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Nethra、“暗闇でも撮影できる”、カメラ付き携帯電話機用の画像処理プロセッサーを発表

2005年06月09日 21時35分更新

文● 編集部 小林久

米Nethra Imaging(ネスラ・イメージング)社は9日、都内で記者会見を開き、カメラ付き携帯電話機をターゲットにした画像処理エンジン“NI-20x0”ファミリーを紹介した。会見には、同社社長兼CEOのラメッシュ・シン(Ramesh Singh)氏が出席。新製品となる『NI-2050』の特徴と、同社の戦略について説明した。

NI-2080
8MBのSDRAMを搭載した『NI-2080』と、CMOSモジュール

暗所に強いケータイデジカメが可能に

ラメッシュ・シン氏
米Nethra Imagingの社長兼CEOのラメッシュ・シン氏

Nethraは米国カリフォルニア州クパチーノに本社を置く、ファブレスの半導体メーカーで、2004年1月に設立された。“Nethra”はサンスクリット語で“目”を意味する。シン氏を始めとした社員の多くが米MediaQ(メディアキュー)社の出身で、米エヌビディア社が2003年8月にMediaQを買収したあと、エヌビディアをスピンアウトして新会社設立に加わったという。現在の社員数は約30人と少ないながらも、経験豊富なスタッフを抱えており、“少数精鋭の開発体制”であるという。



カメラ付き携帯電話の市場動向
カメラ付き携帯電話の市場動向

シン氏は米国の市場調査会社InfoTrends/CAP Ventures社の調査結果を引用し、「全世界の携帯電話機で“カメラ付き”が占める割合は2007年までに50%、2008年には60%を超える」と述べた。同時にカメラ機能の高画素化が進んでおり、「200万画素、300万画素クラスの製品が増加している」と指摘した。同氏はNethraのミッションは「デジタルカメラでしか実現できなかったハイエンドな機能を携帯電話に持ってくること」であり、「300万画素までのセンサーであれば、間違いなくベストなクオリティー」と自社の技術力に対する自信ものぞかせた。

Nethraが最初に投入することになった画像処理チップ『NI-2050』は、300万画素までのCCDとCMOSイメージセンサーに対応。内部には、パイプライン処理で毎秒最大5400万ドットの情報を扱える画像処理プロセッサーと、ARM7ベースのCPU(ARM7TDMI)などを搭載している。このうち画像処理プロセッサーは、RAWデータをRGBに変換する処理や輪郭強調など高負荷な処理を担当。ARMプロセッサーは、ホワイトバランスや露出の調整など撮影条件の判別やカメラ制御に利用する。

製品の特徴としてシン氏は「画像処理エンジンにパイプライン処理を用いているため、一般的な“DSP”(Digital Signal Processor)に比べて高速である」と述べた。消費電力の低さも特徴となっており、「300万画素のCMOSイメージセンサーを組み合わせた場合の消費電力はTypical(標準)の値で100mW程度。競合製品では130万画素クラスでも150mW程度で、それに比べてかなり電力消費を抑えられる」とした。また、0.5ルクス程度と暗い環境でも液晶画面上で被写体の動きを確認できる“Active Light”や、“赤目軽減処理”“逆光補正”“電子式手ぶれ補正”など、豊富な付加機能もアピールポイントになるという。

また、「CCDやCMOSのモジュールにダイレクトにセットでき、それぞれにベストな設定を内蔵SRAMに入れているため、開発期間を短縮できる」とした。



カメラ付き携帯電話の市場動向
デモ風景。評価キットに米マイクロンテクノロジー製のCMOSイメージセンサーを接続したもの(左)とソニー製のCMOSイメージセンサーを接続したものの2種類が展示されていた評価キット。ソフトウェアも同梱しており、パソコンを利用した動作チェックのほか、画像処理パラメータの変更などができる

