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ニイウス、平成17年6月期の決算を発表――売上高は横這いも増益を達成

2005年08月09日 21時54分更新

文● 編集部 小西利明

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決算について説明を行なった、ニイウス 代表取締役会長兼社長の末貞郁夫氏
決算について説明を行なった、ニイウス 代表取締役会長兼社長の末貞郁夫氏

ニイウス(株)は9日、東京都内の本社にて平成17年6月期(2004年7月~2005年6月)の決算説明会を開催した。連結決算では前年同期比で売上高は0.1%増と横這いであったが、ソフトウェア部門の利益率向上などにより、経常利益46.4%増、純利益で54.9%の増益を達成した。同社の決算時期は一般的な企業のそれと比べて3ヵ月遅く設定されており、9日の発表が昨年から今年にかけて1年分の決算発表となっている。

ニイウスの年間売上高と経常利益の推移。昨年までは右肩上がりであった売上高が、今年は横這いとなっているのに対し、経常利益は上昇を続けている
ニイウスの年間売上高と経常利益の推移。昨年までは右肩上がりであった売上高が、今年は横這いとなっているのに対し、経常利益は上昇を続けている

まず連結売上高は789億800万円で、対前年比0.1%増とほぼ横這いとなった。一方で経常利益は59億3200万円(対前年比46.4%増)、当期純利益は34億1300万円(対前年比54.9%増)と、大幅に増益を達成している。売上の横這いに対して大幅増益となった理由について同社では、利益率の低いハードウェアなどのビジネスを抑制し、ソフトウェアやASPサービスなどでの利益率改善を図ったためとしている。同社代表取締役会長兼社長の末貞郁夫氏は既存の“ディーラービジネス”からサービスへのシフトを挙げて、「売上を抑えて利益を上げた一年」と総括した。

製品部門別の売上高と利益では、ハードウェアが売上高349億4700万円(構成比44.3%)で、前年比では25.9%のマイナス。総利益に占める構成比は25.8%となっている。ソフトウェア部門は非常に好調で、売上高が238億1200万円(構成比30.2%)で前年比95.3%増、総利益に占める割合も59%と大きく成長した。SEサービスやその他は売上高201億4800万円(構成比25.5%)で前年比3.7%増、利益に占める割合は15.2%となっている。ソフトウェア部門の好調の理由については、医療機関向けのソフトウェアパッケージや、企業向け自己査定システムなどが好調であったとしている。細かい製品分野ごとの構成比では、ハードウェア部門は日本IBM製のメインフレームサーバー“Z Series”や新製品を投入したUNIXサーバー、ストレージシステムの割合が増えている。またソフトウェアもスライドでは“その他”に分類される自社保有のソフトウェア製品が、売上高の半分以上を占めている。

部門別の売上高と総利益の構成比グラフ 部門ごとの売上高における商品別構成比グラフ
部門別の売上高と総利益の構成比グラフ部門ごとの売上高における商品別構成比グラフ

来年度(2005年7月~2006年6月)の事業予測については、売上高930億円(前年比17.9%)、経常利益68億7400万円(前年比15.9%)の増収増益を見込んでいる。ソフトウェア部門が非常に好調だった前年度は、総利益に占めるソフトウェアの割合が「高すぎた」(末貞氏)として、ハードウェアやサービス部門の伸びも回復するとしている。また注力する分野については、IBMとの協力関係で実現したスーパーコンピューター“Blue Gene/L”の企業向け販売や、データセンターなどの自律運用システム、ペタバイト級大容量ストレージ、統合医療情報システム『HAL-I』のウェブ版などを挙げている。また2006年1月1日から純粋持株会社体制へ移行することが発表されているが、末貞氏はグループ全体のCEOとなり、実際のビジネスを執行する各グループ企業COO(最高執行責任者)には、40代前半の人材を起用して、活力のある経営を維持するとしている。

ニイウスが今後注力する4分野。国内独占販売のスーパーコンピューターなど、IBMとの緊密な協力関係を生かした案件が目を引く
ニイウスが今後注力する4分野。国内独占販売のスーパーコンピューターなど、IBMとの緊密な協力関係を生かした案件が目を引く

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