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マイクロソフト、日本の大学との産学連携を推進する“マイクロソフト産学連携研究機構”の設立を発表――ゲイツ会長「すばらしいアプローチは大学から生まれる」

2005年06月28日 22時47分更新

文● 編集部 内田泰仁

マイクロソフト(株)は28日、都内ホテルで同社および米マイクロソフト社の産学連携の取り組みに関する記者発表会を開催し、来日中の米マイクロソフト社の会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が新たに発表した産学連携の推進組織“マイクロソフト産学連携研究機構”や産学が連携した研究の重要性について説明を行なった。

この日の説明会に出席したマイクロソフトおよび東京大学/早稲田大学の関係者

マイクロソフトは今月24日、慶應義塾大学/東京大学/早稲田大学の3大学と“マイクロソフト ソース コード アグリーメント”を締結したことを発表している。これは、ソースコードへのアクセスを広く提供するためのプログラム“シェアード ソース イニシアティブ(Shared Source Initiative)”に含まれる、アカデミック分野向けの“マイクロソフト リサーチ ソース ライセンシング プログラム(Microsoft Research Source Licensing Program)”により提供される協定で、大学の研究者にWindowsソースコードの公開を行なっていくというもの。

“マイクロソフト産学連携研究機構”の組織と活動内容の概要

さらにマイクロソフトは、3大学との協定締結に続く産学連携の施策として、日本法人と米マイクロソフトの基礎研究所である“マイクロソフトリサーチ(Microsoft Research)”による日本の大学との連携を推進するための組織“マイクロソフト産学連携研究機構”(Microsoft Institute for Japanese Academic Research Collaboration、IJARC)を7月1日に発足すると発表した。マイクロソフトは、IJARCによりマイクロソフトリサーチと日本の大学/研究機関の相互交流を深め、高度で先進的な技術の開発や日本の市場ニーズに対応したテーマに関する研究および研究者の育成を共同で推進していくとしている。

IJARCの主な取り組みは、マイクロソフトと大学/研究機関による共同研究プロジェクトの推進と、研究者の育成を含む総合的な学術交流/研究支援を行なうための大学/学内組織との提携の2点。前者については、東京大学大学院情報学環教授の池内克史をディレクターとする“アカデミックアドバイザリーコミッティ”(顧問委員会)により支援対象とする研究プロジェクトを選定、研究者/研究室単位で研究支援を行なう。また後者に関しては、東京大学との学術の統合化に関する新機軸研究プロジェクトと、早稲田大学との奨学基金設立/共同での若手研究者および大学院生の奨学援助/インターンシップの拡充についての提携がこの日の時点で発表されている。



米マイクロソフトの会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏

同社は、基礎研究に対してマイクロソフトリサーチで積極的に取り組んでいるが、ゲイツ氏によると、自社の基礎研究機関創設は「まだマイクロソフトが小さかったころの夢」であったという。自前の基礎研究機関を持つことに対しては、研究成果が製品に生かせないことなどもあることから、一部に疑問視する声もあったというが、「ソフトウェアで世界を変化させようという人を採用」することにより、研究のスピードは向上し、同社製品の進化に大きく貢献しているという。

ゲイツ氏は、このようなマイクロソフトリサーチで得たこれまでの成果を踏まえ、「大学からすばらしいアプローチが生まれる」として将来の技術の発展における大学/学術機関による“基礎研究の重要性”を強く認識しているといい、日本の大学とマイクロソフトの成果の融合を進めていきたいと述べている。

またゲイツ氏は、同社が産学連携を進めていく分野については、ソフトウェアの発展に寄与する分野のみを考えているわけではなく、あらゆる学術全般に関して、連携と協力を推進するとしており、「最新のソフトウェアを研究者に提供することで学術の発展を推進することが可能であり、マイクロソフトのソフトウェアが小さな形でも科学研究に活用されれば光栄」だと述べた。また、提供していくリソースは同社のソフトウェアに限らず、マイクロソフトリサーチを含めた同社機関との人的交流や大学/研究機関への資金提供を行ない、同社と大学/研究機関の間での双方向の交流を実現していくとしている。さらにゲイツ氏は、「よき企業市民として大学との連携を強めていきたい」とし、学術界とのより一層の交流を今後も推進していくと述べた。

なお、IJARCの取り組みは日本独自のもので、マイクロソフトのアジア圏での研究活動拡大の一環でもある。ゲイツ氏はアジア圏の成長について「企業、学術のいずれでも大きな成果を挙げている」と述べ、中でも、日本におけるITの成長は目を見張るものがあり、中国はまだ成長の途上であるもののその成長率は非常に高く、両国のこれらからの成果は特に注目すべきものがあると評価。同社の今後の基礎研究活動においても「アジアの貢献は今後ますます加速化する」との期待を示した。

日本法人の代表執行役社長、米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデントのマイケル・ローディング氏

また、質疑応答のセッションでは、日本法人の代表執行役社長で米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデントのマイケル・ローディング(Michael Rawding)氏が、“日本への投資を拡大する3分野”について説明している。これによるとマイクロソフトは、この日の発表にある学術会への投資に加え、IT産業界への投資、日本での製品開発への投資を積極的に拡大していくといい、特に、携帯電話や家庭電化製品分野では、日本で得たものがよりグローバルな成果をもたらすだろうと述べている。

マイクロソフトリサーチアジアの所長、ハリー・シュム(Hary Shum、沈向洋)氏。マイクロソフトリサーチの取り組みは、大学のモデルを元に“アイデアを現実に変える”ための活動と表現するとともに、IJARCによる新たな産学連携により「透明性のある共同研究を進めていく」と述べた東京大学大学院情報学環教授でIJARCのリサーチ コラボレーション ディレクターの池内克史氏。IJARCが推進する共同研究プロジェクトの概要を説明
東京大学副学長で研究担当の桐野豊氏。東京大学とマイクロソフトと連携による成果に期待を示した。手にしているのは24日に締結した“マイクロソフト ソース コード アグリーメント”の協定書早稲田大学副総長の村岡洋一氏。産学連携の意義を「学生や教員に生き生きとした学問/研究の場を与え、成果を社会に還元するもの」として、推進を強化するとした。なお、早稲田大学はこの日、ゲイツ氏のIT分野における功績に敬意を表するものとして名誉博士号を授与している

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