今回発表された『NI-2050』はベアチップで、パッケージ製品としてはNI-2050のコアをCSP(Chip Scale Package)に収めた『SI-2060』、外部のSDRAMとのインターフェースを持つ『SI-2070』、2MBのSDRAMを内蔵した『SI-2090』、8MBのSDRAMを内蔵した『SI-2080』の4製品がある。サンプル出荷はすでに行なわれており、2005年第3四半期に量産出荷を開始する。1万個出荷時の参考価格は8ドル(約848円)からだが、「携帯電話に搭載されれば月1万個というのは考えられないため、よりアグレッシブな価格設定ができる」という。

ブロック図 ラインナップ
NI-2050のブロック図。下半分が画像処理プロセッサーのブロック、上半分がCPUのブロックとなる。製品ラインナップ。NI-2050はベアチップで、具体的な製品としては4製品が用意される。違いは搭載するSDRAMの容量。なお“Active Light”の処理には比較用のフレームバッファーとして2MB、“赤目補正”には8MBの容量が必要になるという

カメラ機能で差別化したい端末メーカーがターゲット

カメラ付き携帯電話機の画像処理チップは、Nethraのように画像処理チップを単体で提供する方法以外に、大きく分けて2つの形態がある。

1つ目は、レンズや撮像素子と一体化したモジュールで提供する方法で、供給元は米OmniVision Technologies社や米マイクロン・テクノロジーズ社などCMOSイメージセンサーのメーカーが中心。2つ目はグラフィックスアクセラレーターの機能なども備えた統合チップ(アプリケーションプロセッサー)として提供するもので、ベースバンドをセットにしたチップを米クアルコム社や米テキサス・インスツルメンツ(TI)社が積極的に開発している。

CMOSモジュール 実装方法
CMOSモジュール、撮像素子とレンズを一体化して提供されるNI-2005は図のようにモジュールの裏側に直結する実装方法を想定している

一方、画像処理チップを単体で提供しているメーカーとしては、台湾Sunplus Technology社、台湾Winbond Electronics社、日本電気(株)などがあり、これ以外にも画像処理チップとCPUを統合した製品をTIなどが開発している。

提供形態 画質
画像処理チップの提供形態と主要なベンダーNikon D1(写真左)との画質比較。横線のストライプがつぶれずに表現できている

シン氏は「アプリケーションプロセッサーの考え方は消費電力やコスト面で優れており、“ひとつの解答”と言える」としたものの、「これら1チップのソリューションでは、カメラ機能だけを強化したい場合の対応はどうしても遅れる点が問題になる」と指摘した。

つまり「高画素な撮像素子に対応したり、カメラの撮影機能の強化といったニーズには独立したチップを提供したほうが有利」であり、「1チップのソリューションに対して、半年や1年単位で先行することで、市場での場所を確保」していこうという狙いだ。Nethraが特に注力するのは日本と韓国市場。「300万画素のCMOSイメージセンサーの搭載が進む2006年に全世界で5~10%のシェアを取る」ことが当面の目標であるという。

ロードマップ 韓国のカメラ付きケータイ
ロードマップ。年末をめどに第2世代の製品を提供するほか、より高機能な製品の提供も予定しているという韓国サムスン電子が発売している携帯電話。デジタルカメラのようなメカニカルズームが搭載されている、NI-2005にはAF制御機能などがあるため、こういった新機能にも容易に対応できるという

Nethraは今回発表した第1世代のチップに続けて、第2世代のチップも近々投入する予定で、第2世代となる“NI-21x0”ファミリー(『NI-2150』)では、600万画素クラスとより高画素な撮像素子に対応し、JPEGエンコーダーなども搭載する。これは2005年末にサンプル出荷される見込み。また、市場の動向を見ながら、携帯電話以外のビジネスにも参入していく予定で、CPUをARM9ベース(ARM926EIS)とし、動画機能や各種周辺デバイスをサポートした高機能チップ『NI-3000』の提供も検討しているという。

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