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i915GMm-HFS

i915GMm-HFS

2005年06月23日 00時14分更新

文● 鈴木 雅暢

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i915GMm-HFS

AOpen

実売価格:約3万5000円

i915GMm-HFS
AOpen「i915GMm-HFS」。

 「i915GMm-HFS」は、昨秋に発売され、ベストセラーとなったMicroATXフォームファクタのPentium Mマザーボード「i855GMEm-LFS」の後継としてリリースされたAOpenの最新マザーだ。先日モバイル向けに発表されたばかりのAlvisoことIntel 915GMチップセットを搭載しているのが特徴。これまでのPentium Mマザーボードはプラットフォームの性能/機能面ではPentium 4のLGA775プラットフォームに見劣っていたが、それが一気に解消されている。

 もっとも大きいのは、チップセットがPCI ExpressをサポートしたことでオンボードデバイスがPCI Express化され、PCIバスの帯域133MB/秒の制限から開放されたこと。2基搭載するギガビットLANコントローラ、シリアルATAII対応RAIDコントローラがそれぞれPCI Express x1接続となって、PCIバスがボトルネックとなることがなくなり、それぞれのパフォーマンスがフルに発揮できるようになった。これらを同時に使用するときには大きな効果があるだろう。PCI接続のデバイスはIEEE 1394コントローラのみなので、TVチューナなどのPCIカードも安心して増設できる。

 また、PCI Express x16スロットを装備する点も大きい。最近のビデオカードの新製品は、ローエンドからハイエンドまで、ほとんどPCI Express x16ばかりである。Pentium Mは3Dゲームでも高いパフォーマンスを発揮するので、そのメリットを生かすためにもPCI Express x16の装備は歓迎だ。

 メモリソケットは、DDR用とDDR2用を2本ずつ搭載する。915GMチップセットのメモリは、DDRの場合はDDR333(PC2700 DIMM)のシングルチャネルのみ、DDR2ではDDR2-533のシングル/デュアル両方に対応するという少しややこしい仕様になっており、本製品のスペックもそれに準拠している。サウスブリッジのICH6-Mは、2ポートのシリアルATAインターフェイスをサポートする。IDEは1チャンネルで、事実上光学ドライブ専用となる。

 リアパネルI/O部も特徴的だ。PS/2、パラレル、シリアルなどのレガシーを省く一方で、標準で7.1チャンネルのサラウンド出力を可能にしているほか、DVI出力やHDTVのコンポーネント/D端子出力を備えるなど、斬新な構成となっている。

ベンチマークテストの結果

●Sandra 2005 SR1

Sandra 2005 SR1
DDR2-533はシングルでも4.26GB/秒の帯域があるため、デュアルチャンネルとシングルチャンネルではほとんど性能差はなかった。

●PCMark04

PCMark04
メモリとグラフィックスで大きく性能を上げており、トータルでも約8%のパフォーマンスアップを果たしている。

●消費電力

アイドル時とエンコード時の消費電力をワットチェッカーで計測した。同じPentium M 755とアイドル時で9W、エンコード時7Wの差がある。
アイドル時エンコード時
i855GMEm-LFS/
Pentium M 755/
DDR333
40W56W
i915GMm-HFS/
Pentium M 755/
DDR333
49W63W
i915GMm-HFS/
Pentium M 760/
DDR2-533 Dual
50W63W

 今回は前作のi855GMEm-LFSと比較してのテストを行なっている。本当は、プラットフォームの威力を感じられるよう、もっと手の込んだテストをしたかったのだが、ボード、BIOSともにまだ製品前のサンプル版ということで、PCI Express x16スロットやオンボードデバイスなどの動作が完全でなかったため、簡易なもののみにとどめている。Sandraのメモリテストは、DDR2のシングルチャンネルとデュアルチャンネルの差と、DDR333を2枚差した場合に本当にデュアルチャネルで動作しないのかどうかを確認したかったのだが、DDR333ではそれ以前に正当な性能が出ない状態であったので掲載を見送っている。消費電力測定の結果もご覧のとおりだが、あくまでもサンプル段階での数値であることを留意しておいてほしい。

