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日本IBM、ソフトウェア事業戦略説明会を開催――Tivoliを核とするITプロセスの統合自動化ソリューションを発表

2005年05月17日 17時22分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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執行役員 ソフトウェア事業担当の三浦 浩氏
執行役員 ソフトウェア事業担当の三浦 浩氏

日本アイ・ビー・エム(株)は17日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにプレス関係者を集め、同社のビジネス・ソフトウェア事業戦略の説明会を開催した。これは、同じ会場で本日から18日まで開催されるミドルウェア製品の展示会&カンファレンス“IBM Software World 2005”の一環として行なわれたもの。説明会には、執行役員 ソフトウェア事業担当の三浦 浩氏が出席し、米IBM(International Business Machines)社が現地時間16日に発表した“ITサービス・マネージメント・ソリューション”の詳細をはじめ、Rational(ラショナル)/Lotus(ロータス)/WebSphere(ウェブスフィア)/DB2(ディービーツー)/Tivoli(チボリ)の5つのミドルウェアブランドの位置づけや、2005年度以降の戦略について説明した。

最初に三浦氏は、「IBM Software Worldは今年が3回目だが、参加企業が昨年の100社から115社に増え、SOA(サービス指向アーキテクチャー)とRationalのセッションが最初に埋まるなど、“生産性の向上”に高い関心が集まっていることを強く感じる」と切り出し、刻々と変動するビジネスシーンにいち早く対応するため、ミドルウェア製品が重要になっている現実を強調した。



プロダクトの強化とソリューションとして提案を進める
ソフトウェア事業戦略の一環として、プロダクトの強化とソリューションとして提案を進めるという

ソフトウェア戦略については、昨年までの同社は各ミドルウェア製品の位置づけを明確化し、ブランド力を強化することに主眼を置いていた。それに対し、今年は改めて“顧客の求める価値”を“ソリューション”として提案。顧客の目的・要望に合わせて必要なミドルウェアを組み合わせて提供することでカバレッジ(顧客対象となる範囲)を広げていくと説明した。

また、そのためのミドルウェアとして先に挙げた5つのブランドのほかにも、補完する製品(ソフトウェア、およびそれを開発する企業)の買収を続けていく決意も示した。具体的には、今年3月にデータ統合ソフトウェアメーカー米アセンシャル・ソフトウェア(Ascential Software)社を、今月もオープンソースのウェブ・アプリケーション・サーバーを開発する米Gluecode Software社を、それぞれ買収している。同社は過去に業務提携の形で連携を図ったこともあるが、ソフトウェア連携などで失敗があり、その反省を踏まえて、ソフトウェア事業部門では必要とする技術・ソフトウェアについて買収の形で入手・取得する方針を固めている。これは、ソフトウェア開発における決定権をIBM自身が持てること、IBMの持つほかのソフトウェアとの連携が図りやすいこと、などが理由だとしている。

“ITサービス・マネージメント・ソリューション”を新たに提供開始 ライフサイクルでサービスを提供するという
SOAの具現化を進めるべく、“ITサービス・マネージメント・ソリューション”を新たに提供開始ITシステムの構築・運用から変更、管理、再構築まで、ライフサイクルでサービスを提供するという

一方SOA(サービス指向アーキテクチャー)の具現化の一環として、IBM Software Worldの初日に米国で発表された“ITサービス・マネージメント・ソリューション”は、ビジネスシーンの変化に応じてITプロセスの設計、提供するサービスなどを自動化/標準化するソリューション。ITプロセスを細分化した小さなサービス(機能)の集合体として実現し、状況の変化や必要に応じて最適に組み合わせることでITサービスを構築するのが理想だが、現実にはITシステム管理者が手作業でトラブルの回避、変更を行なっている。

そこで、1980年代後半に英国の政府機関が作成・文書化し、IT運用における知識やノウハウを集約したという“ITIL(ITインフラストラクチャー・ライブラリー)”のベストプラクティス(経験や実績を踏まえた最適な実践手順)を収録。それに合わせてITプロセスを実装する“ツール・メンター(タスクに合わせて必要なツールを選択・助言するガイド)”を盛り込み、同社のミドルウェア群を有効活用してITプロセスの再構築の自動化/標準化を図るというもの。

ITサービス・マネージメント・ソリューションとして提供されるソフトウェア製品は以下のとおり。これらを導入先に合わせてカスタマイズするサービスも合わせて提供される。

IBM Tivoli Unified Process
ITプロセスのマッピング/修正/改善のためのベストプラクティスを提案し、カスタマイズや実装に向けたアドバイスを行なうナビゲーションツール(提供中)
IBM Tivoli Change and Configuration Management Database(CCMDB)
複数データベースに散在するIT情報を連携する“仮想化データベースシステム”。情報管理や情報抽出を促し、意思決定を加速化するツール(2005年中に提供予定)
IBM Tivoli Process Managers
ITプロセスを自動化するパッケージソフトウェア(2005年後半に提供予定)

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