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EMCジャパン、NASゲートウェイの最上位モデル『EMC Celerra NSXシリーズ』を発売――支店/支社の情報を集約するソリューション提供でシスコシステムズと協業

2005年05月25日 23時07分更新

文● 編集部 内田泰仁

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EMCジャパン(株)は25日、データセンターなど向けの同社NAS(Network Attached Storage)ゲートウェイの最上位モデル『EMC Celerra NSXシリーズ』(以下Celerra NSX)の販売を開始すると発表した。最小構成の参考価格は3500万円から。同社および同社の販売パートナーを通じて同日から提供される。また、同社とシスコシステムズ(株)は同日、EMC Celerraシリーズと、シスコシステムズの広域ネットワークにおけるファイル管理技術“Wide Area File Services(WAFS)”をベースとしたファイルサーバー統合ソリューションの提供を共同で展開していくと発表している。

『EMC Celerra NSXシリーズ』EMCのNAS製品ラインナップ。大きく分けると、NASゲートウェイ単独の製品と、NASゲートウェイ+ストレージの統合型製品とがある
Celerra NSXの構成

Celerra NSXは、ファイルサーバー・ノードとなるサーバーブレード“X-Blade 60”(最小構成で4基、1キャビネットあたり最大8基搭載可能)、コントロールステーション(2台構成)、無停電電源装置(UPS、2台構成)からなるNASゲートウェイで、同社の“EMC CLARiX”“EMC Symmetrix”といったストレージとSAN接続することでNASを構成する。データセンター・クラスの規模に向けた製品で、“X-Blade 60”1基につき最大16TB、Celerra NSX 1台で最大112TBのストレージ容量をサポートできる高いスケーラビリティー、最大で1秒あたり30万NFSオペレーション(同社では「競合他社製品の約4倍の処理速度」だとしている)という高いパフォーマンス、“X-Blade 60”部のN+1フェイルオーバー・クラスタリング、コントロールステーションやUPSの冗長構成、ホット・スワップ可能なコンポーネントの採用などの高い可用性が特徴。



NAS OS『DART5.4』で拡張された機能の概要

ソフトウェアとしては、OSに同社NAS用OSの最新版『DART5.4』を採用(従来製品では同5.3を搭載)。『DART5.4』は、従来バージョンの2倍のストレージ容量と8倍のファイルおよびファイルシステムサイズのサポートするほか、

  • 使用量予測およびモニタリング
  • 複数のファイルシステムを単一の仮想ファイルシステムとして扱うことによる管理の容易化
  • “情報ライフサイクル管理(ILM)”に基づく効率的なバックアップを行なう“CFA(Centera File Archiver)”への対応
  • LANを経由せずにネットワークストレージ内のファイバーチャネルHDDからATA HDDにバックアップを行なう高速バックアップ

などの機能を持つ。

なお、“X-Blade 60”の主なスペック(1基あたり)は以下のとおり。

CPU
Pentium 4-3.4GHz×2
メモリー
4GB
ファイバーチャネルポート
2Gbps×3
ネットワーク・インターフェース
10/100/1000BASE-T対応Ethernet×6、オプティカルGigabit Ethernet×2

また、キャビネット1台あたりのサイズは、幅61×奥行き98.4×高さ191.1cm、重さは最大447kg(ケーブル除く)。

マーケティング本部長の西澤伸樹氏EMCが「次の課題」とするのが、支店/支社内の情報を集約するために導入された支店/支社ごとのNASをいかに中央に集約/集中していくか。今回のシスコシステムズとの協業はこれに対応するソリューションだという

今回の発表にあわせて行なわれた記者説明会で、同社のNAS製品の展開について説明したマーケティング本部長の西澤伸樹氏は、NASに対する新しい課題として、情報セキュリティー対策(個人情報保護法対策、管理データの増大に対する対策など)と、ネットワーク環境構築を含めたソリューションの提供の2点を挙げている。前者については、「情報セキュリティーと災害対策は(顧客との商談の中で)必ず出てくるテーマ」になっているとして、ILMの推進とあわせて対応の強化を進めているとしている。

後者については、支店/支社へのNAS導入が広がったことにより企業内の情報の分散が起きており、これを解消するための中央集中管理やデータ保護の仕組みや、集中化によるTCOの削減の必要性が高まっているという。これに対応するため、ストレージ関連技術/製品のベンダーである同社では、“WAFS”技術を持つシスコシステムズとの協業を進めていくとしている。

この日の発表会で登壇したシスコシステムズのマーケティングディレクター、大木聡氏。従業員の多くが配置されている支店/支社への投資は、企業全体の競争力を高めることになる」と述べ、支店/支社の情報を中央に集約、集中管理する“WAFS”を用いたソリューションをアピール“WAFS”ソリューションの構成図。EMCとシスコシステムズの協業では、NAS部分でEMC、ネットワーク部分でシスコシステムズがそれぞれの技術を活かす
“WAFS”ソリューションのメリット“WAFS”のプラットフォーム部となる“Cisco File Engine”の概要

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