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NECエレクトロニクス、多分野の映像/通信アプリケーションを横断的に共通化できる新半導体プラットフォーム“platformOViA”を発表

2005年06月28日 16時46分更新

文● 編集部 小林久

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NECエレクトロニクス(株)は28日、都内で記者会見を開き、半導体ソリューションプラットフォーム“platformOViA”(プラットフォームオーヴィア)を発表した。“OViA”は“Open, Value interface for your Applications”の略。特定分野に最適化されたシステムLSIに加えて、OS、デバイスドライバー、APIなどをセットで提供することで、製品開発を容易にできるのが特徴。platformOViAの仕様は2005年後半にソフトウェアベンダーに対して公開される。

発表会風景
発表会に出席したNECエレクトロニクスシステムソフトウェア執行役員常務の中島俊雄(なかじまとしお)氏(右)と開発事業本部長の光岡誠治(みつおかせいじ)氏(左)

民生機器の高機能化は年々進んでおり、静止画や動画、圧縮オーディオ、通信機能などが標準的に搭載されるようになりつつある。しかし、セットメーカーが使用するシステムLSIは、製品分野ごとに異なっており、システムLSIの上で動作する、デバイスドライバーやOSなどの階層構造もまちまちだった。また、組み込み機器で広く用いられているRTOSでは、OS自体の機能が足りないため、アプリケーション開発にもOSの機能追加を含めた多大な工数がかかっていたという。

platformOViAではこの階層構造を整理し、OS上で動作するミドルウェアやアプリケーションを分野をまたいで共通化できるようにした。これにより、セットメーカーはアプリケーション開発にかける工数を大幅に減らすことができる。

platformOViAの仕組みが導入されるのは、当初は携帯電話機、デジタルAV、車載情報システムの3分野。NECエレクトロニクスは、各分野に最適化したシステムLSI、システムLSIを動作させるために必要なデバイスドライバー(一般的なデバイスドライバーとマルチメディア処理に特化したドライバー)、OS、システムLSIのマルチメディア機能を呼び出すための専用API“メディアインターフェイス”を提供する。

ミドルウェアは、システムLSIのマルチメディア機能を利用する際にメディアインターフェイスを呼び出すだけで済むため、同じOSを使用する際には、下位のハードウェアに依存せず流用することが可能。OSは組み込みLinuxの採用が予定されているが、メディアインターフェイスはOSの機能とは別個に規定されているため、仮にWindows CEなど別のOSを使用する場合でも、メディアインターフェイス部分のミドルウェアを流用することができる。

NECエレクトロニクスは、platformOViA上で動作するミドルウェア開発のために、(株)アクセス、(株)アプリックス、米ウィンドリバー・システムズ(Wind River Systems)社、スイスのEsmertec社、京都マイクロコンピュータ(株)、(株)ソフトフロント、モンタビスタソフトウェアジャパン(株)、横河デジタルコンピュータ(株)20社以上と提携。組み込みLinuxなどに対応したソフトウェアモジュールを提供する、同社は2006年までに全世界50社のベンダーとパートナー契約を結ぶという。



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