物販サイト“Amazon.co.jp”を運営するアマゾン ジャパン(株)は21日、東京・渋谷の渋谷クロスタワーにある同社会議室にプレス関係者を集め、携帯サイト向けの購入誘導報酬サービス“Amazonモバイル アソシエイト・プログラム”を本格的に開始したと発表した。
Amazonモバイル アソシエイト・プログラムについて説明したシニアマーケティングマネージャーの竹村詠美氏(左)と、デモを交えて詳細説明を行なったAmazonモバイル プロダクトマネージャーの平山景子氏 |
同社の携帯電話向けサービスとしては、2004年11月にリニューアルした“Amazonモバイル”“Amazonスキャンサーチ”に次ぐものだが、携帯電話向けのアソシエイト・プログラムは海外でも例がなく日本が初の試みとなる。シニアマーケティングマネージャーの竹村詠美氏は、この理由について、「(日本で)ユーザーやパートナーからモバイルでのアソシエイト・プログラムはないのか、という問い合わせが増えていた。また、モバイル単体サイトを運営しているeコマースサイトが、そのプラットフォームで参加したいという声もあった」ため、と語った。
実数は明らかにされなかったが、Amazonモバイル経由での売上は、昨年11月のリニューアル以降着実に増えており、6月には前年同月比約4倍の高い成長を示したという | 同じくAmazonアソシエイト・プログラムの契約件数の推移。2003年から2004年で2.5倍に増え、全世界で100万サイト以上が登録されている | |
4種類の携帯向けリンクタイプを用意 | 4種類のリンクを例示したところ |
アソシエイト・プログラムに参加しているユーザーは、商品検索やURL発行の専用サイト“アソシエイト・セントラル”にモバイル用メニューが追加されており、そこから携帯サイト向けの
- 個別商品リンク
- テキストリンク
- バナーリンク
- サーチボックスリンク
が入手可能になっている。ただし、アソシエイト・プログラムの契約条項にもあるとおり、リンクを掲載するサイトを新たに増やす場合はアマゾン ジャパンによる審査が必要で、携帯サイトについても同様の手順を踏むことになる。審査の内容については、「暴力や差別を助長するもの、アダルト向けの内容を含むものについては、パソコン向けサイトでもお断りしている。同様の審査基準を考えている」(竹村氏)としている。
携帯サイト向けコンテンツとの連携の例 | QRコードとカメラ付き携帯電話を使った紙媒体との連携 |
すでにアソシエイト・プログラムに参加し、アソシエイトIDを持っている場合は、上記のサイト審査のみでリンク掲載が可能となるが、トラッキングID(例えばパソコンと携帯サイトで同じ製品を紹介している場合に、どちらのサイトで購入したかを調べるために必要)を携帯サイトとパソコン用サイトで分けて管理したい場合は、別途申請が必要となる。
いずれの場合にも、アソシエイトIDが共通であれば、パソコン向けと携帯サイトの双方において、アマゾン ジャパンから製品発送された時点での実績が合算される。そのため、既存のアソシエイトメンバーは携帯サイトについても現在の報酬率からスタートすることができ、携帯サイトによる購入誘導機会の増加によって報酬率の向上(実績が上がるほど報酬率が高まる)が期待できるとしてる。
今年2月から運用開始しているという、“ヤマハ☆メロっちゃ!”サイトの例 | 着信メロディーをダウンロードすると、その曲が収録されたCD/DVDの購入情報も確認できるという |
同時に発表されたQRコードによる購入誘導は、携帯サイト向けに発行されるURLを市販/フリーソフトなどのQRコード変換プログラムを用いて、雑誌やチラシ、広告などに印刷して、デジタルカメラ付き携帯電話のQRコード読取機能で誘導を図るというもの。携帯サイトを持たない場合でも、Amazon.co.jpの特定商品やカテゴリーサイトに誘導を図って、購入・商品発送されればアソシエイト・プログラムの対象となる。なお、ウェブサイト(パソコン用、携帯用)を持たない場合には、QRコードを印刷する媒体やちらし(配布地域や対象)などを審査する、とのこと。
“R25式モバイル”では、検索機能を使って製品を絞り込んでの購入誘導を図っているという | 雑誌の表紙や広告にQRコードを印刷して、関連製品や雑誌そのものの購入ページに誘導する手法も実施している |
この携帯電話向けアソシエイト・プログラムは、一部法人サイトでは今年2月から実施しており、すでに10数社でスタートしている。今回アソシエイトメンバー全般を対象に本格運用することで、携帯電話ユーザーによる購入機会の増加に期待するとともに、着信メロディーや携帯電話用ミニゲームなどから関連するCD/DVDやゲームソフト、書籍などが購入しやすくなり、ユーザーの利便性が向上するとの期待感を示した。
Amazon.co.jpのアソシエイト・セントラルの画面。左サイドのリンク作成メニューに、本日新たに“モバイル用リンクの作成”メニューが追加された |