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パイオニアとNHK、CCDの約20倍の高感度撮像デバイス“HEED冷陰極HARP撮像板”を共同開発

2005年05月19日 22時23分更新

文● 編集部

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パイオニア(株)と日本放送協会(NHK)は19日、小型で高感度の撮像デバイス“HEED冷陰極HARP撮像板”を共同開発したと発表した。これは、NHKが中心に開発した光電変換膜“HARP(High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor)膜”と、パイオニアが開発した冷陰極型の平面状の電子源“HEED(High-efficiency Electron Emission Device)”を組み合わせた撮像デバイスで、CCDの約20倍の感度を持つのが特徴。これにより、夜間でも鮮明なカラー撮影が行なえる省電力“小型超高感度カメラ”の開発にめどが立ったとしている。

HEED冷陰極HARP撮像板の構造図
HEED冷陰極HARP撮像板の構造

“HEED冷陰極HARP撮像板”は、HARP膜とアクティブ駆動型のHEEDを近接させて向かい合わせにした構造を持ち、従来の約10cmの長さの撮像管に比べて厚さが約1cmと10分の1であるうえ、駆動回路も内蔵していることから、カメラを小型化できるだけでなく、HEED冷陰極アレーが低電圧で電子ビームを放出できるため、消費電力も少なくできるという。さらに、HARP膜がX線に対しても感度を持つことから、X線像の超高感度撮影によるガンの早期発見などの医療分野を始めとするさまざまな分野で利用できるとしている。

HEED冷陰極HARP撮像板の外観
HEED冷陰極HARP撮像板

今回開発した“HEED冷陰極HARP撮像板”は、有効撮像領域が横12.8×縦9.6mm。画素数は256×192で、画素サイズは50×50μm。感度はCCDの約20倍。画素ごとに駆動トランジスターを配置するアクティブ駆動型となっている。

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