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FSB533対応Pentium Mマザーボード特集 Part.2

FSB533対応Pentium Mマザーボード特集 Part.2

2005年08月09日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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FSB533対応Pentium Mマザーボード特集 Part.2

これまで紹介してきたFSB533MHz対応Pentium Mマザーボードの性能と消費電力をベンチマークテストで検証してみよう。テスト環境は別掲したとおりだが、CPUにはFSB533MHz対応のPentium M 760(2GHz)を利用した。今回はビデオカードやHDDのインターフェイスが異なるボードが混在しているが、基本的にはインターフェイス以外はほぼ同じ仕様のパーツを揃えている。なお、P4GD1のみ、CPUにPentium 4-2.8EGHz(mPGA478/Prescottコア)を使った結果も掲載している。

855GME/852GMEはメモリで苦戦
CT-479対応製品は優秀

●Sandra 2005 SR1

Sandra 2005 SR1
メモリ性能の比較。FSB800のPentium 4が抜けていいのは当然だが、FSB533のPentium Mの中ではCT-479を利用したASUSTeK製品の結果が良い。DDR333のシングルチャネルしか使えない2枚はFSB533は成績が良くない。

 まずはSandra 2005のテスト結果から見てみよう。FSB533MHz(帯域4.26GB/秒)のPentium Mの性能をフルに発揮するためには、メモリも4.26GB/秒以上の帯域があることが望ましいが、DDR333のシングルチャネル(帯域2.7GB/秒)しかサポートしない2枚のマザーでは明らかにメモリがボトルネックとなって転送速度が見劣っている。逆に帯域5.4GB/秒のDDR333デュアルと同8.53GB/秒のDDR2-533デュアルの差はなく、こちらは逆にFSBがボトルネックとなってDDR2のメリットが表に出ていないと思われる。

 DDR333デュアルのほうがむしろ速いのは、実測のCPUクロックがAOpen製品は若干定格より低く、逆にASUSTeKは若干高かったことも影響している。両者では30~40MHz程度の差があった。ASUSのほうが優秀だと判断するのは早計だが、変換アダプタ経由ながらレイテンシなどのオーバーヘッドなどがまったく感じられない点で、CT-479が優秀だとはいえる。

●PCMark04 1.3.0

PCMark04 1.3.0
実際のアプリケーションの動作をシミュレートすることでシステムの総合性能を見るテスト。全体でみると大きな差ではないが、やはりメモリ性能を反映してi855GMEm-LFSと852GME-MGFはスコアを落としている。

 PCMark04は実際のアプリケーションの動作をシミュレートすることでシステムの総合性能を見るテストだが、やはり855GME/852GMEを搭載した2枚は、メモリ性能を反映して全体的にも若干見劣っている。その他のマザーは誤差の範囲内といえ、ほぼ横並びと見ていいだろう。Pentium 4が大きく伸びているのはメモリ性能と、CPUのテストに含まれるエンコードでスコアを稼いでいるためだ。

●WinBench 99/DiskTransferRate

WinBench 99/DiskTransferRate
オンボードのRAIDコントローラを利用して、RAID 0ボリュームを作成し、その転送速度を比較している。PCIバス接続のコントローラが一段階劣っているが、iTE8212はコントローラ自体の性能にも問題がありそうだ。

 WinBench99では、オンボードのRAIDコントローラでRAID 0ボリュームを作成し、その転送速度を計測している。RAID用のHDDには、シリアルATAの場合は日立GSTのDeskstar 7K80を2台、Ultra ATA用にはDeskstar 7K250を2台使っている。これはRAID 0の性能を発揮できるI/Oバス帯域が十分あるかどうかということを見るためのテスト。Deskstar 7K80/Deskstar 7K250ともに単体の転送速度は61MB/秒前後で、理論的には122MB/秒前後の数字が出るのが理想的といえる。結果を見ると、PCI Express接続とサウスブリッジ直結のコントローラはほぼ理想値に近いスコアを出しているのに対し、PCI接続のコントローラでは若干のボトルネックが発生している。P4GD1のスコアが大幅に見劣るが、これはバス帯域の差というよりも、iTE8212自体の処理能力が低いのだと思われる。

●RAIDボリュームへのファイルコピー

RAIDボリュームへのファイルコピー
ネットワーク経由(1000BASE-T対応)でRAID 0ボリュームに2.35GBのファイルをコピーするのにかかった時間。ギガビットLAN、RAIDコントローラともにPCI Express x1接続のi915GMm-HFSがもっとも優秀だ。

 その次のテストは、ネットワーク経由でそのRAIDボリュームへ2.35GBのファイルをコピーするのにかかった時間を計測したものだ。もっとも優秀なのはギガビットLANコントローラ、RAIDともにPCI Express接続のi915GMm-HFS。どちらかがPCI接続のものは時間がかかっており、特にP4C800-E Deluxeは妙に遅くなってしまってしまっている。このマザーはサウスブリッジ(ICH5R)標準でもRAIDをサポートしており、こちらを使った場合は71秒と高速だったので、やはりPCI接続のRAIDがボトルネックとなっているのだろう。このテストはRAIDの帯域とネットワークの帯域を同時に使用するためバス帯域の要求条件が厳しい。PCI Expressのメリットを浮き立たせるためのテストといえばそうなのだが、サーバなどで利用するならごく当たり前の環境でもある。RAID 0を利用するならPCI接続のRAIDコントローラは避けたい。

●DOOM3 1.1/大航海時代Online

DOOM3 1.1
製品版に付属するtimedemo(demo1)でフレームレートを比較している。メモリ性能を反映し、i855GMEm-LFS Ver.2と852GME-MGFではスコアが低下している。ビデオカードのインターフェイスによる差は特に見られない。
大航海時代Online
グラフィックは最高設定(※のボードは波のみ「リアル」)傾向はDOOM3と似ており、特にi855GMEm-LFSで見劣りが目立つ。チップセット内蔵ビデオコアの中では915GM内蔵GMA900がトップで、エフェクトを制限すればなんとか実用レベルといったところ。

 DOOM3、大航海時代Onlineは3Dゲーム性能の比較テスト。やはりメモリ性能で劣るi855GMEm-LFS Ver.2と852GME-MGF、特に前者は見劣りが目立つ。ほかは特に傾向などはみられず、AGP 8XとPCI Express x16での差も特に見られない。どちらのテストでもPentium 4 2.8EGHzを問題にしていない点にも注目したい。なお、大航海時代ではチップセット内蔵ビデオコアの性能も計測してみた。グラフィック設定は「最高」に設定しているが、855GMEや852GME、865Gが内蔵するExtreme Graphics2では波のエフェクトが一段下の「リアル」にしか設定できないため、その設定で計測している。それでも915GM内蔵コア(GMA900)のほうがスコアは高い。さすがにGeForce 6600GTとは大きな差がついているものの、GMA900ならエフェクトを制限すれば遊べるレベルにはあるといえる。

テスト環境

CPU
Pentium M 760(2GHz)
メモリ
PC2-4300 DIMM×2(512MB/4-4-4-12)
PC3200 DIMM×2(512MB/3-3-3-8)
PC2700 DIMM×2(512MB/2.5-2-2-7)
ビデオカード
ASUSTeK Extreme N6600GT/TD(PCI Express x16)
ASUS N6600GT/TD(AGP)
HDD
Seagate 7200.7(ST3160827AS:シリアルATA)
Seagate 7200.7(ST3160021A:Ultra ATA/100)
光ドライブ
HL-DT-ST GSA-4163B
電源
ENERMAX EG-701AX-VE(700W)
OS
Windows XP Professional JPN(SP2)

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