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統合パブリッシング環境の最新版『Adobe Creative Suite 2 日本語版』で、メディア制作の現場はどう変わるのか?

2005年06月20日 23時04分更新

文● 千葉英寿

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[――] ACS2には米マクロメディア社の“Dreamweaver(ドリームウィーバー)”と人気を二分するウェブデザインツール『Adobe GoLive CS2』が組み込まれています。GoLiveにはウェブ専門ではない出版関連のユーザーも多いと聞きますが、こうしたユーザーからはどのような反応がありますか?
クリエイティブプロフェッショナル部 フィールドプロダクトマネージャの西山正一氏
クリエイティブプロフェッショナル部 フィールドプロダクトマネージャの西山正一氏
[西山] もともとGoLiveはウェブ製作に関わるすべてのことができるというコンセプトでした。しかし、実際にはDTPのようなアプローチでウェブデザインができるという評価があり、特にMac系のDTPユーザーに愛されてきたと言えます。これがACSに組み込まれてからは、少しずつ状況が変化してきました。

GoLiveを触ったことのなかった方が、せっかく(ACSに)入っているのだから、ウェブの仕事に使ってみようという人が増えてきて、ここ一年でそういうユーザーのフォローアップとして、初心者向けのセミナーをかなりの頻度で実施しています。最初にこのセミナーを企画した際に100人規模でのアナウンスをしたところ、公開2時間で満員になり、むしろクレームになってしまいました。結局300人規模に修正して開催しました。その後は、ほとんど毎回満員御礼をいただいております。

参加者のプロフィールに共通するのは、みなさんACSのユーザーだと言うことです。私たちとしても(ACSにGoLiveを加えたことが正解だったということを)確信をもって実感しています。
[――] GoLive CS2はDreamweaverに比べて、Flashに対する機能が弱いとの指摘が聞かれますがいかがでしょう?
[西山] いずれにも得意な部分とそうでない部分があると思います。GoLive CS2にはプリント・パブリッシングのアセット(資産、ここでは印刷向けに制作したデータ類)をウェブに持ち込むということができます。また、FlashというアプローチではなくSVG(Scalable Vector Graphics、ウェブブラウザー上でベクターデータを表示する仕組み)に強みを持っています。まずは自分たちの得意なところを攻めて行ければと考えていますし、おそらく(Dreamweaverと)共存できると思います。これからもGoLive CS2はお役に立てる部分があると考えています。
[――] ACS2の主要な機能として『Adobe Version Cue CS2』がありますが、ACSに対する評価はいかがですか?
[西山] 正直なところ、Version Cue CSは初めての登場ということもあり、取っ付きにくいと感じていた方もいらっしゃったと思います。(仕組みが)明確に分かる方にはかなり便利にお使いいただいていましたが、多くの方にとっては、コンセプトは分かるものの、これがどう動いているかがご理解いただきにくかったと思います。特に日本の市場ではユーザーインターフェースを気にしますし、ファイルの本体がどこにあるのかはっきりと分かりにくいことも、理解の妨げになっていたかもしれません。

Version Cue CS2では、これらがかなり直感的に分かるようになりました。さらにAdobe Bridgeによって、視覚的にファイルがどこにあるか分かるようになったことで、今では普通のローカルフォルダーと同じユーザビリティーで使っていただけるようになりました。今後はご利用いただけるユーザーがかなり増えていくものと期待しています。
[――] ACSは第2弾でますます充実してきたと言えそうですね。今後は導入事例なども楽しみになってきました。今日はありがとうございました。

プリント・パブリッシングはもちろん、ウェブ制作の部分でも、カテゴリーを飛び越えてクリエイティブ・マインドを支える唯一無二の存在、それがAdobe Creative Suite 2と言えそうだ。そして、この秋以降のACS2の動向にも大変な注目が集まるところだ。マクロメディアのツール群との出会いがACSにどのような影響を及ぼすのか、いまから数ヵ月後が楽しみになった。

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