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SAPとIDSシェアー、“ビジネスプロセスマネジメント”の提供における協業の強化を発表

2005年07月04日 19時33分更新

文● 編集部 内田泰仁

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SAPジャパン(株)とIDSシェアー・ジャパン(株)は4日、協業関係を強化し、包括的な“ビジネス・プロセス・マネジメント”(BPM)ソリューションを日本国内向けに共同で提供していくと発表した。両社の本社である独SAP社と独IDSシェアー社は2003年に提携を発表しているが、今回の発表はより具体的なソリューション提供と製品展開を明らかにしたもので、SAPの統合アプリケーションプラットフォーム“SAP NetWeaver”上で運用するBPMソフトウェア群“ARIS for SAP NetWeaver”の展開と、相互の製品再販を推進していくという。

SAPジャパンとIDSシェアー・ジャパンの協業によるBPMソリューションのロードマップ

SAPは、サービス指向アーキテクチャー(Service Oriented Architecture、SOA)をベースに、アプリケーション・サービスを柔軟に組み合わせてビジネス・プロセスの改善・改革を進める“Enterprise Service Architecture(ESA)”という考え方に基づく統合アプリケーションプラットフォーム“SAP NetWeaver”を展開している。今回の協業では、“SAP NetWeaver”を介し、SAPのビジネス・シナリオおよびプロセス実装機能と“ARIS for SAP NetWeaver”(『ARIS Toolset for SAP NetWeaver』『ARIS Easy Design for SAP NetWeaver』『ARIS Web Designer for SAP NetWeaver』の3製品の総称)のプロセス・モデリングを組み合わせることにより、BPMソリューションを実現していくとしている。

SAPジャパンの代表取締役社長、藤井清孝氏“ARIS for SAP NetWeaver”により提供される機能

この日行なわれた記者説明会で概要の説明を行なったSAPジャパン 代表取締役社長の藤井清孝氏によると、ESAを考慮しないBPMでは、ビジネスモデルに合わせてシステムプロセスを変更する仕組みが欠けており、システム連携が固定化されモデルとプロセスが乖離するケースもあったが、ESAをベースとした“SAP NetWeaver”によるBPMでは、柔軟なシステム連携とより有効なモデルとプロセスの同調が図れるという。藤井氏は、IDSシェアーとの協業強化は「ESAに基づくBPMを実現できる提携」であるとして、IDSシェアーのモデリングツールとの連携を強化することにより、変化への対応力の強化、システムの柔軟性の向上、構築スピードの向上の3点が可能になるとしている。

また、今回の協業の強化には、SAPジャパンによるIDSシェアー・ジャパン製品およびIDSシェアー・ジャパンによるSAPジャパン製品の再販が盛り込まれている。相互再販の対象となる製品は以下のとおり。

SAPジャパン製品
mySAP Business Suiteなど、全SAP製品
IDSシェアー・ジャパン製品
ARIS Toolset for SAP NetWeaver、ARIS Easy Design for SAP NetWeaver、ARIS Web Designer for SAP NetWeaver、ARIS Business Server、ARIS Web Publisher

藤井氏によると、SAPジャパンによる他社製品の再販を含む協業の例はこれまでにないといい、今回このような形の協業拡大を決定したのは、「ARISの考え方はESAの肝になるもので、ARISの考え方はESAそのものとも言える」ことから、協業によるSAPジャパン製品の価値向上と相互再販のメリットを認識し、決定に至ったとしている。

IDSシェアー・ジャパン 代表取締役社長の力正俊氏2006年に実現を目指すという、両社による統合BPMシナリオ。BPMの全ライフサイクルを包含
2006年時点でのBPM統合ソリューションのイメージ図

また、藤井氏に続いて登壇したIDSシェアー・ジャパン 代表取締役社長の力正俊(ちから まさとし)氏は、独本社の協業発表から今回までの経緯と、将来に向けた戦略の概要を説明。2003年10月の両本社発表では、両社の協業によるBPMソリューションの提供、次世代BPMソリューションの共同開発、両社の技術的な強みを生かした設計およびモデリング/システム構築/システム運用/プロセス監視/分析のすべてのライフサイクルを包含するソリューションの提供、の3点を発表しているが、今回の日本での発表は、これらをより具体的にしたものと解説。将来に向けた戦略としては、2006年をめどに、両社の製品/技術を統合したBPMシナリオを確立し、製品を提供していくと述べた。



“ARIS”の基本的な考え方を示すスライド。“ARIS”は、経営/業務プロセス/ITシステムを三位一体で管理するBPMを実行するためのフレームワークであり、これを各種“ARISツール”で実現する現時点でのARISツールとSAP NetWeaverの連携の枠組み

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