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サン・マイクロシステムズ、新年度事業戦略説明会を開催――新年度は“成長への転換”をゴールとして展開

2005年08月25日 19時43分更新

文● 編集部 内田泰仁

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サン・マイクロシステムズ(株)は25日、2006会計年度の事業戦略と今後の展望に関する記者説明会を開催した。会見には、同社代表取締役社長のダン・ミラー(Dan Miller)氏のほか、米サン・マイクロシステムズ社のグローバル セールス オーガニゼーション担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのロバート B.マクリッチ(Robert B.MacRitchie)氏が登壇し、日本およびグローバルの戦略などについて説明を行なった。

米サン・マイクロシステムズ社のグローバル セールス オーガニゼーション担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのロバート B.マクリッチ氏マクリッチ氏が統括するグローバル セールス オーガニゼーションの組織構成。地域/業種/ソリューション/パートナーシップ/販売などから構成される

グローバル戦略について説明したマクリッチ氏は、2005会計年度のサンの取り組みについて、以下の要点を挙げた。

  • より効率的な顧客重視策の実施
  • パートナー企業との関係の強化
  • ソフトウェア製品の追加(Solaris 10など)
  • サービス事業の強化(ファイナンシャル・サービス、ユーティリティー・コンピューティングなど)
  • “低コスト化”に重点を置いた事業展開

また、同氏が統括するセールス部門はグローバルな統合組織となり、“ビジネス”“インフラストラクチャー”“サービス”“ファイナンシャル”の4ソリューション分野について、単一のカスタマー・アカウント・チームが顧客の対応を行なうように組織改変が行なわれている。さらに、世界各地域の市場により密着した15の“Geographically Established Market”を創設し、各市場の顧客にマッチした展開を行なう。組織改変の結果として、1年間で10億ドル(約1100億円)の増収に結びついたとしている。

同社の今後の展開としては、同社の分類で“Tier Two”にあたる中小/中堅企業(Tier Oneは大企業/エンタープライズ事業)に向けた取り組みをさらに強化し、ISVパートナーなどとの連携により、顧客の業種/業界に特化したソリューションを提供していくとしている。また、マクリッチ氏は日本市場について「日本は特別な進化を遂げている市場」と評するとともに、“独特なイノベーション”という同社と共通点を持つ日本を「アジアだけでなく、世界市場にも影響を与える重要な意味を持つ市場」と位置付け、日本の先進的な企業との継続的な連携や、顧客との関係強化に努めていきたいと述べた。

日本法人の代表取締役社長、ダン・ミラー氏日本法人のビジネスモデル体系。Who/Where/What/Howを積み上げた構造

続いて登壇したミラー氏は、日本市場の取り組みについて解説。同氏は冒頭、現在のIT市場について「情報の時代から参加の時代へ」と変革しており、その変革はエンタープライズだけでなく一般社会も広がっているとした。また、このような流れの中で“情報”は独占するものから共有ものへと変化しているといい、同社では、技術の開放(オープン化)、コミュニティーの創出、デジタルデバイドの解消を進展させていくと述べた。

同社は2006会計年度、“6つのインダストリー(業種/業界)”“7つのソリューション”“7つのキーテクノロジー”に基づいた展開を進めていくとしている。各項目の構成要素は以下のとおり。

6つのインダストリー(業種/業界)
テレコム/ブロードバンド/メディア、政府/自治体、製造業、金融サービス業、研究/教育機関、リテール
7つのソリューション
データセンター、データ管理、デスクトップおよびモバイル、エンタープライズ向けウェブサービス、認証管理、管理サービス、OS
7つのキーテクノロジー
64bit x86環境向けシステム、レガシーシステムのマイグレーション、新・クライアントおよびセキュリティー、ストレージ、グリッド・コンピューティング/ユーティリティー・コンピューティング、Sun Java Suite、Solaris 10

さらに同氏は、これらの展開に向けて、Java、Solaris、OEMおよびネットワーク機器ベンダー、サンのデベロッパー・コミュニティーへの投資を重要項目として取り組んでいくという。ミラー氏によると、サンの業績は現在安定状態に入っているといい、2006年度は“成長への転換(Turnaround to Growth)”をゴールに事業を進めていくと述べた。

なお、サンの直近の製品スケジュールとしては、9月に新SPARC(コードネーム“Niagara”)ベースのサーバー製品と、Opteronベースのサーバー製品(コードネーム“Galaxy”)の発表を予定しているという。また、11月8日~10日にはJava開発者向けイベント“Java ONE Tokyo”を東京国際フォーラムで開催する。

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