センドメール、メールのセキュリティー機能を一元的に管理/運用できる統合管理環境『Sendmail Mailstream Manager』を発表
2005年05月17日 21時34分更新
センドメール(株)は17日、メールのセキュリティー対策/管理を行なう統合プラットフォーム『Sendmail Mailstream Manager』を発表した。同日に発売を開始し、出荷開始は6月10日を予定。価格はオープンプライスで、販売は同社の販売代理店各社を通じて行なわれる。
『Sendmail Mailstream Manager』の管理画面 | 『Sendmail Mailstream Manager』を組み込んだメールシステムの構成例 |
『Sendmail Mailstream Manager』は、メールに関連したウイルス/スパムへの対策や、情報漏洩防止、コンプライアンス(法令遵守)のためのメールポリシーの設定/実施機能を一元的に運用・管理できる統合環境を提供するミドルウェア。MTA(Message Transfer Agent)のプラグイン的役割として使用するほか、MTAとして運用することも可能だという。
『Sendmail Mailstream Manager』によるメール受信処理の流れの例 |
管理/設定画面はウェブベースのGUIを持ち、メール処理量やスパムやウィルスの検出率、ポリシー別の統計など、処理状況をリアルタイムにグラフィカルに表示する“システムダッシュボード”を搭載。メールの条件(ヘッダ/本文/添付ファイルタイプ/添付ファイル内テキストなど)により、詳細な処理方法(拒否/一時拒否/削除/隔離/宛先変更または追加/コピーなど)を設定し、該当するメールに自動的に適用できる。また、業務で利用される可能性のあるほとんどすべての添付ファイルのフォーマットをサポートし、Wordファイル内に貼り付けられたExcelファイルや、圧縮ファイルなどの検索/処理も可能だという。
機能としては、基本的なゲートウェイフィルタリングやセキュリティー対策に加え、企業内外に宛てたメールに対してビジネスポリシーや法規制要件などを適用することも可能。また、外部のシステム/ソフトウェアとの柔軟な連携や拡張性の高さも特徴だといい、Microsoft ExchangeやLotus Notesなどのメールシステム/グループウェアへのアドオン、サードパーティー製のウイルス対策フィルターやスパム対策フィルターの統合/一元管理、LDAPによるディレクトリーサービスの利用といった機能を持つ。
対応OSは、Windows、Red Hat Linux、SUSE LINUX(United Linux)、MIRACLE LINUX、Solaris。
社長の小島國照氏 |
この日開催された記者説明会で、新製品の概要を説明した同社社長の小島國照氏は、メールのセキュリティー・インフラの確立に向けたポイントを
- 急増するメールトラフィックの処理
- 複雑化・多様化するセキュリティー要件への対応
- 地理的に拡散するネットワークへの対応
- 分散した管理の再統合
- サーバー間の暗号化通信の確立
と提示。これらを踏まえたより進化したウイルス/スパム対策としては、正規のメールのみが正しくシステムに到達することを保証するシステムと、高度かつフレキシブルなアーキテクチャーの確立が必要だとした。
また同氏は、同社の基本姿勢を「インフラを提供する企業」だと述べ、たとえば、今回発表した『Sendmail Mailstream Manager』のような製品の中に自らウイルス対策機能などを組み込むようなことはせず、顧客の選択により、同社および他社の製品を柔軟に組み込みやすい構造をとっていくとしている。
メールシステムとセキュリティー対策の今後の進化 |
今後のメールセキュリティーの進化としては、送信者ドメイン認証(Semder IDやDomainkeysなど)の普及などにより「メールのアーキテクチャーは大きく変化」していくとの見通しを示し、『Sendmail Mailstream Manager』には、今後標準化されていく技術を取り込むことが可能な拡張性を持たせていると述べた。