このページの本文へ

フジワーク、H.264/AVC形式での録画が可能なビデオレコーダー『PvrAlex』を発表――メモリースティックDuoに直接録画してPSPで映像を楽しめる

2005年07月20日 18時56分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
『PvrAlex』と付属品。HDDや光ドライブは備えないため、HDD/DVDビデオレコーダーと比べると大きさはかなり小さい 『PverAlex』。前面にはメモリースティックDuo用のスロット程度と、シンプルなデザインをしている
『PvrAlex』と付属品。HDDや光ドライブは備えないため、HDD/DVDビデオレコーダーと比べると大きさはかなり小さい『PverAlex』。前面にはメモリースティックDuo用のスロット程度と、シンプルなデザインをしている

(株)フジワークは20日、H.264/AVC形式でTV録画が可能なビデオレコーダー『PvrAlex』(ピーブイアール アレックス)を発表した。記録媒体にはメモリースティックDuoや外付けのUSB HDDを使用し、メモリースティックDuoに録画した映像は、携帯型ゲーム機『プレイステーション・ポータブル』(PSP)でも再生できる。価格はオープンプライス。発売予定時期は今夏。同社は業務用の計測機器の製造販売や家庭用ゲーム機向け周辺機器販売などを手がけているが、新たに高品位の映像/音響機器ブランド“Sophialex”(ソフィアレックス)を設立。今回のPvrAlexを同ブランドの第1弾として投入する。

H.264/AVCはMPEG-2をしのぐ高圧縮率を誇る新世代のビデオフォーマットである。同社ではMPEG-2の2倍以上、MPEG-4の1.5倍以上の圧縮が可能としており、小容量でも高画質を実現するものと期待されている。その代わり映像のエンコード/デコードには非常に高速な演算能力が必要で、たとえばH.264/AVCの再生に対応するソフトウェアDVDデコーダー『WinDVD 7』の場合、H.264ファイル再生時の推奨CPUはPentium 4-3.6GHz以上と、非常に高いCPU性能が必要となっている。PSPは専用のデコーダーユニットを搭載することで、携帯ゲーム機ながらH.264/AVCの再生を可能としている。

2MbpsのMPEG-2映像(左)と、PvrAlexで録画した1.8MbpsのH.264映像(右)の比較。低ビットレートのMPEG-2は細部が潰れてブロックノイズも目立つが、H.264では鮮明な画質を実現している

PvrAlexは本体にアナログTVチューナーと、H.264/AVCのエンコード/デコードに対応したカスタムLSI(600MHz動作)を搭載する。これにより、TV放送やビデオ入力端子類からの映像ソースをリアルタイムでH.264/AVCにエンコードし、記録することが可能となっている。記録媒体にはメモリースティックDuo(およびPRO Duo)か、外付けの専用USB HDDを利用する。本体側にはHDDなどは搭載しない、異色の製品でもある。同社ではソニー(株)より“メモリースティック ビデオフォーマット”(MSVF)のライセンスを取得しており、MSVFに準拠したファイル形式での記録を行なう。そのためMSVFに対応したPSPや携帯ゲーム機、PDA、携帯電話機などで再生できる。録画解像度はSDTV(720×480)またはQVGAとなっている。ビットレートは最大で3Mbps。同社ではアナログTV放送ならば、3MbpsあればDVDを超えられる画質になるとしている。再生可能なビデオフォーマットとしてはH.264/AVCのほかに、MSVFに準拠したMPEG-4/MP4なども再生可能としている。

PvrAlexのカスタムLSI周辺の基板写真
PvrAlexのカスタムLSI周辺の基板写真

一方でUSB(2.0)接続のHDDについては、互換性確保のために専用外付けHDDをリリースする予定(価格等は未定)であるが、パソコン用周辺機器ベンダーが販売している外付けHDDについても、将来は動作検証を行なうことに前向きであることが示された。電子番組表(EPG)の機能は本体側には備えないが、USB 2.0経由でパソコンと接続し、パソコン側でインターネット経由で取得したEPGデータをPvrAlexに転送することが可能になる模様だ。どのようなソフトウェアを使用するのか、またEPGの元データにはどのようなものを利用するのかについては、明言されなかった。

本体内にアナログTVチューナーを内蔵するほか、本体背面には映像入力用としてD1入力端子、Sビデオ入力端子、コンポジットビデオ入力端子などを備えている。映像出力もD1、Sビデオ、コンポジットビデオをそれぞれ1系統ずつ備える。TVチューナーには3次元Y/C分離回路や3次元ゴーストリダクション、白ピーク補正・黒伸張機能など、画質補正機能が搭載されている。また録画用メディアとして、256MBのメモリースティックDuoが1枚付属する。また赤外線リモコンも付属する。

PvrAlexの前面(上)と背面(下)。コネクタ類は背面に集中している。映像入力はVHF/UHFアンテナのほか、D1端子、Sビデオ、コンポジットビデオを用意
PvrAlexの前面(上)と背面(下)。コネクタ類は背面に集中している。映像入力はVHF/UHFアンテナのほか、D1端子、Sビデオ、コンポジットビデオを用意

PvrAlexの価格はオープンプライスであるが、実売価格については“低価格帯のHDD/DVDビデオレコーダー並み”とのこと。大手量販店での低価格帯の製品は、おおむね4~5万円台というところなので、PvrAlexもこれくらいの価格で販売されることになりそうだ。

なおPvrAlexで録画できるのはアナログTV放送もしくはコピー防止されていないアナログビデオ映像のみで、デジタルハイビジョンTV放送の録画機能はない。デジタル放送への対応については、2006年頃にMPEG-TSのソースをH.264で録画可能な製品の開発を行なうとしている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン