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【ビジネスシヨウ 2005 Vol.2】壊れたメディアからのデータ救出 vs. 廃棄メディアやパソコン/携帯のデータ完全消去

2005年05月18日 16時31分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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東京ビッグサイトの西1、2ホールで開催されているビジネスシヨウ TOKYO2005は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する、IT(情報技術)関連の産業や技術の育成を目的とした展示会“IPAX 2005”と、(社)日本経営協会主催の物流関連製品/サービス/技術などの専門展示会“物流革新フェア2005”も合わせて開催されている。

HDD1台を差し込む小型モデルから、ノートパソコンごと(HDDを取り出さずに)強磁場破壊するモデルまで、5タイプが用意されているHDD1台を差し込む小型モデルから、ノートパソコンごと(HDDを取り出さずに)強磁場破壊するモデルまで、5タイプが用意されている

西1ホールのエントランス近くに構える“ITビジネスソリューションフェア”では、4月1日に全面施行された、いわゆる個人情報保護法に関連して情報漏洩防止対策のデモや展示が多数見受けられた。(株)プラットフォーム・オブ・ジャパンのブースでは、“DATA KILLER(データキラー)”ブランドの強磁気破壊装置が展示され、来場者の関心を集めていた。強磁気破壊装置とは、トランクのような箱の中に強力な電磁石による強い磁場を発生させ、HDDやフロッピーディスク、テープストリーマーなどの磁気記録メディアを“完全に破壊”するというもの。同社の説明によると、一般的なファイルの削除だけでは、磁気を検地する磁気顕微鏡によって読み出しが不可能ではない。しかし、強磁気破壊装置を使うと検出ができなくなるという。デモでは、破壊のスイッチを押す=磁場が発生する瞬間に“バンッ”と叩きつけるような大きな音がして、消去は1秒未満で完了する。この装置は2001年11月に発売し、官公庁など秘匿性の高い情報を扱う企業・団体などで導入(稼動)の実績があるという。同社では機材の販売だけでなく、レンタルやメディアの持込みによる消去サービスも行なっているが、上記の企業・団体ではメディアを社外に持ち出すことが禁じられていることから、主に同社内(屋内)に出張しての消去サービスを行なうケースが多いという。また、最近は個人情報漏洩に対する懸念からリース物件についても完全消去を求めるケースがある。一度削除するとメディアの再使用ができないが、最近の傾向としてはリース会社もメディアの完全消去(データ破壊)に一定の理解を示すように変わってきた、と担当者は話す。

携帯電話の破壊用装置
携帯電話の破壊用装置は、充電用コネクターに接続して行なうというもの。この後、この電話は二度と電源が入らなくなった

同様に、携帯電話を完全に動作不能にする(メモリー内容の消去だけでなく、電源が入らない)『HP-01』という携帯電話集積回路破壊装置も、2004年秋に発表しており、まもなく発売予定だという(価格は未定)。

強磁気破壊前に磁気顕微鏡でメディアを確認 強磁気破壊後には磁気顕微鏡でも読み出せない
強磁気破壊前に磁気顕微鏡でメディアを確認強磁気破壊後には磁気顕微鏡でも読み出せない


その向かいにブースを構える(株)ピーシーキッドは、焼け焦げて液晶パネルもひび割れた、『T4700CT』(東芝が海外で販売していたノートパソコン)をディスプレーして、「こんな状態でもデータを復活できます」とデータ復活サービスをアピールしていた。同社のサービスは、

  • 論理的復活サービス
  • 物理的復活サービス

の2つに分けられる。論理的復活とは、謝ってフォーマットを実行したり、ウイルスに感染した、OSが起動しなくなったなど、HDD自体には物理的損傷がないものの、データが読み出せなくなった場合に対応するもの。一方、物理的復活とは、ディスクヘッドの損傷など(メディアの損傷は除く)が原因でファイルを読み出せなくなった場合に対応するもので、クリーンルーム内でメディアを取り出し、読み出しを試みる。ただし、こちらは米国の提携企業に委託して実施するため、ミニマム料金(データ取り出し前の状態チェックのみ)でも2万6250円とやや高価なサービスとなっている。

哀れな姿になった『T4700CT』
哀れな姿になった『T4700CT』。こんな状態でも、HDDのディスク面に損傷がなければ、仮にディスクが回らない状態でも読み出しサービスが受けられるという

同社の展示員に聞いたところ、「このサービスは2、3年前から開始しており、最近は月に300~500件程度の問い合わせがある。最も多いメディアはHDDだが、最近はフラッシュメモリーも増えつつある」と述べ、デジタルカメラやUSBメモリーなどの普及により、需要の傾向が変わってきている現状を説明してくれた。

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