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インテル、テレコムサーバー向けのシングルボードコンピューターや管理モジュールなど、“NetStructure”シリーズ製品を発表

2005年06月08日 10時28分更新

文● 編集部 小西利明

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シングル・ボード・コンピュータ『NetStructure MPCBL0010』 パケット・プロセッシング・ブレード『NetStructure IXB28504xGbEF』 シャーシ・マネジメント・モジュール『NetStructure MPCMM002』
シングル・ボード・コンピュータ『NetStructure MPCBL0010』パケット・プロセッシング・ブレード『NetStructure IXB28504xGbEF』シャーシ・マネジメント・モジュール『NetStructure MPCMM002』

インテル(株)は8日、通信事業者が使用するテレコムサーバー(※1)向けの製品として、“NetStructure”シリーズのシングルボードコンピューターや管理モジュールなど、3製品を発表した。製品名と価格、出荷時期は以下のとおり。

※1 電話交換機の機能を備えたサーバーシステムのこと。ただし今回発表の製品は交換機機能は備えない

NetStructure MPCBL0010
シングル・ボード・コンピュータ、3200ドル、2005年第3四半期 量産出荷開始予定
NetStructure IXB28504xGbEF
パケット・プロセッシング・ブレード、1万2299ドル、9月量産出荷開始予定
NetStructure MPCMM002
シャーシ・マネジメント・モジュール、1222ドル、8日量産出荷開始予定
インテル セールス・マーケティング本部 プロダクト・マーケティング・マネージャーの丹田武氏
インテル セールス・マーケティング本部 プロダクト・マーケティング・マネージャーの丹田武氏

同社セールス・マーケティング本部 プロダクト・マーケティング・マネージャーの丹田武(たんだ たけし)氏は、従来の通信機器は必要に応じてハードウェアだけでなくASICまでも機器メーカーが開発しなければならず、開発期間の増大とコスト増を招いていたと指摘。これに対して汎用のプロセッサーを利用する標準化された機器を組み合わせることで、研究開発の期間やノウハウをソフトウェア側に移行を進めることを推奨した。そして汎用プロセッサーと標準化されたコンポーネントを組み合わせたプラットフォームを“モジュラー・コミュニケーション・プラットフォーム(MCP)”と称し、これによりスケーラブルなシステムを迅速に市場に投入できるとした。



MCPの定義。ハードウェアに汎用品を用いることで、独自技術やノウハウをソフトウェア面で実装し、開発期間の短縮とスケーラビリティーを確保する MCPの概念の浸透を示すグラフ。各社から採用製品が登場しているなか、インテルはさらに先の世代の製品を投入する
MCPの定義。ハードウェアに汎用品を用いることで、独自技術やノウハウをソフトウェア面で実装し、開発期間の短縮とスケーラビリティーを確保するMCPの概念の浸透を示すグラフ。各社から採用製品が登場しているなか、インテルはさらに先の世代の製品を投入する

今回発表された製品は、モジュラー化された通信機器のコンポーネントでテレコムサーバーの規格、“AdvancedTCA(Telecom Computing Architecture)”に準拠した製品群である。従来主流であったCompactPCIよりも、モジュールのサイズ自体が大きく、また大電力の供給や熱管理の強化といった特徴を備えている。丹田氏は、現在他社のMCP製品は、第3世代携帯電話などに対応した第1世代のMCP製品であるが、今回同社が発表したAdvancedTCA対応の3製品はその先の第2世代である“IP Multimedia Syetem(IMS)”に位置するとした。

AdcancedTCA規格の概要。パフォーマンスの向上と機器ベンダー間の相互運用性を実現する 今回発表された製品の主な特徴(シャーシのみすでに発売済み)
AdcancedTCA規格の概要。パフォーマンスの向上と機器ベンダー間の相互運用性を実現する今回発表された製品の主な特徴(シャーシのみすでに発売済み)

シングルボードコンピューターのMPCBL0010は、64bit拡張技術に対応する低電圧版Xeon-2.80GHzと、4GBのシステムメモリーを搭載する。AMC(AdvancedMC)規格に対応した拡張スロットを2スロット備える。

IXB28504xGbEFはARM系CPUコアを備える“IXP2850ネットワークプロセッサー”を搭載するパケット処理専用ボードで、AESや3DESなどの暗号化アルゴリズムに対応し、暗号化されたパケットを高速に処理できる。同社ではハードウェアによる暗号化パケット処理により、他の汎用プロセッサーの10倍のパフォーマンスを発揮するとしている。

MPCMM002はAdcancedTCA規格に対応したプラットフォーム管理モジュールである。旧機種の『MPCMM0001』は、インテル製もしくは対応したシャーシでしか利用できなかったが、MPCMM0002では形状が小型化され、サードパーティー製のシャーシでも利用できるようになっている。

3製品のうち、量産出荷が開始されているのはMPCMM002だけだが、ほかの2製品も通信機器メーカーに対するサンプル出荷がすでに行なわれている。また今後の製品化の予定として、コード名“Thermopolis”と呼ばれるシングルボードコンピューターがサンプル出荷中で、2006年第1四半期に投入を予定しているという。64bit拡張に対応したXeon-2.80GHz×2と16GBのメモリーを搭載し、64bitアプリケーションと大容量のメモリーにより、高負荷のマルチメディアプロトコルの処理に高いパフォーマンスを発揮するとしている。

お詫びと訂正:掲載当初、デュアルコアCPU デュアルXeon-2.80GHzと記載していましたが、正しくはデュアルコアではなく、Xeon-2.80GHz×2でした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2005年6月10日)

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