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深川市の中学校がMacintoshを導入! NetBootで管理負担を軽減

2005年05月29日 04時28分更新

文● 編集部

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24日に都内で“平成17年度 情報教育対応教員研修全国セミナー”が開催された。同セミナーではアップルコンピュータ(株)による“最新ソフトウェアを使ったカリキュラム”や熊本市立飽田東小学校や立命館宇治中学校・高等学校、北海道・深川市の取り組みなどが紹介された。

都内で開催された“平成17年度 情報教育対応教員研修全国セミナー”
都内で開催された“平成17年度 情報教育対応教員研修全国セミナー”

北海道深川市総務部総務課課長補佐の小杉邦久氏は「(情報教育の)講習会などさまざまな活動を行なってきたが、このような講習会に参加していただけるのは時間的に余裕のあるお年寄りが中心」「機器を導入しても保守が安定継続しない、活用されない」など地域の情報化を進める上での難しさを振り返った。そして、これらの問題を解消するために、保守の体制を一般行政と一元化した。つまり、コンピューターの活用と指導は先生にお願いし、それ以外は教育委員会が担うということを明確にした。また、ITヘルプデスクの機能を学校向けに展開し、教師のスキルアップに役立てるようにしたと説明した。「従来は、短期に集中的に、しかも希望者だけに指導が行われていた。参加者のスキルは考慮されていないし、こういした研修で身につけられるものは限られたものになってしまう。先生同士で教え合うということもされておらず、格差が広がるだけだった」と話す。

北海道深川市総務部総務課課長補佐の小杉邦久氏
北海道深川市総務部総務課課長補佐の小杉邦久氏
(有)ラプト取締役の小賀聡氏
(有)ラプト取締役の小賀聡氏
Netbootシステム
Netbootシステム

深川市の中学校5校には、今年度からMacintoshが150台導入された。内訳はiMac G5 17インチを各校に生徒用として最大50台、教師用として20インチを1台。職員室にiBook G4 14インチを4台、NetBootサーバーとしてPowerMac G5を2台。同市にはマルチメディアセンターが図書館に併設されており、ここで教室の環境をすべて管理している。学校での運営をサポートしている(有)ラプト取締役の小賀聡氏は「各学校からマルチメディアセンターまでは光ファイバーで結ばれている。残念ながら1校だけは光ファイバーがひけなかったため、18GHz帯の無線LANの実証実験に参加する形で使っている」と説明する。「先生のところにはNetBootサーバーがあり、このサーバーをマルチメディアセンターで管理している。極端な話、授業が終わって生徒が電源を落とし忘れたとしても、センターでシャットダウンすることができる」。

教室のiMac G5とNetbootサーバー
教室のiMac G5とNetbootサーバー
教師用にはiMac G5(20インチ)。生徒用にはiMac G5(17インチ)を用意
教師用にはiMac G5(20インチ)。生徒用にはiMac G5(17インチ)を用意。教師用のマシンにはiSight が装着されている

しかし、Macintosh導入がすぐに理解されたわけではなかった。「ランニングコストの問題からNetBootはいいとすぐに理解されたが、え~っMacなの?という声が上がった」(小杉氏)。これまでWindowsを使っていたため、「OSが変わると最初から勉強しなおさなければいけない」「家庭はほとんどWindows。家庭と学校との違いの問題がでる」「教育用ソフトなどのこれまでの資産が使えない」「技術家庭の教科書はWindows。生徒用のマニュアルが必要になる」「Macはトラブルが多いと聞いている」などの反応があがった。これに対しては、Windowsで新しいアプリケーションを学ぶのと変わりがないこと、ITヘルプデスクでサポートを行い、マニュアルづくりもサポートするなどして説得にあたった。また、一番説得力があったのは東京大学など、子供たちが進学する教育機関がMacintoshを導入している例だったという。

次のページでは前述の小杉邦久氏と小賀聡氏にインタビューする機会を得たので紹介したい。

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