i915GMm-HFSの各パーツ詳解

i915GMm-HFSの各パーツ詳解
(1) DDR2 DIMM用メモリソケット
DDR2-533/400(PC2-4300/PC2-3200 DIMM)に対応した240ピンのメモリソケット。2本のソケットに同じメモリを差すことでデュアルチャネルアクセスが可能となる。
(2) DDR DIMM用メモリソケット
DDR333/DDR266/DDR200(PC2700/PC2100/PC1600 DIMM)に対応した184ピンのメモリソケット。シングルチャンネルなので2本1組で利用する必要はない。
(3) ノースブリッジ(915GM)
915GMのノースブリッジ。FSB533MHz、DDR2-533デュアルチャネル/DDR333シングルチャネル対応。デスクトップ用の915GMと同様、GMA900グラフィックスコアを内蔵し、PCI Express x16インターフェイスも備える。サウスブリッジICH6-Mとは、2GB/秒のDMIで接続。
(4) 12V電源コネクタ
ATX12V以降の電源規格に準拠した4ピンの電源コネクタ。ここからの電流はCPUへの電源供給用に使われる。
(5) 20ピン電源コネクタ
ATX12V以降の電源規格に準拠したメインの20ピン電源コネクタ。ATX12V V2.0など新しい規格に準拠した電源ユニットを使うときは24ピン→20ピン変換コネクタを利用する。
(6) HD Audioコーデック
オンボードサウンド機能を提供するRealtekの7.1チャンネル出力対応HD Audioコーデック「ALC880」。挿入されたオーディオプラグの種類を検出して入出力を自動で切り替えるジャックリタスキング機能ももつ。
(7) ギガビットLANコントローラ
MarvelのギガビットLANコントローラ「88E8053」を2基オンボード搭載している。PCI接続でなくPCI Express x1接続のため、2基同時に利用したり、IEEE 1394と同時利用しても接続インターフェイスがボトルネックとならない。
(8) PCI Express x16スロット
ノースブリッジにGMA900グラフィックスコアを内蔵するが、外部インターフェイスとしてPCI Express x16もサポートしており、最新GPUを搭載したPCI Express x16対応ビデオカードを利用することができる。
(9) PCI Express x1スロット
周辺機器接続用のPCI Express x1スロット。上り下りそれぞれ250MB/秒で合計500MB/秒の帯域をもつ。帯域133MB/秒のバスを接続したすべてのデバイスで共有するPCIよりも高速だが、対応する拡張カードはまだ少ない。
(10) CH7021A
CHRONTELの最新ICチップ。まだ同型番ICの情報は公開されていないが、おそらくDVIトランスミッタ/HDTVエンコーダの両機能を提供するものだろう。
(11) PCIスロット
MicroATXフォームファクタのため、拡張スロットの本数は4本が上限。そのうち2本がPCIスロットとなっている。TVチューナカードや無線LANカードなどの拡張用に使う。
(12) IEEE 1394コントローラ
AgereのIEEE 1394コントローラ。ただ、リアパネルI/O部にIEEE 1394コネクタはなく、標準ではコネクタ増設用のブラケットも同梱されない。PCIバスでサウスブリッジに接続されている。
(13) シリアルATAコネクタ(SiI3132)
SiI3132用のシリアルATAIIコネクタ。シリアルATAIIやRAIDを利用したい場合はこちらを利用する。
(14) シリアルATAコネクタ(ICH6-M)
チップセット標準、ICH6-M内蔵のシリアルATAコントローラを利用する場合はこちらのコネクタを利用する。
(15) サウスブリッジ(ICH6-M)
ICH6に省電力モードのサポートを加えたICH6-Mを搭載している。シリアルATAインターフェイスを2ポート、Ultra ATA/100インターフェイスを1チャンネルサポートする。RAID機能はもたない。
(16) シリアルATAIIコントローラ
SiliconImageのシリアルATAIIコントローラ「SiI3132」。300MB/秒の転送速度、ネイティブコマンドキューイングに対応。RAID 0/1もサポートする。サウスブリッジにはPCI Express x1で接続されている。
(17) IDEコネクタ(40ピン)
ICH6-MはUltra ATA/100のチャンネルを1つしかサポートしないので、40ピンのIDEコネクタは1つのみ。事実上、光学ドライブ専用である。HDDはシリアルATAで接続するのが前提だ。
(18) mPGA479Mソケット
Pentium M/Celeron M用のCPUソケット。マイナスドライバでソケット上部のネジを緩めてからCPUを装着し、再び締めて固定する。固定が甘いと動作しないのでしっかり締めるよう心がけよう。

バックパネルI/O

バックパネルI/O
バックパネルI/O。
バックパネルI/Oの詳細
バックパネルI/Oの詳細。
  • (1) リア出力
  • (2) センター/ウーファ出力
  • (3) サイド出力
  • (4) ライン入力
  • (5) ライン出力
  • (6) マイク
  • (7) アナログRGB出力
  • (8) DVI-I出力
  • (9)~(11) コンポーネント出力
  • (12) TV出力(コンポジット/S端子)
  • (13) D端子出力
  • (14) ギガビットLAN(RJ45)
  • (15) USB 2.0ポート
i915GMm-HFSの主なスペック
製品名 i915GMm-HFS
対応CPU(ソケット) Pentium M/Celeron M(mPGA479M)
チップセット Intel 915GM/ICH6-M
メモリソケット 240ピンDIMM×2、184ピンDIMM×2
対応メモリ DDR2-533デュアルチャネル、DDR333シングルチャネル
拡張スロット PCI Express x16×1、PCI Express x1×1、PCI×2
FSBクロック 100~400MHz(1MHz刻み)
PCI Expressクロック 自動設定
CPUコア電圧 0.700~1.340V(0.016V刻み)
DIMM電圧 自動設定
サウンド 7.1チャンネル出力(Realtek ALC880)
有線LAN 10/100/1000BASE-T×2(Marvel 88E8053×2/PCI Express x1)
IEEE 1394 S400/2ポート(Agere FW3226-100)
SATA RAID RAID 0/1(Silicon Image SiI3132)
BIOS保護機能 DieHard BIOS Lite
バックパネルI/O USB 2.0×4、LAN×2、アナログRGB、DVI-I、コンポーネント出力、D端子、ライン入力、ライン出力、マイク、センター/バス出力、サイド出力、リア出力
ボードサイズ 244(W)×244(D)mm

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