げ推移 サポートするブランド
iPodの売り上げ推移iPodをサポートする自動車ブランドのロゴ

そして、「iPod miniは世界で最も人気のある製品だが、今回はかなり大胆な発表をしたいと思う」と、本日のメインテーマに話を移した。

ジョブズ氏
コインポケットに手を伸ばすジョブズ氏

画面にはジョブズ氏の右ポケットが大きく映される。「これはiPodを入れるためのポケット、ではこっちの小さいほうのポケットは何のためのポケットか?」と、ジーンズの右ポケットの内側にあるさらに小さな“コインポケット”を指差した。そしてそこからジョブズ氏が取り出したのは、驚異的な薄さでカラー液晶を搭載した新製品『iPod nano』だった。



iPod nano
iPod nano

ジョブズ氏は「今までで最もあっと思わせる製品だ。鉛筆程度の薄さしかない」とiPod nanoを紹介。そして、初代iPod、iPod mini、“iRiver”“Zen”“ネットワークウォークマン”……など各社のプレーヤーと次々と大きさを比較。各社のHDD搭載プレーヤー(中にはソニー(株)の『NW-HD5』など容量がまったく違うものも含まれていた)のうち、どのプレーヤーに対しても3割程度の厚さしかない点を強調した。

さらに音楽だけではなく、静止画の表示や世界時計、ゲーム(ブロック崩し)、ストップウォッチ、スクリーンロック(金庫のダイアル錠のようなUI、ちなみに番号を忘れた場合はパソコンに差すとロックが解除されるという)機能、ホワイトとブラックの2色のカラーバリエーションがあり、4種類のオプション品の提供が計画されている点などを次々と紹介した。

再生画面 写真表示 世界時計
音楽を再生しているところ静止画を一覧表示しているところ世界時計機能
カレンダー ストップウォッチ Screen Lock
カレンダーストップウォッチScreen Lock

iPod関連の発表会では恒例となったミニライブにはiTunesで現在売り上げ1位というカニエ・ウェスト(Kanye West)が登場。2曲を披露した。

カニエ・ウェスト
カニエ・ウェスト

国内市場での勝算は? iPod担当バイスプレジデントのコメントから

さて、1000曲をポケットに入れて持ち運ぶ新しいiPodの正体はフラッシュメモリーを搭載し、6.9mmの薄さを実現した『iPod nano』だった。

ジョズィアック氏
米アップルコンピュータのiPod担当バイスプレジデント、グレッグ・ジョズィアック

本日東京で行なわれたビデオ上映会(とそのあとに行なわれたハンズ・オン・イベント)に参加した報道関係者の感想や銀座の“Apple Store,Ginza”に訪れた一般客の反応も上々だった。アップルの関係者の自信も相当なもののようで、東京の上映会場に登場した米アップルコンピュータのワールドワイド・プロダクトマーケティングiPod担当バイスプレジデント、グレッグ・ジョズィアック(Greg Joswiak)氏は「iTunes Music Storeの日本オープン後、100万曲のダウンロードを4日で達成。BCNの調査ではシェアも2位のソニーの15%に対して40%に増加した」「今後もiPodは成長し続けられると思う」とコメントした。

また、同氏は「携帯音楽プレーヤーの市場はHDDプレーヤーから今後は、日本だけでなく全世界でフラッシュがポピュラーになる」と見解を述べた。



前刀氏 miniとnano
アップルコンピュータ代表取締役兼米アップルコンピュータマーケティング担当バイスプレジデントの前刀禎明氏も登場miniからnanoへ、iPodは進化した

なお、iPod nanoならびにiTunes 5の機能詳細に関しては、別記事でレポートしているので、ぜひ参考にして欲しい。

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